2019年9月30日月曜日

21年 タイガースvsパシフィック 3回戦


5月10日 (金) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
2 0 3 1 0 0 2 2 0 10 タ軍 4勝4敗 0.500 呉昌征 
0 0 1 0 0 0 0 0 0  1  パ軍 4勝5敗 0.444 真田重蔵 湯浅芳彰 

勝利投手 呉昌征     2勝0敗
敗戦投手 真田重蔵 2勝3敗 

二塁打 (タ)藤村 (パ)森下

勝利打点 (タ)土井垣武 2

猛打賞 (タ)藤村冨美男 1、土井垣武 2、本堂保次 1、小俣秀夫 1


戦後最初の珍プレー

 西宮の第2試合は呉昌征と真田の先発で午後4時丁度、杉村主審の右手が上がりプレイボール。

 タ軍は初回、先頭の金田が三遊間に流し打って出塁、藤村は中前打、御園生が送りバントを決めて一死二三塁、土井垣が中前に先制の2点タイムリーを放ち2-0とする。


 タ軍は2回表、先頭の小俣が中前打で出塁、小林は中飛に倒れて一死一塁、呉の一ゴロをファースト辻井が二塁ベースカバーのショート松井信勝に送球するが松井が落球して一死一二塁、このプレーにパ軍藤本監督は激怒、即刻ショートを松井から喜瀬正顕に代える荒療治、これにはタ軍もビビったか金田は一ゴロ、藤村は左飛に倒れて無得点。


 タ軍は3回表、一死後土井垣が中前打、これをセンター富松がファンブルする間に打者走者の土井垣は二進、本堂が中前タイムリーを放ち3-0、富樫も中前打、ワイルドピッチで二者進塁して一死二三塁、小俣が中前に2点タイムリーを放ち5-0とリードを広げる。パ軍先発の真田はここでノックアウト、湯浅芳彰がリリーフのマウンドに上がって後続を抑える。


 パ軍は3回裏、一死後平野徳松が中前打で出塁、湯浅は左前打、トップに返り富松が四球を選んで一死満塁、木暮の投ゴロで三走平野は本封、辻井が押出し四球を選んで1-5とする。


 タ軍は4回表、一死後御園生、土井垣が連続四球、本堂がレフト線にヒットを放ち一死満塁、富樫は浅い右飛に倒れるが、小俣がストレートの押出し四球を選んで6-1と突き放してなお二死満塁、続く小林の打席、フルカウントの場面で三走土井垣がスタート、この時ピッチャー湯浅がプレートを外してホームに送球したが、この球を小林が打った。これに対して杉村主審は「イリーガルプレー」を宣告、小林は「守備妨害」でアウトとなってチェンジ。


 タ軍は7回表、一死後金田がストレートの四球で出塁、藤村の投ゴロを湯浅が一塁に大暴投、一走金田は一気にホームに還り打者走者の藤村も三塁へ、二死後土井垣が左前にタイムリーを放ち8-1とリードを広げる。


 タ軍は8回表、先頭の小俣が本日3本目の中前打、小林の遊ゴロをショート喜瀬がエラー、呉の二ゴロで小林が二封されて一死一三塁、トップに返り金田の二ゴロの間に三走小俣が生還、藤村が中越えに二塁打を放ち10-1と突き放す。


 呉昌征は8安打3四球4三振の完投で2勝目をマークする。呉が投げると不思議とダイナマイト打線が爆発するが、投球リズムがいいのでしょうね。この試合でタイガース打線は4人が猛打賞を記録。


 パ軍のショート松井信勝はここまで27打数12安打、打率4割4分4厘で首位打者であるが、藤本監督は2回表の落球一発で即刻ベンチに下げた。名将藤本定義の采配の一端がうかがえる。


 タ軍4回の攻撃で、小林英一が、ピッチャー湯浅がプレートを外してホームに送球した球に手を出して「守備妨害」を宣告された。53年後の1999年6月12日、新庄剛志が槇原の敬遠球に手を出してサヨナラ打を放つこととなる。新庄の打撃は「珍プレー特集」の定番となっているが、この日の小林の打撃こそ、「戦後最初の珍プレー」と認定できる。新庄はタイガースの伝統を守ったのである。


*小林英一の第3打席で「イリーガルプレー(I.P.)」が宣告された場面。


*「雑記」欄には「投手がプレートをはずして投じた球を打ったのでアウトの宣告を受けた。(妨害がなければ1-2でアウトと判断したので1、2に刺補殺を録す。」と記載されている。

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