2020年7月7日火曜日

21年 セネタースvs阪急 8回戦


7月22日 (月) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 1 0 2 0 0 0 3 2 8 セ軍 19勝30敗 0.388 一言多十 白木義一郎 
0 1 0 2 0 0 0 0 1 4 阪急 29勝23敗 0.558 天保義夫 笠松実 

勝利投手 白木義一郎 9勝10敗
敗戦投手 笠松実        7勝6敗 

二塁打 (セ)熊耳、大下
三塁打 (急)下社、坂井、山田

勝利打点 なし

猛打賞 (セ)飯島滋弥(4安打)3 (急)山田伝 3、坂井豊司 1


飯島滋弥が4安打

 西宮の第1試合は一言多十と天保義夫の先発で午後1時5分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 セ軍は初回、先頭の白木義一郎が中前打で出塁、鈴木清一が送りバントを決めて一死二塁、続く飯島の遊ゴロの際に二走白木がインターフェアランスを宣告されてアウト、飯島の記録は遊ゴロアウトなので白木が打球に当たったのではなく、ゴロを捕球したショート坂井豊司の守備を妨害したことになる。白木が打球に当たっての守備妨害であれば飯島の記録は内野安打となる。二死一塁に飯島で試合再開、大下は右飛に倒れて無得点。


 阪急は1回裏、先頭の上田が四球を選ぶと二盗に成功、山田伝も四球を選んで無死一二塁、しかし青田は遊飛、野口明は三振、日比野は中飛に倒れてチャンスを生かせず無得点。


 セ軍は2回表、一死後一言が四球を選んで出塁、熊耳の左中間二塁打で一言が還って1点を先制する。


 阪急は2回裏、先頭の下社邦男が右中間に三塁打、坂井が右前に同点タイムリーを放ち1-1と追い付く。


 セ軍は4回表、先頭の飯島が中前打で出塁、大下の右中間二塁打で飯島が還って2-1、阪急ベンチはここで先発の天保から笠松実にスイッチ、長持の一塁線ヒットがタイムリーとなって3-1、一言が送りバントを決め、熊耳は遊飛に倒れるが、石原光男はストレートの四球、清水喜一郎も四球を選んで二死満塁、しかしトップに返り白木は左飛に倒れて追加点はならず。


 阪急は4回裏、先頭の日比野がストレートの四球で出塁、下社は右飛に倒れるが、坂井が中越えにタイムリー三塁打を放ち2-3、荒木茂は四球、笠松が中前に同点タイムリーを放ち3-3と再度追い付く。


 阪急は6回裏、先頭の下社が中前打で出塁、坂井も中前打を放って無死一二塁、セ軍ベンチはここで先発の一言をセンターに回し、センターの白木をマウンドに呼び寄せると、荒木の三ゴロは「5-4-3」と転送されてダブルプレー、笠松も遊飛に倒れて無得点。


 阪急は7回裏、一死後山田が中前打から二盗に成功、青田の右前打で一死一三塁、青田が二盗を決め、野口明に代わる代打野口二郎が四球を選んで一死満塁、しかし日比野の二飛に二走青田が飛び出しておりダブルプレー。


 セ軍は8回表、先頭の飯島の当りはショートへの内野安打、ショート坂井の一塁悪送球が加わって打者走者の飯島は二塁に進んで無死二塁、大下はストレートの四球、これは敬遠でしょう。無死一二塁から長持は初球を打って行ってファウル、セ軍横沢三郎監督はここで代打に弟の横沢七郎を起用、横沢の送りバントが野選を誘って無死満塁、横沢に代走黒尾重明を起用、一言の遊ゴロをショート坂井が本塁に悪送球、三走飯島に続いて二走大下も還って5-3と勝ち越し、一走黒尾は三塁に、打者走者の一言は二塁に進んで無死二三塁、熊耳の中犠飛で1点追加して6-3とする。二走一言も「タッチアップから三塁に進んで一死三塁、続く石原の中飛で珍しく「8-5-4C」のダブルプレーが記録された。大きな飛球で三走一言がタッチアップからスタートを切ってセンター山田からのバックホームを中継に入ったサード荒木が捕球して三塁ベースに引き返した一言を三塁で刺したのなら三塁ベースカバーにはショート坂井が入っているはずである。三塁ベースカバーにセカンド上田が入ったということは、ショート坂井は打球を追っていたことになるので、センターとショートの間への浅い飛球に対して三走一言がタッチアップからスタートを切ったが中途半端な走塁となり、セカンド上田が三塁ベースカバーに入ったということか。上田はこれを予期して打球が上がった瞬間に三塁ベースカバーに走っていたと考えられる。そうでなければ間に合わないはずであり、これは上田のファインプレーである。


 セ軍は9回表、先頭の清水が右前打で出塁、トップに返り白木が送って一死二塁、二死後飯島の中前タイムリーで7-3、大下の中前打で飯島が三塁に進んで二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて8-3とする。この時キャッチャー日比野からの二塁送球は悪送球となり、大下は二塁から三塁、更にホームも狙うがショート坂井からの本塁送球にタッチアウト。飯島には「本盗」、大下には「二盗」が記録されている。


 阪急は最終回、山田の三塁打と野口二郎のタイムリーで1点返すがここまで。6回、7回のチャンスを併殺で逃したのが痛かった。


 リリーフの白木義一郎は4イニングを5安打1四球無三振1失点に抑えて9勝目をマークする。この日は飯島滋弥が4安打、大下もホームランダービートップに躍り出てきており、役者が揃ったセ軍は勢いが出てきた。


*「8-5-4C」の場面。左上の「C」は、「三番打者(C)飯島が遊失で生還した際に二塁に進んだこと」を表し、「8-5-4C」の「C」は三塁ベースを表す。すなわち、セカンド上田が三塁ベースカバーに入ったことを意味する。慶應式スコアの基本です。


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