「17年 南海vs阪急 13回戦」に寄せられた櫻井様からのご質問に回答させていただきます。
質問内容
「宇佐美徹也氏の『プロ野球記録大鑑』のコラム内に、『2死で三塁に山下好一がいて、打者が外野に安打、ところが、山下好一はホームインしなかった』事が書かれてます。一応、宇佐美徹也氏がホームインしなかった理由を推測してますが、私には納得できる理由ではないです。その事について、『本当に山下好一は、2死から安打が出て生還しなかったのか?』『何かスコアカードに詳細が書かれてないか』」
問題のシーンは7回裏阪急の攻撃、二死後、山下好一の第4打席で、三塁内野安打で出塁して二死一塁、続く黒田健吾がレフト線に二塁打を放った場面のようです。第1打席から第3打席では後続の打者はヒットを打っていません。スコアカードの記述に従うと、二死で山下好一は三塁にはおらず一塁にいて、次打者黒田の二塁打で三塁に達しています。
ここで重要なのは、山下好一の三進が「f」によるもの、すなわち「六番森田定雄の一打により三塁に進んだ」と誤って記載されていることです。当時のスコアカードでは、「誰による進塁か」は「アルファベット」で示されています。一番から順に「abc・・・」で示されており、五番は「e」、六番は「f」となります。
四番山下好一が三塁内野安打で一塁に出塁し、五番「e」黒田健吾の二塁打で三塁に進んでいますので、本来であれば山下好一の三進は「e」によると書かれなければならないところ、「f」すなわち六番森田定雄の一打により三進したと誤って記載されています。
したがって、宇佐美徹也氏は、「山下好一は既に三塁に進塁しているのに黒田の二塁打で生還しなかった」と誤認したのではないでしょうか。
スコアカードの記載によると、「二死後四番山下好一が三塁内野安打で一塁に出塁し、五番黒田健吾の二塁打で山下好一が三進して二死二三塁となり、六番森田定雄が三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ」となっています。
「雑記」欄等には何も書かれていませんので、単なるスコアカードの誤記載が宇佐美徹也氏に誤解を生ぜしめたのではないでしょうか。
*「17年 南海vs阪急 13回戦」では、山下好一に続く打者がヒットを放ったのは7回の第4打席だけです。山下好一の三進が「f」によるもの、すなわち六番森田定雄によるものと誤って記載されています。正しくは、山下好一の三塁進塁は五番黒田健吾の二塁打によるもので、「e」によるものが正解です。
宇佐美徹也氏の誤認も単純なミスのようですね。
すみません、昭和17年の試合のところに山下好一の名前が有りましたので、そこで思い出してコメントしてしまったのですが、
返信削除改めて「プロ野球記録大鑑」を確認したところ、昭和12年10月15日の阪急対金鯱戦の9回表だそうです。
誤解を招くことをしてしまいました。申し訳ありません。
まぁ、この試合の第4打席もネタとしては興味深いものでした。そちらの試合も調べてみます。
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