2020年6月22日月曜日

21年 阪急vsセネタース 7回戦


7月20日 (土) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計 
0 0 2 0 0 0 4 0 0   6  阪急 28勝22敗 0.560 笠松実 天保義夫 森弘太郎 
2 0 3 0 5 0 0 0 X 10 セ軍 18勝29敗 0.383 黒尾重明 白木義一郎 

勝利投手 黒尾重明 6勝10敗
敗戦投手 笠松実     7勝5敗
セーブ    白木義一郎 1 

二塁打 (セ)熊耳
三塁打 (急)荒木 (セ)長持
本塁打 (セ)大下弘 6号、7号

勝利打点 (セ)大下弘 3

猛打賞 (セ)飯島滋弥 2


虹のアーチ

 西宮の第2試合は笠松実と黒尾重明の先発で午後3時20分、金政主審の右手が上がりプレイボール。

 セ軍は初回、先頭の白木が三塁への内野安打で出塁すると二盗に成功、鈴木清一は二飛に倒れるが、飯島が中前に先制タイムリーを放ち1-0、大下は遊飛に倒れるが、長持栄吉が右中間に三塁打を放ち2-0とリードする。


 阪急は3回表、一死後笠松が左前打で出塁、トップに返りも上田藤夫も左前打、山田伝はストレートの四球で一死満塁、青田の遊ゴロは「6-4-3」と転送されるがセカンド清水喜一郎の一塁送球が悪送球となる間に三走笠松に続いて二走上田も還って2-2の同点に追い付く。三走笠松の得点には自責点が付いて青田にも1打点が記録された。


 セ軍は3回裏、先頭の鈴木が4球ファウルで粘った末に四球で出塁、飯島のレフト線ヒットで無死一二塁、大下がライトポール際にライナーで飛び込む第6号スリーランを叩き込んで5-2と勝ち越す。


 セ軍は4回裏、先頭の石原光男が中前打、阪急ベンチはここで笠松から天保義夫にスイッチ、天保が後続を3人で抑えて無得点。


 セ軍は5回裏、先頭の大下が今度は右中間に大きな弧を描く第7号ソロホームランを叩き込んで6-2、長持は投ゴロに倒れるが、黒尾が左前打、清水も中前打を放って一死一二塁、熊耳武彦がレフト線にタイムリー二塁打を放ち7-2、一死二三塁から石原の三ゴロの間に三走清水が還って8-2、二死三塁からトップに返り白木の遊ゴロをショート坂井豊司がエラーして9-2、鈴木が中前打を放って二死一二塁、飯島の中前タイムリーでこの回5点、10-2と大きくリードする。


 阪急は6回から森弘太郎が三番手のマウンドに上がり、8回まで無失点の好投を見せる。

 阪急は7回表、一死後坂井がストレートの四球で出塁、荒木茂が右中間に三塁打を放ち、ライトからの返球を中継したセカンド清水が三塁に悪送球して一走坂井に続いて三塁打の荒木まで生還して4-10、続く森が二塁に内野安打、トップに返り上田は四球、山田も右前打で続いて一死満塁、セ軍ベンチはここで白木をセンターからマウンドに呼び寄せて先発の黒尾はベンチに下がり、青田が中前に2点タイムリーを放ち6-10まで追い上げたが、この後は白木が阪急打線に得点を許さずセ軍が快勝した。

 大下が3回のライナーの決勝スリーランに続いて5回には大きな弧を描く「虹のアーチ」で2打席連続ホームラン。加藤正二、古川清蔵の5本と並んでいたがこれでホームランダービートップに立った。「大下時代」の幕開けである。



*三原脩著「勝つ 戦いにおける“ツキ”と“ヨミ”の研究」には、「大下も王と同じように、バックスイングのさい、右足をヒョイともちあげた。ただし、王ほど長い時間ではない。ヒッチするといった方がいいかも知れない。」と書かれている。写真は急映時代の直筆サイン入りカード。“ヒッチ”する、天才ならではのテークバックから“虹のアーチ”を量産した。




角度を変えるとこうなります。こちらは東急時代。



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