2014年10月10日金曜日

17年 巨人vs名古屋 2回戦


4月13日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 0 0 0 2 0 0 4 8 巨人     8勝3敗 0.727 広瀬習一
2 0 0 0 0 0 1 1 0 0 4 名古屋 3勝8敗 0.273 松尾幸造 森井茂

勝利投手 広瀬習一 4勝1敗
敗戦投手 森井茂    1勝2敗

三塁打 (巨)川上
本塁打 (名)山下実 1号、野口正明 1号

勝利打点 呉波 1


広瀬習一、投打走に活躍

 名古屋は正捕手古川清蔵が怪我で休んでおりこのところ藤原鉄之助がマスクを被っていたが、本日のスタメンマスクは何と芳賀直一である。芳賀のスタメンマスクは昭和15年10月13日以来2度目となる。

 巨人は初回、先頭の白石敏男が四球で出塁、水原茂の二ゴロで白石は二封、中島治康が左前打を放って一死一二塁と先制のチャンス、しかし川上哲治は左飛、楠安夫は二直に倒れてスリーアウトチェンジ。

 名古屋は1回裏、先頭の石丸藤吉が四球で出塁、桝嘉一の左前打で無死一二塁、山下実は遊飛に倒れるが、吉田猪佐喜の三ゴロを水原が二塁に送球すると二塁ベースカバーのセカンド三好主が後逸、このエラーの間に二走石丸藤吉が一気にホームに還り1点を先制、なお一三塁から吉田が二盗を決め飯塚誠が四球を選んで一死満塁、芳賀の中犠飛で2-0とする。

 巨人は3回、先頭の広瀬習一の遊ゴロをショート石丸進一がエラー、トップに返り白石は2打席連続の四球、水原が送って一死二三塁、中島は四球を選んで一死満塁、川上の一ゴロ併殺崩れの間に三走広瀬が還って1-2、なお二死一三塁から鮮やかにダブルスチールを決めて2-2の同点に追い付く。不慣れなキャッチャー芳賀の隙を狙った走塁であった。

 巨人は7回、一死後白石が4打席連続となる四球を選んで出塁、水原の三ゴロは「5-4-3」と転送されるが二塁はセーフで一塁はアウト、ここはエンドランが掛かっていたようで、芳賀に代わってサードを守る飯塚が間に合わない二塁に投げたものである。中島が四球を選んで二死一二塁、ここで川上が右中間に三塁打を放って4-2と勝ち越す。

 川上の一撃で勝負あったかに見えた名古屋7回裏の攻撃、野口正明がレフトスタンドにホームランを叩き込んで1点差に詰め寄る。野口は派手なプロ入り初安打を放った。

 名古屋は8回から先発の剛球・松尾幸造に代えて軟投派の森井茂をマウンドに送る。


 名古屋は8回裏、今度は山下実がライトスタンドに同点ホームランを叩き込んで4-4と追い付く。

 巨人は10回、先頭の川上が四球を選んで出塁、楠の右前打で無死一二塁、伊藤健太郎が送って一死二三塁、呉波が中前に決勝タイムリーを放って5-4、呉が二盗を決めて再び一死二三塁、三好に代わる代打永沢富士雄は三飛に倒れるが、広瀬が中前にタイムリーを放って6-4、二走呉は三塁にストップするがセンター桝がホームに送球する隙を突いて打者走者の広瀬は二塁に進む。トップに返り白石の遊ゴロをショート石丸進一がエラーする間に三走呉に続いて二走広瀬も快足を飛ばしてホームに還り8-4として勝負を決める。



 広瀬習一は延長10回を5安打3四球5三振で完投、4勝目をあげてハーラートップに躍り出る。ピッチングもさることながら、10回に見せた走塁は見事であった。上田龍著「戦火に消えた幻のエース 巨人軍・広瀬習一の生涯」によると、大津商業時代の広瀬習一は陸上でも活躍したとのことで、プロ入り後も随所に快足ランナーとしての片鱗を見せている。







 

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