2020年3月28日土曜日

21年 巨人vsグレートリング 6回戦


6月29日 (土) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 0 0 0 1 0 5 0 6 巨人 24勝11敗1分 0.686 宮下信明 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 グ軍 16勝16敗 0.500 別所昭 

勝利投手 宮下信明 2勝0敗
敗戦投手 別所昭     3勝3敗 

二塁打 (巨)三好2、千葉 (グ)岡村、田川
三塁打 (巨)多田、呉新亨

勝利打点 なし

猛打賞 (巨)呉新亨 4、多田文久三 1


宮下信明、グ軍の拙走に助けられ初完封

 後楽園の第1試合は宮下信明と別所昭の先発で午後1時3分、桝主審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は5回まで毎回走者を出すが、2度の併殺などでチャンスを潰す。


 巨人は6回表、先頭の千葉が左中間に二塁打、黒沢がセオリーどおりサードに捕らせる送りバントを決めて一死三塁、川上はストレートの四球で一死一三塁、ここで別所の一塁牽制が悪送球となる間に三走千葉が還って1点を先制する。


 巨人は8回表、先頭の千葉がストレートの四球で出塁、黒沢の右前打で無死一二塁、川上は三振に倒れるが、多田が左中間に三塁打を放ち3-0、昨日から野手として出場している藤本英雄が三塁線に内野安打、三走多田は動けず一三塁、藤本が二盗を決めて一死二三塁、宮下は浅い右飛に倒れるが、三好主がレフト線に二塁打を放ち5-0、トップに返り呉新亨が右中間に三塁打を放ち6-0と大きくリードする。


 グ軍は2回裏、先頭の岡村が四球で出塁、一死後筒井が死球を受けて一二塁、宮崎の三遊間へのゴロが二走岡村に当たってしまいインターフェア、トップに返り安井は三飛に倒れて無得点。


 グ軍は4回裏、先頭の岡村が左中間に二塁打、田川が中前打で続くが、田川は二塁を狙って「8-6」の送球にタッチアウト、岡村は三塁ストップで一死三塁、筒井の中飛は浅い当りで岡村は還れず、宮崎は三振に倒れて無得点。


 グ軍は7回裏、先頭の田川が四球を選んで出塁、筒井の初球に田川がスタート、この時筒井が打席から出てキャッチャー多田の二塁送球を妨害、山本監督の抗議で5分間揉めたがイリーガルプレーが宣告されて田川は一塁に戻され、後続も凡退して無得点。


 この日のグ軍は得意の機動力を発揮できなかった。


 宮下信明はグ軍の拙走にも助けられて6安打3四球1死球2三振でプロ入り初完封、2勝目をあげる。宮下は中日移籍後に投手として開花し、昭和25年には14勝をあげる成長を遂げることとなるが、巨人在籍時の完封勝利はこの試合だけ、巨人時代の勝利もこの2勝だけである。


 この試合で「勝利打点」は記録されないが、「真の殊勲打」を放ったのは多田文久三であった。多田はここまで「勝利打点」を9個記録しており、「真の殊勲打」は2個、「並列の殊勲打」も2個と、巨人の24勝のうち13勝に直接的に貢献している。本日は「猛打賞」も記録したが今季初めてであり、139打数32安打で打率は2割3分と低いが27打点を記録していて、効率よく効果的な一打を放っている事実を物語っている。三番の千葉は14打点、四番の黒沢は15打点であり、川上が復帰するまで五番を打ってきた多田が現在首位の巨人におけるMVPであるという評価に異論を挟む者はいない。「勝利打点」を嫌っている諸兄は、この事実を見ても「勝利打点」など勝負強さの指標にはならないなどと主張し続けるのでしょうか?



*グ軍拙走の場面。2回は岡村がインターフェア「×6」、4回は田川が暴走「8-6」、7回は筒井の守備妨害でイリーガルプレー「I.P.」が宣告された。

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