7月20日 (土) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 1 0 0 0 0 0 2 4 グ軍 23勝19敗 0.548 長沼要男 丸山二三雄
1 0 0 1 0 0 0 0 0 2 中部 16勝23敗2分 0.410 森井茂
勝利投手 丸山二三雄 8勝8敗
敗戦投手 森井茂 8勝7敗
二塁打 (グ)安井、別所2、河西 (中)加藤
本塁打 (中)古川清蔵 5号
勝利打点 (グ)安井亀和 3
ツーランスクイズ
後楽園の第2試合は長沼要男と森井茂の先発で午後2時49分、池田球審の右手が上がりプレイボール。
中部は初回、先頭の古川清蔵がツーボールワンストライクからの4球目をレフトスタンドに第5号ホームラン、1点を先制する。
グ軍は2回表、一死後堀井数男の当りは遊ゴロ、これをファースト大沢清が落球、田川豊が三前にバントヒット、ここでダブルスチールを試みるがキャッチャー藤原鉄之助からの三塁送球に堀井はタッチアウト、二死二塁から筒井敬三が三塁に内野安打、筒井が二盗を決めて二死二三塁、長沼の三ゴロをサード小鶴誠が一塁に悪送球して三走田川が生還、1-1の同点とする。続く宮崎仁郎が何をやらかしたのかインターフェアランスを取られてスリーアウトチェンジ。
グ軍は2回の攻撃で長沼要男に代走長谷川治を送ったので、2回から丸山二三雄がマウンドに上がる。
グ軍は3回表、一死後安井亀和が左中間に二塁打、別所の遊ゴロの間に安井は三進、山本一人監督の中前タイムリーで2-1と勝ち越す。
中部は4回裏、先頭の加藤正二がライト線に二塁打、大沢が得意の右打ちでライト線にタイムリーを放ち2-2の同点に追い付く。
中部打線は5回以降、リリーフ丸山に抑えられて無安打。
グ軍は5回から8回まで4安打と毎回チャンスを作るが、6回には先頭打者で二塁打を放った別所が堀井のゴロに当たって守備妨害を取られるなどの走塁ミスもあって無得点。
グ軍は9回表、先頭の丸山が右前打で出塁、宮崎の投前送りバントはピッチャー森井が二塁に送球して丸山は二封、トップに返り河西俊雄がレフト線に二塁打を放って一死二三塁、ここで安井が投前にスクイズ、二走河西もホームに還るツーランスクイズが決まって4-2とリードする。安井には犠打と2打点が記録された。
2回からロングリリーフとなった丸山二三雄は8イニングを3安打4四球4三振で1失点、8勝目をマークする。2回にサード山本、7回にはショート宮崎のファインプレーで共に先頭打者を出塁させなかったことが大きかった。
森井茂も11安打を打たれながら最後まで粘ったが、最後はグ軍の奇襲攻撃にしてやられた。
近年における「ツーランスクイズ」と言えば2018年の第100回夏の甲子園準々決勝、9回裏まで近江に1点ビハインドの金足農業が決めた「逆転サヨナラツーランスクイズ」となるが、世論を沸かせたのは1973年夏の甲子園で迫田監督率いる広島商業が日田林工戦で決めた「ツーランスクイズ」である。この後しばらくの間、高校野球では「ツーランスクイズ」が大流行となった。
9回表に安井が決めたスクイズはプロ野球史上初の「ツーランスクイズ」である可能性が高い。昭和18年9月22日の大和vs朝日戦で大和6回裏の攻撃、一死満塁から小松原博喜が二塁前にバントを決めて三走金子勝に続いて二走髙橋吉雄がホームに還っているが、小松原の記録は内野安打となっている。山内以九士のスコアには「BN」と書かれているので小松原の「ツーランスクイズ」であった可能性もあるが、二塁前へのプッシュバントで内野安打となる間に二走高橋もホームインしたとも考えられるので、「ツーランスクイズ」との断定は難しい。
この試合については「日本野球年鑑」に「珍しくスクイズで一挙二点を得て」と書かれており、安井は一塁アウトで犠打と2打点が記録されているので「ツーランスクイズ」であったことは間違いない「事実」であるが、この当時「ツーランスクイズ」の「認識」があったかどうかは不明。中島治康の「三冠王」も昭和13年当時は「三冠王」の認識が無く、後に認定されたものであった。
*参照:2018年8月18日付け「甲子園100回シリーズ その12「逆転サヨナラツーランスクイズ」 」
http://shokuyakyu.blogspot.com/2018/08/10012.html
0 件のコメント:
コメントを投稿