5月17日 (金) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 2 阪急 9勝3敗 0.750 笠松実
0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 パ軍 6勝7敗1分 0.462 湯浅芳彰
勝利投手 笠松実 3勝1敗
敗戦投手 湯浅芳彰 1勝1敗
勝利打点 (急)日比野武 1
日比野武が延長12回決勝打
西宮の第2試合は午後2時50分、杉村主審の右手が上がりプレイボール。三塁塁審は第一試合に続いて阪急球団職員の片岡勝。片岡は阪急戦でも審判を務めることがある。この場合はグレートリング球団職員ではないかと考えられる加藤を起用した方が公正性を担保できるのではないか。
ここまで阪急外野陣はレフト青田、センター山田でライトは髙橋敏と野口二郎が多かったが、この日は六番ライトに下社が戦後初スタメン。阪急は終戦直後から西宮球場が使えたため練習量が豊富で選手層も厚い。
阪急は4回まで3四球は選んだもののノーヒット。パ軍先発の湯浅芳彰に無得点に抑えられる。
阪急は5回表、先頭の三木が中前打で出塁、下社の投ゴロの間に三木は二進、更に坂田に代わる代打野口二郎の投ゴロの間に三進、笠松はストレートの四球、尾西も四球を選んで二死満塁、トップに返り山田が二遊間にタイムリーを放ち1点を先制する。
阪急先発の笠松は6回まで4安打を許すもパ軍打線を無得点に抑え込み、7回、8回は三者凡退、試合は最終回を迎える。
追加点の奪えない阪急は9回表、先頭の下社の当りは遊ゴロ、これをショート松井がエラー、続く日比野は送りバントを決めるが守備妨害を取られてアウト、ここはバントの後に走らず伊勢川の守備を妨害したと判定されたか、バントは有効で犠打が記録されて一死二塁、笠松の三ゴロをサード平野が一塁に悪送球して一死一三塁、尾西の二ゴロで三走下社がホームに突っ込むがセカンド小島からの本塁送球にタッチアウト、トップに返り山田が四球を選んで二死満塁、しかし期待の上田は三振に倒れて無得点。
1点を追うパ軍は最終回、一死後伊勢川の当りは三ゴロ、これをサード三木がエラー、代走に喜瀬正顕を起用、続く湯浅の三ゴロも三木がエラーして一死一二塁、松井に代わる代打として昭和14年以来の復帰となる高須清を起用、しかし高須は左飛に倒れて二死一二塁、ここで平野に代わる代打佐竹一雄が中前に起死回生の同点タイムリー、1-1と追い付き延長戦に突入。
パ軍はショート松井の代打に出た高須がサードに入り、キャッチャー伊勢川の代走に出た喜瀬がショートに入り、サード平野の代打で殊勲の同点打を放った佐竹がマスクを被る。
阪急は10回表、二死後三木の三ゴロをサード高須が一塁に悪送球、打者走者の三木は二塁に進み、下社の三遊間ヒットで二死一三塁、しかし日比野の三ゴロを今度は高須が正確に送球してスリーアウトチェンジ。
阪急は11回表、一死後尾西が四球を選ぶと二盗に成功、しかしトップに返り山田は左飛、上田は左邪飛に倒れて無得点。
パ軍は10回、11回と1人ずつ走者を出すが無得点。
阪急は12回表、二死後三木がストレートの四球で出塁、下社が三遊間を破って二死一二塁、ここで日比野が三遊間にタイムリーを放ち2-1と勝ち越す。
パ軍は12回裏、二死後小島が四球を選んで最後の粘りを見せるが、森下は中飛に倒れて力尽く。
湯浅芳彰は12回で175球の熱投を見せたが9四球が災いした。
笠松実は12回を6安打4四球1三振で完投、3勝目をマークする。
決勝打を放った日比野武はこの後も長く名捕手として活躍を続ける。二リーグ分裂後は西日本パイレーツから西鉄ライオンズに移り、和田にレギュラーの座を奪われた選手生活晩年に迎えた昭和33年の日本シリーズでは、第四戦からマスクを被って稲尾を蘇らせ、3連敗から4連勝の奇跡の逆転優勝の陰の立役者となる。
*日比野の直筆サイン入りカード。このユニフォームは昭和24年まで使われた。
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