2017年12月30日土曜日

18年 阪神vs名古屋 12回戦


11月6日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 1 0 1 2 阪神 41勝36敗6分 0.532 若林忠志
5 0 0 0 0 0 0 0 X 5 名軍 47勝29敗7分 0.618 石丸進一

若林忠志 24勝15敗
石丸進一 20勝12敗

二塁打 (名)古川
本塁打 (神)田中 1号

勝利打点 古川清蔵 5


石丸進一、最後の勝利

 名古屋の先発は石丸進一。これがプロでの最後の先発となった。

 古川清蔵がグラウンドに戻ってきた。10月21日、「出陣学徒壮行会」に参加した古川は故郷鹿児島に帰って徴兵検査を受け、10月30日の阪神戦から11月3日の南海戦までの4試合を欠場した後、グラウンドに戻ってきたのである。この年、主に二番を打ってきた古川を、名古屋軍は三番に起用して迎えた。

 名古屋は初回、一死後金山次郎がショートに内野安打、ショート武智修が間に合わない一塁に送球するが悪送球となって金山は一気に三塁へ、三番・古川清蔵がレフト線に二塁打を放って1点を先制、吉田猪佐喜が中前にタイムリーを放って2-0、加藤正二の遊ゴロをショート武智がこの回2個目のエラー、一走吉田は三塁に走り、バックアップしたセンター塚本博睦からの三塁送球の間に打者走者の加藤も二塁に進んで一死二三塁、岩本章の遊ゴロで三走吉田がホームに突っ込み、武智がバックホームするがセーフ、野選が記録されて3-0、藤原鉄之助が右前にタイムリーを放って4-0、芳賀直一の遊ゴロで藤原が二封されて二死一三塁、石丸進一が右前にタイムリーを放って5-0と大量リードする。

 自らのタイムリーも含めた大量リードを背景に、石丸進一は6回まで1安打無失点の好投。7回、先頭の田中義雄に三塁内野安打を許し、若林忠志の三ゴロの間に田中は二進、乾国雄にはストレートの四球を与えて一死一二塁、武智修に代わる代打門前真佐人の遊ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、塚本博睦の中前タイムリーで1点返される。

 9回表、先頭の田中にレフトポール際に本塁打を許して3点差に迫られるが、若林を二飛、乾を三ゴロ、最後は門前も三ゴロに打ち取り、4安打5四球3三振の完投で20勝目をあげる。

 石丸進一は最後の勝利で「20勝投手クラブ入り」を達成した。プロ野球史上16人目となる。(2シーズン制の昭和12年と13年に春秋合計で20勝に到達した古谷倉之助、野口明、御園生崇男を除く。12年春の沢村栄治は2シーズン制時代唯一の20勝投手として16人にカウント)


 

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