2019年9月19日木曜日

21年 中部日本vs阪急 1回戦


5月5日 (日) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 0 0 0 0 1 1 0 2 中部 3勝3敗 0.500 森井茂 
1 0 2 0 0 1 0 0 X 4 阪急 5勝1敗 0.833 笠松実 

勝利投手 笠松実 1勝0敗
敗戦投手 森井茂 3勝1敗 

二塁打 (中)加藤 (急)青田

勝利打点 (急)青田昇 1

猛打賞 (急)青田昇 4


阪急、集中打で加点

 この日の試合は後楽園のみ、第2試合は午後3時18分、池田豊主審の右手が上がりプレイボール。

 西村正夫監督は、昨日2つの走塁ミスを犯した山田伝を下げてトップに下社邦男を起用する厳しさを見せた。


 中部日本は初回、二死後古川清蔵が三塁にヒット、小鶴も中前打で続いて一二塁と先制のチャンス、しかし服部受弘の当りはセカンドライナー、無得点に終わる。


 阪急は1回裏、一死後上田の当りは遊飛、しかしこれをショート金山が落球、続く青田のレフト線二塁打で一走上田が一気にホームに還り1点を先制する。


 阪急先発の笠松は2回~4回を三者凡退に抑える好投。ここがこの試合の勝負のポイントとなる。


 阪急は3回裏、先頭の尾西が中前打で出塁、一死後上田も中前打、青田も中前打で続いて一死満塁、なお、「雑記」欄には青田のヒットについて「捕手に妨害されたが安打を放つ」と記されており、青田のバットがキャッチャー服部のミットに触れたがヒットになったようだ。髙橋敏の投ゴロで三走尾西は本封されて二死満塁、ここで野口明が中前に2点タイムリー、4本の中前打を集中して2点を追加し好投の笠松に報いる。


 阪急は6回裏、二死後笠松が中前打で出塁、尾西の二ゴロをセカンド鈴木秀雄がエラーして一二塁、トップに返り下社がストレートの四球を選んで二死満塁、上田が左前にタイムリーを放ち貴重な追加点をあげる。


 4点差を追う中部は7回表、先頭の加藤正二が左前打で出塁、藤原の三ゴロをサード三木がエラーして一二塁、森井茂の二ゴロがセカンド上田からショート尾西に渡って藤原は二封、ゲッツーを狙った尾西の一塁送球が悪送球となる間に一走加藤がホームに還りようやく1点を返す。続くは鈴木秀雄は三振、トップに返り岩本章も捕邪飛に倒れて追加得点はならず。


 中部は8回表、一死後古川、小鶴が連続四球、服部が左前打を放って一死満塁、加藤の遊ゴロ併殺崩れの間に三走古川が還って2-4と追い上げるが反撃もここまで。


 笠松実は6安打3四球2三振、終盤少しバテたようだが完投で戦後初勝利を飾る。


 昭和20年秋の動向でも触れたとおり、西宮球場が終戦直後から使用できた阪急は早くから練習を積んでおり戦力が充実している。3回に中前打を4本集めた攻撃など、練習量の豊富さを如実に物語っている。野球経験者であれば理解できると思いますが、人間の本能だけであれば引っ張る打撃が自然です。但し、それだけでは外角球を引っ掛ける結果となるので、練習ではセンター返しを繰り返します。練習を積んでいくと、打球はセンターから反対方向に飛ぶようになります。


 阪急は投手陣も天保、今西、前川、野口二郎、笠松と駒が揃っており、各チームの戦力が充実してくるまでは、ペナントレースの主役となることが予想される。



*青田の第2打席はバットがミットに当りながらヒットになった。青田はこの日で早くも4回目の猛打賞。引き付けて打てていることを物語っている。「捕手に妨害されたが安打を放つ」と読みます。拡大鏡で確認しているので間違いない。


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