5月11日 (土) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 セ軍 5勝4敗 0.556 白木義一郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 巨人 4勝5敗 0.444 諏訪裕良 近藤貞雄
勝利投手 白木義一郎 4勝2敗
敗戦投手 諏訪裕良 1勝2敗
二塁打 (セ)飯島2
勝利打点 (セ)飯島滋弥 2
猛打賞 (セ)飯島滋弥 1
白木義一郎、スミ一を守り抜く
後楽園の第1試合は午後1時5分、島球審の右手が上がりプレイボール。
セネタースのトップバッター横沢七郎はここまで打率は2割5分であるが8試合で四球を11個選んでおり出塁率は4割8分6厘、Isodは驚異の0.236である。横沢のIsdoの高さはこの短期間だけのもではなく、通算でも0.122を記録している。Isodは王の通算0.145に代表されるように勝負を避けられ敬遠が多い強打者の数値が高くなると言われる。選球眼が良くてIsodが高いことで知られる山田潔は通算0.128。
横沢七郎の名前が再認識されたのは、2014年7月31日にロッテの岡田がプロ入り初打席以来1,771打席連続「本塁打ゼロ」を記録して横沢の持つ1,770打席連続の記録を更新した時であった。一般に、アベレージヒッターは打って出るタイプが多く、岡田の通算Isodは0.45である。イチローも日米通算Isodは0.44。横沢や山田の時代とは打撃スタイルの違いが大きな要因でもあるが、横沢七郎が球史に残る「選球眼」の持ち主であったことを否定する材料はない。
セ軍は1回表、先頭の横沢は巨人先発の諏訪に8球投げさせて捕ゴロ、鈴木清一が右前打を放ち、大下も中前打で続いて一死一二塁、飯島が左前に先制タイムリーを放ち1-0とリードする。
セ軍は3回表、二死後飯島がレフト線に二塁打、しかし諏訪からの二塁けん制に引っ掛かりタッチアウト。
セ軍は4回以降、諏訪-近藤の継投に抑えられて8回まで無安打。9回一死から飯島がレフト線に二塁打を放つが、長持は右飛、飯島が捕逸で三進するも熊耳は遊飛に倒れて無得点。
セ軍先発の白木が「スミ一」を守り抜いた。初回、先頭の呉新亨に右前打を許すが、二死後熊耳が呉の二盗を防いで波に乗る。3回は二死後山田に右前打を許すが、トップに返り呉を中飛に打ち取る。4回は先頭の山川に粘られて四球を与えるが、千葉のピッチャーライナーを一塁に送球してゲッツー。6回は一死後山田を四球で歩かせ、二死後二盗を決められ山川に右前打を打たれるが、ライト黒尾がホームを狙った二走山田を好返球で刺してピンチを防ぐ。
白木は9回裏、一死後山川、千葉に連続中前打を許して一二塁のピンチを招くが、黒沢を二飛、多田を中飛に打ち取り、5安打2四球3三振で今季2度目の完封、ハーラー単独トップの4勝目をあげる。
黒尾のバックホームの場面については、日本野球連盟編「日本野球名鑑 1947年版」の33ページに「山川の安打で同点になったと思われたが、黒尾の右翼は、よい遠投げでこれを刺し」と書かれている。
*日本野球連盟編「日本野球名鑑 1947年版」。こちらは千葉功さんからいただいたものです。単行本サイズで、昭和21年の全試合のテーブルスコアや簡単な試合概況が書かれています。今季の「節」の刻みは、ここに書かれている連盟公表の「節」を採用しています。
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