5月26日 (火) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 0 0 3 0 4 黒鷲 7勝26敗2分 0.212 金子裕
3 1 0 0 0 0 0 2 X 6 阪神 18勝16敗1分 0.529 木下勇 若林忠志
勝利投手 木下勇 5勝3敗
敗戦投手 金子裕 2勝4敗
セーブ 若林忠志 1
二塁打 (神)松本
勝利打点 玉置玉一 1
猛打賞 (黒)木村孝平 2
木村孝平、2試合連続猛打賞
春季最終戦で阪神はオーダーを変えてきた。一番には何と御園生崇男を起用、御園生はピッチャーですよ。
阪神は初回、御園生崇男が四球を選んでトップバッターとしての役目を果たす。一番バッターは第一打席で出塁することが最も重要なミッションです。野口昇の左前打で御園生が三塁に進み無死一三塁、当然エンドランがかかっていたのでしょう。松本貞一がセンター右に先制タイムリーを放って1-0、土井垣武の三ゴロで松本が二封されて一死一三塁、カイザー田中義雄が左前にタイムリーを放って2-0、二走土井垣と一走田中がダブルスチールを決めて一死二三塁、塚本博睦の遊ゴロをショート木村孝平がファンブル、走者は動かず一死満塁、大島武の遊ゴロの間に三走土井垣が還ってこの回3点を先制する。
阪神は2回、先頭の上田正が四球で出塁、トップに返り御園生は4球ファウルで粘って二ゴロ、ランナーが入れ替って一死一塁、野口も4球ファウルで粘った末遊ゴロ、この間に御園生は二進、松本が右越えに二塁打を放ち4-0として試合の主導権を握る。
松本貞一はこの時点で2打数2安打2打点、勝利打点も確実ということで本人はお立ち台で何を喋ろうかと思案していたことでしょう。ところが人生ままならないものです。
黒鷲は3回、一死後木村孝平が左前打で出塁、木下政文の遊ゴロでランナーが入れ替わり、富松信彦が四球を選んで二死一二塁、吉水幸夫の三ゴロをサード土井垣が一塁に大暴投する間に二走木下が還って1-3、反撃に転ずる。
4回~7回も毎回走者を出しながら無得点に終わった黒鷲は8回、一死後金子裕が三塁に内野安打、杉江文二が四球を選んで一死一二塁、杉山東洋夫に代わる代打松本操が左打席から中前にタイムリーを放ち2-4、山田潔が四球を選んで一死満塁、トップに返り渡辺絢吾に代わる代打寺内一隆監督の三ゴロで三走杉江は本封、キャッチャー田中がホームゲッツーを狙って一塁に送球するがセーフ、この虚を突いて三塁に達していた二走松本がホームに突っ込みファースト大島が折り返しバックホーム、タイミングはアウトであったがキャチャー田中が落球して松本はホームイン、3-4とする。更に二死一三塁から木村がこの日3安打目となるタイムリーを右前に放って4-4の同点に追い付く。この瞬間、松本貞一の勝利打点は消えた。
阪神は8回裏、先頭の田中が三塁に内野安打、塚本博睦が四球を選んで無死一二塁、大島武に代わる代打若林忠志監督は二飛に倒れて一死一二塁、木下勇に代わる代打玉置玉一が中前に決勝タイムリーを放って5-4、センター寺内の悪送球の間に二者進塁して一死二三塁、上田の遊ゴロの間に三走塚本が還って6-4と突き放す。
先発の木下に代打を送った阪神は代打に出た若林を9回のマウンドに送り、黒鷲打線を三者凡退に退けて春季最終戦を制す。
黒鷲のショート木村孝平が2試合連続猛打賞を記録した。浪華商業出身の木村孝平は昭和16年から18年にプロ野球に在籍して戦死することとなるが、ボールの飛ばなかった時代に内野手としては抜群の打撃成績を残している。昭和17年は打撃ベストテンの第七位であるが、一位から六位までは呉波、岩本義行、中島治康、フランク山田伝、坪内道則、伊藤健太郎と全て外野手が占めており、木村孝平は内野手としては首位打者である。
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