2019年9月21日土曜日

21年 セネタースvs中部日本 2回戦


5月6日 (月) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
1 0 0 2 0 2 2 0 0 7 セ軍 4勝4敗 0.500 一言多十 白木義一郎 
1 0 3 0 0 1 0 0 0 5 中部 3勝4敗 0.429 井上嘉弘 森井茂 

勝利投手 白木義一郎 3勝2敗
敗戦投手 森井茂        3勝2敗 

二塁打 (中)小鶴2、服部、藤原
三塁打 (セ)飯島

勝利打点 (セ)熊耳武彦 1

猛打賞 (セ)黒尾重明 1


打者・黒尾が3安打3打点

 後楽園の第2試合は午後2時58分、島秀之助主審の右手が上がりプレイボール。

 セ軍横沢三郎監督は開幕からライトに上口政を起用してきたが、この日はピッチャーの黒尾重明をライトに起用。この用兵がズバリ的中した。


 セ軍は初回、先頭の横沢七郎が四球を選んで出塁、鈴木清一、大下は連続凡飛に倒れるが、飯島が右中間に三塁打を放ち1点を先制する。


 中部は1回裏、先頭の岩本章がストレートの四球で出塁、金山の二ゴロでランナーが入れ替わり、二死後小鶴が右中間に二塁打を放ち1-1の同点とする。


 初回は両軍四番が流石のバッティングを見せた。


 2回は一転して両軍三者凡退。中部の攻撃で2本ライトに飛球が飛んだが黒尾は無難に捕球した。


 中部は3回裏、先頭の鈴木秀雄が四球を選んで出塁、一死後金山、古川が連続して左前打を放って一死満塁、小鶴が左中間に走者一掃の二塁打を放ち4-1とリードする。小鶴は早くも4打点。昭和25年に現在も日本記録として残る161打点をあげることになるが、その原点がこの日の打撃に見られる。


 セ軍は4回表、先頭の飯島がレフト線にヒット、長持もライト線ヒットで続き、熊耳の一ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、ここで黒尾が中前にゴロで抜ける2点タイムリーを放ち3-4と追い上げる。「雑記」欄に記載されている注記によると、「前進守備の逆を突く」とのことで、叩きつける打撃を見せたようだ。打者顔負けですね。


 セ軍は5回表、先頭の横沢が中前打で出塁、鈴木清一が四球を選んで無死一二塁、大下は三飛、飯島が死球を受けて一死満塁、しかし長持の二ゴロは「4-6-3」と渡ってダブルプレー。ここは中間守備だったようだ。


 セ軍は6回表、先頭の熊耳が四球を選んで出塁、続く黒尾が中前打、センター古川からの三塁送球が悪送球となる間に熊耳が生還して4-4の同点、打者走者の黒尾は二塁に進み、根津のレフト線ヒットで無死一三塁、一言多十は遊飛に倒れて一死一三塁、中部竹内監督はここで先発の井上嘉弘から森井にスイッチ、その初球を横沢が投前にスクイズ、森井が本塁に送球するが三走黒尾の足が一瞬早くセーフ、犠打と野選が記録されて5-4と試合をひっくり返す。


 中部は6回裏、先頭の服部がレフト線に二塁打、加藤正二は左飛に倒れるが、藤原が左中間に同点二塁打を放ち5-5とする。森井の投ゴロで二走藤原が飛び出しピッチャー一言は二塁に送球してタッチアウト、セ軍はここで一言をレフトに回して白木義一郎をマウンドに送り後続を抑える。


 セ軍は7回表、先頭の大下が四球を選んで出塁、飯島の投前送りバントを森井は二塁に送球するがセーフ、ここも犠打と野選が記録されて無死一二塁、前の打席では満塁の場面で二ゴロ併殺に終わった長持が再度流し打った二ゴロが今度は進塁打となって一死二三塁、熊耳の遊ゴロの間に三走大下が還って6-5と勝ち越し、黒尾が3安打目となるタイムリーを左前に放ち7-5と突き放す。


 中部は7回裏、先頭の岩本が三遊間にヒットで出塁、しかし金山のセカンドライナーに岩本が飛び出しており「4-3」と送球されてゲッツー、ここはエンドランだった可能性もある。ここから古川、小鶴が連続四球で二死一二塁、しかし服部の打球はライトへの飛球となり黒尾が捕球してスリーアウトチェンジ。


 白木義一郎は8回、9回を無安打に抑えてリリーフで3勝目をあげる。


 プロ入り初めて野手で起用された黒尾重明は4打数3安打3打点の活躍。黒尾はこの後二桁勝利を6回記録して通算99勝をあげることになるが、打者としての活躍はほとんど知られていない。



*急映フライヤーズ時代、黒尾重明の英字の直筆サインカード。


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