10月11日 (日) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 2 0 2 0 0 0 0 0 6 大洋 49勝31敗5分 0.613 野口二郎
2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 阪神 41勝40敗5分 0.506 若林忠志
勝利投手 野口二郎 31勝13敗
敗戦投手 若林忠志 19勝13敗
二塁打 (大)浅岡
三塁打 (大)濃人、富松
勝利打点 濃人渉 4
野口二郎、飛ぶボールを克服
大洋は初回、先頭の中村信一が右前打で出塁、濃人渉の三前送りバントをサード乾国雄が二塁に送球するがセーフ、犠打と野選が記録されて無死一二塁、野口二郎の遊ゴロで濃人は二封、野口明がライト線に先制タイムリーを放って1-0、富松信彦が四球を選んで一死満塁、浅岡三郎の中犠飛で2-0とする。
阪神は1回裏、先頭の塚本博睦が四球で出塁、10月に入ってから二番を打つカイザー田中義雄が送って一死二塁、山口政信が三塁内野安打から二盗を決めて一死二三塁、藤井勇が右前に同点の2点タイムリーを放って2-2と追い付く。
大洋は2回、先頭の佐藤武夫が左前打、レフト山口のエラーで佐藤は二進、佐々木光雄は三塁内野安打、二走佐藤は動かず無死一二塁、トップに返り中村の左前打で無死満塁、濃人が押出し四球を選んで3-2と勝越し、野口二郎の投ゴロで三走佐々木は本封、野口明の右犠飛で4-2とする。
大洋は4回、一死後濃人が左中間に三塁打、野口二郎は投ゴロに倒れるが、野口明が四球を選んで二死一三塁、ここで富松が右中間に三塁打を放って二者還り6-2とする。
大洋は11安打6得点で、この試合も久保田製のニューボールが使用された可能性が高い。ところが、飛ぶボールを苦手とする野口二郎は阪神打線に2点を許したものの3安打に抑えて完投、31勝目をあげた。
野口二郎は苅田久徳の自伝によると体が細くてプロで通用するか心配だったとのこと、球質はキレはあるが軽かった可能性がある。飛ぶボールを使用するようになってから打たれるケースが増えたのも球質が軽かったからであると思料されるが、この試合は好投した。
野口二郎が残した数字だけを見るとスタミナタイプと思われている方が大宗を占めていると思いますが、当ブログの見立ては180度真逆です。苅田は自伝に「実は、この二郎投手については、不安があった。キャンプ最初の夜、ふろで一緒になった二郎の体をみてからだ。いかにもキャシャだ。細いのだ。この体でやっていけるのだろうか。」と書いている。
当ブログは、野口二郎のピッチングの神髄は「手抜きの天才」にあったと考えています。当ブログでご紹介している野口二郎のピッチング内容をもう一度読み直していただければご理解いただけると思います。スタルヒンも「手抜き」が多いのですが、スタルヒンの場合は演技が下手で手を抜いていることが見え見えなのです。野口二郎はバレないように手を抜く天才です。全投球内容を見ているからこそできる分析なのですが。
もちろん、投手の絶対数が少なく、エースに負担がかかる時代であったからこその話であることをご理解ください。
0 件のコメント:
コメントを投稿