2019年9月26日木曜日

21年 巨人vs阪急 1回戦


5月9日 (木) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
1 0 0 0 0 0 3 0 0 4 巨人 4勝4敗 0.500 藤本英雄 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 6勝2敗 0.750 天保義夫

勝利投手 藤本英雄 1勝1敗
敗戦投手 天保義夫 3勝1敗 

二塁打 (巨)呉 (急)山田

勝利打点 (巨)黒沢俊夫 1

猛打賞 (巨)山川喜作 1


藤本英雄、戦後初完封

 本日はこの1試合のみ。巨人はまだ片目の開かない藤本英雄、阪急は開幕3連勝と波に乗る天保義夫の先発で午後3時2分、島秀之助主審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は初回、先頭の呉新亨が左中間に二塁打、山川は右飛に倒れるが、千葉が得意の右打ちでライト線にヒットを飛ばし一三塁、黒沢の中前タイムリーで1点を先制する。


 阪急は3回裏、一死後打率こそ2割丁度ながら活躍度の高い九番・尾西が左前打を放って出塁、トップに返り山田伝のライト線二塁打で一死二三塁、上田の一ゴロをファースト諏訪がベースを踏んでから本塁送球、ホームに突っ込んだ三走尾西はタッチアウト、諏訪のファインプレーで「3A-2」のダブルプレー。


 阪急は5回裏、先頭の三木がレフト線にヒット、坂田が送って一死二塁、天保の当りはピッチャー返しの鋭いライナー、しかしセカンド千葉が捕球してそのまま二塁ベースに入り、二走三木は戻れず千葉の単独ダブルプレー。


 巨人は3回表、山川と千葉のヒットを起点に二死二三塁とするが、多田は右飛に倒れて無得点。


 巨人は4回表、一死後林が左前打で出塁、藤本が四球を選んで一死一二塁、山田の投ゴロを天保は三塁に送球、更にサード三木が一塁に転送して「1-5-3」のダブルプレーが完成する。


 巨人は5回表、呉、山川の連続ヒットと千葉の送りバントで一死二三塁、しかし黒沢は投ゴロ、多田も二飛に倒れてどうしても追加点が奪えない。


 巨人は7回表、一死後呉新亨の当りは二ゴロ、これをセカンド上田がエラー、二死後呉が二盗を決め、千葉はストレートの四球で一二塁、黒沢も四球を選んで二死満塁、多田が押出し四球を選んで欲しかった追加点、更に諏訪がレフト線に2点タイムリーを放ち4-0とリードを広げる。


 藤本は6回以降阪急打線を無安打に抑え、3安打3四球2三振の完封で戦後初勝利をあげる。


 藤本英雄監督は采配も冴えた。この日は一二番を入れ替え、トップの呉新亨が2安打2得点、二番の山川は3安打の猛打賞。気を良くした藤本監督は、しばらくこのオーダーで試合を進めていくことになる。


 戦前は荒れ球が目に付いた「投手・藤本」は、この日は8回まで1四球、9回に2四球を出したものの最後まで乱れなかった。藤本のピッチングが劇的に変化するのは昭和23年からであるが、コントロール中心のピッチングへの切り替えのきっかけとなった投球内容であった。


*タテ25センチの大版カラーブロマイド。中日から再移籍後の昭和23~24年頃のものと考えられる。


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