7月18日 (木) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 セ軍 16勝29敗 0.356 一言多十 黒尾重明
0 0 0 2 1 4 1 0 X 8 阪急 28勝20敗 0.583 天保義夫 笠松実
勝利投手 笠松実 7勝4敗
敗戦投手 黒尾重明 5勝10敗
二塁打 (急)野口明
三塁打 (急)日比野
勝利打点 なし
猛打賞 (急)上田藤夫 6
笠松実、8イニングを1安打
第13節の初日は西宮で2試合。第1試合は一言多十と天保義夫の先発で午後1時3分、杉村主審の右手が上がりプレイボール。審判員は杉村、金政、島の三氏。島秀之介はこれまで関東の審判員であったが第13節は関西出張、第14節から関東に戻り、代わりに桝嘉一が出張する。この頃から審判員の東西移動が活発化するが、きっかけとなったのは国友正一の北陸出張であった。
この日は6,048人の観客が押し寄せた。今季ここまで西宮の平日の平均観客数は4,273人なので、7月7日以来となる関西圏の試合に関西の野球好事家は飢えていたのである。終戦後の世の中は徐々に平穏を取り戻してきた。
セ軍は初回、先頭の白木義一郎のピッチャー返しが天保のグラブを弾くが、セカンド上田藤夫がナイスカバーで白木を一塁に刺して一死無走者、横沢七郎は四球、飯島がライト線にヒット、大下が珍しく左前に流し打って一死満塁、鈴木清一のニゴロ併殺崩れの間に三走横沢が生還、早急の隙をついて二走飯島もホームに還る好走塁を見せて2点を先制する。
阪急は1回裏、先頭の上田が左前打で出塁、しかし山田伝の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー、ところがここから野口二郎が左前打、大下の返球が悪送球となる間に野口は二塁に進み、野口明、下社邦男が連続四球で二死満塁、しかし日比野は三振に倒れて無得点。
セ軍は2回表、先頭の大沢喜好が死球を受けて出塁、大沢がけがをしたのか代走に石原光男を起用、一言の中前打で無死一二塁、傷口を広げたくない阪急ベンチはここで先発の天保から笠松実にスイッチ、続く白木はキャッチャーに対する守備妨害を取られてアウト、考えられるのは送りバントでスタートを遅らせてキャッチャー日比野の守備を妨害したというところか、横沢の遊飛に二走大沢が飛び出しておりダブルプレー。アウトカウントを間違えたのか、落ちそうな打球だったのでスタートを切ったのか、エンドランは考えにくい。
阪急は2回裏、二死後笠松は四球、トップに返り上田も四球で一二塁、セ軍ベンチは立ち上がりから4四球の一言を下げて黒尾重明をリリーフに送り、山田は右飛に倒れて無得点。
阪急は4回裏、先頭の坂井豊司の当りは遊ゴロ、これを2回から大沢に代わってショートに入った石原が一塁に悪送球、一死後笠松が四球を選んで一二塁、トップに返り上田の右前タイムリーで1-2、山田が四球を選んで一死満塁、野口二郎の中犠飛で2-2の同点に追い付く。
阪急は5回裏、一死後日比野が中越えに三塁打、パスボールで日比野が還り3-2と勝ち越す。
阪急は6回裏、一死後上田が三塁に内野安打、山田が左前打、野口二郎が中前打を放って一死満塁、野口明が中越えに走者一掃の二塁打を放ち3点を追加、下社のニゴロをセカンド横沢がエラーして一死一三塁、ここでセ軍はセカンドを横沢から清水喜一郎に交代、下社は二盗に失敗するが、日比野が左前にタイムリーを放ち7-2と突き放す。
阪急は7回裏、先頭の荒木茂が左前打、レフト大下がファンブルして無死二塁、一死後上田のニゴロで荒木は三進、山田の一塁内野安打がタイムリーとなって8-2とする。
2回途中からのリリーフ登板となった笠松実は8イニングを投げて1安打3四球7三振無失点の力投、7勝目をマークする。許した1本のヒットは一言の内野安打であった。ここまで9勝をあげて防御率1.81とエース格の天保が先発だったので序盤からのリリーフは想定していなかった考えられるが、ベテランらしい落ち着いた投球であった。
セ軍の最初の失点のきっかけとなったのはショート石原光男の悪送球であったが、死球でベンチに下がった大沢喜好は北陸シリーズでは「ショートで10補殺」を記録したばかりなのでセ軍としては痛かった。大沢としてもパ軍から移籍してきてレギュラーの座をつかみかけていただけに痛い死球となった。大沢はしばらく休むことになる。
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