2016年11月14日月曜日

18年 阪急vs大和 6回戦


7月1日 (木) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 1 0 0 0 1 2 0  1  5 阪急 14勝22敗 0.389 中田武夫 笠松実
0 0 0 0 1 0 0 0 3 2X 6 大和 17勝18敗1分 0.486 畑福俊英


勝利投手 畑福俊英 5勝3敗
敗戦投手 笠松実     4勝4敗
 
二塁打 (急)三木
三塁打 (急)山田 (和)畑福、小松原
本塁打 (和)渡辺 1号

勝利打点 渡辺絢吾 2

猛打賞 (和)畑福俊英 1


渡辺絢吾、逆転サヨナラランニングホームラン

 阪急は3回、一死後中村栄がセカンド横にヒット、トップに返り山田伝は右飛に倒れるが、中村が二盗を決めて二死二塁、上田藤夫が右前にタイムリーを放って1点を先制する。

 大和は5回、二死後畑福俊英が右中間に三塁打、ここで中田武夫が痛恨のワイルドピッチを犯し1-1の同点とする。


 阪急は7回、先頭の松本泰三が三塁線にセーフティバントを決めて出塁、中田が送って一死二塁、中村の一ゴロの間に二走松本は三進、トップに返り山田が左中間に三塁打を放って2-1と勝ち越す。


 阪急は8回、先頭の下社邦男がストレートの四球で出塁、松本利一は右邪飛に倒れるが、三木久一が左中間に二塁打を放って一死二三塁、ここで畑福がボークを犯して三走下社が生還し3-1、池田久之が右前にタイムリーを放って4-1とリードを広げて勝負あったと見えたが・・・。


 大和は9回裏、先頭の金子裕の当りは二ゴロ、これをセカンド上田がエラーして流れが変わった。鈴木秀雄が右前打を放って無死一二塁、小島利男に代わる代打石田光彦は三振に倒れて一死一二塁、ここで小松原博喜が左中間に2点タイムリー三塁打を放ち3-4と1点差、阪急ベンチは先発の中田武夫から笠松実にスイッチ、呉新亨の遊ゴロで三走小松原がホームに突っ込み、ショート中村がバックホームするがセーフ、野選が記録されて4-4の同点に追い付く。更に畑福が三塁に内野安打、岡田福吉は右飛に倒れるが、トップに返り木村孝平が四球を選んで二死満塁とサヨナラのチャンス、しかし苅田久徳の一打は投ゴロ、ピッチャー笠松がホームに投げて三走呉新亨を封殺する余裕を見せて延長戦に突入する。


 大和は9回の攻撃でライトの小島に代打石田を送ったので、10回表の守備からライトに渡辺絢吾が入る。この用兵が歴史を変えた。


 阪急は10回表、先頭の松本が四球で出塁、三木が送って一死二塁、池田は中飛に倒れるが、松本が左前にタイムリーを放って5-4と勝ち越す。松本が二盗を試みるが、キャッチャー鈴木からの送球にタッチアウト。


 大和は10回裏、先頭の金子が四球を選んで出塁、鈴木の中前の当りをセンター山田が二塁に送球して一走金子はフォースアウト、センターゴロが記録されて一死一塁、10回表の守備からライトに入っている渡辺の当りはライトを抜け、一塁、二塁、三塁ベースを蹴ってホームイン、プロ野球史上初のサヨナラランニングホームラン、しかも逆転ツーランであった。


 畑福俊英は11安打4四球無三振2暴投と乱調ながら完投で5勝目をあげる。得意のナックルボールが落ち過ぎたようだ。打っても3打数3安打猛打賞の活躍であった。



2016年11月13日日曜日

18年 巨人vs西鉄 6回戦


7月1日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 巨人 21勝13敗2分 0.618 藤本英雄
0 0 0 2 1 0 1 0 X 4 西鉄 12勝21敗3分 0.364 野口二郎


勝利投手 野口二郎 7勝8敗
敗戦投手 中村政美 1勝2敗

二塁打 (西)富松
本塁打 (巨)多田 2号

勝利打点 黒沢俊夫 1


野口二郎、2安打完投

 西鉄は4回、一死後野口二郎が中前打、巨人ベンチはここで先発の藤本英雄を下げて中村政美をマウンドに送る。野口明は三塁に内野安打、濃人渉がストレートの四球を選んで一死満塁、黒沢俊夫が押出し四球を選んで1点を先制、巨人ベンチは中村を下げて三番手の川畑博が登板、中村民雄の左犠飛で2-0とする。

 巨人は5回、二死後多田文久三がレフトスタンドにホームランを叩き込んで1-2とする。


 西鉄は5回裏、先頭の中村信一の遊ゴロをショート白石敏男がエラー、富松信彦のバントで中村が二進、何故か富松には犠打が記録されていない。これは謎ですね。野口二郎の三塁内野安打で一死一三塁、野口明の左犠飛で3-0とする。


 西鉄は7回、先頭の中村が左前打で出塁、富松信彦がライト線に二塁打を放ち中村は三塁ベースを蹴ってホームに向かい、ライト中島治康からのバックホームが悪送球となって中村が生還、4-1とリードを広げる。


 野口二郎は2安打3四球6三振の完投で7勝目をマークする。



2016年11月7日月曜日

18年 南海vs名古屋 6回戦


7月1日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0  南海 15勝20敗1分 0.429 丸山二三雄 長沼要男 鈴木芳太郎
3 0 0 3 1 1 2 1 X 11 名軍 20勝13敗3分 0.606 森井茂


勝利投手 森井茂        4勝3敗
敗戦投手 丸山二三雄 1勝8敗

二塁打 (南)堀井、別所 (名)石丸兄、金山、藤原
三塁打 (名)藤原
本塁打 (名)古川 1号、小鶴 1号

勝利打点 吉田猪佐喜 5

猛打賞 (名)石丸藤吉 1、藤原鉄之助(4安打) 2、金山次郎 1


藤原鉄之助4安打

 名古屋打線が南海投手陣を粉砕した。

 名古屋は初回、先頭の石丸藤吉がいきなり左中間に二塁打、古川清蔵は四球を選び、小鶴誠の右前打で無死満塁、吉田猪佐喜は浅い右飛に倒れるが、加藤正二がストレートの押出し四球を選んで1点を先制、芳賀直一は捕邪飛に倒れて二死満塁、藤原鉄之助が中前に2点タイムリーを放って3-0とする。藤原は一塁ベースを回って一二塁間で「8-1-3」の送球にタッチアウト、2点目のホームインをアシストする走塁を見せた。


 名古屋は4回、先頭の藤原が右前打で出塁、金山次郎がレフト線に二塁打を放って無死二三塁、森井茂はセカンドライナーに倒れるが、トップに返り石丸藤吉が左前に2点タイムリーを放ち5-0、石丸も一塁を回ってタッチアウトとなったが、こちらは「7-2-4」と渡っているので2点目のアシストではなく、バックホームの隙を突いて二塁を狙ったがアウトとなる判断ミスであった。二死無走者となったが、古川清蔵がレフトスタンドにホームランを叩き込んで6-0とする。この後、小鶴誠四球、吉田は死球、加藤も四球で二死満塁とするが、芳賀は右飛に倒れてスリーアウトチェンジ。


 南海先発の丸山二三雄は4回で降板し、5回から二番手の長沼要男がマウンドに上がる。


 名古屋は5回、先頭の藤原が右中間に三塁打、金山が左前にタイムリーを放って7-0とする。続く森井の左飛に一走金山が飛び出しており、レフト堀井数男からファースト中野正雄に送球されてダブルプレー。


 名古屋は6回、古川、小鶴が連続四球、吉田の三ゴロで小鶴が二封されるが、加藤が死球を受けて一死満塁、芳賀は捕邪飛に倒れて二死満塁、藤原がストレートの押出し四球を選んで8-0とする。


 名古屋は7回、一死後石丸藤吉が左前打、古川は三飛に倒れるが、小鶴がレフトスタンドにツーランホームランを叩き込んで10-0とする。


 南海は8回から三番手として鈴木芳太郎がマウンドに上がる。


 名古屋は8回、藤原がこの日4安打目となる二塁打を左越えに放ち、金山の左前打で無死一三塁、森井は浅い右飛に倒れて一死一三塁となるが、石丸藤吉の打席でダブルスチールを決めて11-0とする。


 森井茂は6安打1四球4三振で南海打線を完封、森井のスローカーブはリードを奪った展開となると威力を増す。今季の森井の4勝は全て完封勝利である。


 前節2試合連続決勝打で週間MVPを獲得した藤原鉄之助が5打席4打数4安打1四球、3得点3打点、二塁打1本、三塁打1本に加えて、本盗まで記録する活躍を見せた。


 石丸藤吉と金山次郎も猛打賞、古川清蔵と小鶴誠もマルチヒットを記録し、名古屋は11安打2本塁打9四球2死球で11得点、残塁も13個であった。猛打ばかりが目立つが、暴走気味とも見える好走塁も多く見られた。



2016年11月5日土曜日

史上最年少盗塁記録


 お伝えしたとおり、昭和18年6月22日の大和vs朝日5回戦、5回裏朝日の攻撃で森本清三が記録した三盗は「史上最年少盗塁記録」とされているようです。

 残されている記録が少ないので定かではありませんが、森本清三は大正15(1926)年3月19日生まれとされており、昭和18(1943)年5月9日の巨人戦でプロ入り初出場初ヒットを記録、6月22日に17歳3ヶ月で史上最年少盗塁を成功させました。


 経歴は海草中学から明大を経て朝日入りとされていますが、年齢から明大を経由しているかは疑問。


 さて、6月22日の三盗は単純な盗塁ではありませんでした。


 5回一死後、森本が左打席から三塁線にセーフティバントを決めて出塁し、二死後原秀雄が左前打を放って二死一二塁となりました。続く坪内道則の打席で森本に「三盗」が記録され、原の二進はスコアカードには「2-6’-5」と記載されており、「キャッチャー鈴木秀雄からの二塁送球を捕球したショート木村孝平が三塁に悪送球した」ことになります。


 なお、「雑記」欄には、「ディレードスチール 走者に送球が当る」と書かれています。


 実況中継には「一走原がディレードスチール」と書きましたが、「走者に送球が劣る」と読めたため「原のディレードスチール」としました。よく見直すと「走者に送球が当る」と読めますので、ならばディレードスチールを敢行したのは二走森本であったと考えられ、キャッチャーの二塁送球を見て森本が三塁にスタートを切り、ショート木村孝平からの三塁送球が二走森本に当たって、森本には「盗塁」、原の二進は「悪送球」によるものとされたようです。



*「雑記」欄を再掲します。当初、「走者に送球が劣る」と読めたため、二走森本清三はスタート切っておらず、ショート木村孝平との追いかけっことなって三盗が記録されたのではないかと思いまいましたが、「走者に送球が当る」であればショート木村孝平の悪送球とも符合します。一走原とのダブルディレードスチールであったかもしれませんが、原の進塁には「盗塁」は記録されていません。






*「史上最年少盗塁」の場面。



18年 朝日vs阪急 5回戦


6月29日 (火) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
4 0 0 2 0 0 1 0 0 7 朝日 19勝15敗1分 0.559 林安夫
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 阪急 14勝21敗 0.400 天保義夫 江田孝

勝利投手 林安夫   10勝7敗
敗戦投手 天保義夫 5勝8敗

二塁打 (朝)中谷
三塁打 (朝)浅原、坪内、中原 (急)山田

勝利打点 浅原直人 7

猛打賞 (朝)中谷順次 1


中谷順次、2本の長打を含む猛打賞

 朝日は今季酒沢政夫が全試合二番に入っていたが、6月27日の大和戦から森本清三が二番ファーストで先発出場。5月9日にデビューした森本は前節14打数7安打で首位打者、27日も3打数2安打で今季ここまで41打数14安打、打率3割4分1厘を記録している。なお、ネット上の情報ですが、6月22日の大和戦の5回に森本が記録した三盗は、17歳3ヶ月の史上最年少盗塁記録のようです。

 朝日は初回、一死後二番・森本清三が中前打を放って出塁、中谷順次が左前打で続き一死一二塁、浅原直人が左中間に三塁打を放って2点を先制、林安夫が中前にタイムリーを放ち3-0、早川平一も中前打で一死一二塁、小林章良も中前にタイムリーを放って4-0とする。原秀雄は一飛に倒れるが、酒沢政夫が二遊間にヒット、二走早川が三塁を回ってホームに向かい、セカンド上田藤夫からの送球にタッチアウトとなるが、この回4点を先制する。天保義夫の速球をセンターに弾き返している。


 阪急は3回、松本利一が中前打で出塁すると捕逸で二進、天保の一ゴロの間に二走松本が三進、中村栄が右前にタイムリーを放って1-4とする。


 朝日は4回、一死後原が二遊間に内野安打、酒沢は一邪飛に倒れるが、トップに返り坪内道則が右越えに三塁打を放って5-1、好調森本が右前にタイムリーを放って6-0として天保をKO、二番手に江田孝が登板し、中谷が左中間に二塁打、浅原は歩かされて二死満塁、林は遊飛に倒れてスリーアウトチェンジ。


 朝日は7回、先頭の中谷が右中間に三塁打、6回の守備から浅原に代わってライトの守備に入っている大島渡が一塁線にタイムリーを放ち7-1とダメ押す。


 林安夫は6安打1四球4三振1失点、自責点ゼロの完投で10勝目をマークする。


 朝日は先発全員安打を記録して快勝。全15安打のうち、センターから逆方向への当りが10本であった。


 好調・森本清三はこの日も4打数2安打1打点を記録、中谷順次は3安打の猛打賞で二塁打、三塁打各1本の活躍を見せた。


2016年11月3日木曜日

18年 大和vs阪神 5回戦


6月29日 (火) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 3 0 0 0 4 大和 16勝18敗1分 石田光彦 片山栄次
0 0 0 1 0 0 0 2 0 3 阪神 19勝15敗1分 仁科栄三 三輪八郎

勝利投手 片山栄次 7勝11敗
敗戦投手 仁科栄三 2勝1敗

二塁打 (神)塚本
三塁打 (和)鈴木、小松原

勝利打点 呉新亨 2

猛打賞 (神)玉置玉一 1


小松原博喜、代打決勝三塁打

 大和は初回、先頭の木村孝平がストレートの四球で出塁、苅田久徳は遊飛、金子裕も遊飛に倒れて二死一塁、ここで四番鈴木秀雄が右越えに三塁打を放って1点を先制する。

 阪神は4回、先頭の塚本博睦が右中間に二塁打、金田正泰の一ゴロで塚本は三進、御園生崇男の一ゴロで三走塚本がホームに突っ込み、ファースト金子がバックホームするがセーフ、野選が記録されて1-1の同点とする。


 大和は5回から先発の石田光彦に代わって片山栄次がマウンドに上がる。


 大和は6回、一死後金子が四球を選んで出塁、鈴木は三振に倒れるが、小島利男が四球を選んで二死一二塁、ここで呉新亨に代わる代打小松原博喜が右中間に三塁打を放って3-1、片山が右前に追撃のタイムリーを放って4-1とする。


 阪神は8回、一死後塚本が四球を選んで出塁、平林栄治の三塁内野安打で一死一二塁、御園生が左前打を放って一死満塁、玉置が中前に2点タイムリーを放って3-4と1点差に迫るが反撃もここまで。


 大和二番手の片山栄次は5イニングを投げて6安打3四球1三振2失点、何とか逃げ切り7勝目をあげる。



呪いが解かれた日


 シカゴ・カブスが108年ぶりにワールドシリーズ優勝。

 レスター、アリエタを軸にした投手陣、若き主砲クリス・ブライアントを二番に据えた流線型打線、104マイルの剛球クローザーチャップマンを得て、レギュラーシーズン100勝を超える第三期黄金時代を迎えています。


 108年前は、スリーフィンガー・ブラウンをエースに据え、プレイングマネージャーのフランク・チャンスとジョー・ティンカー、ジョニー・エバースの併殺トリオで1907年、1908年のワールドシリーズを連覇する第二期黄金時代を築いてきました。


 シカゴ・カブスは、名将キャップ・アンソンが率いた第一期黄金時代の1880年代、名将フランク・チャンスが率いた1900年代初頭、当代随一の名将ジョー・マドンを監督に迎えた現在と、名監督と共に黄金時代を築いています。


 ヤギの呪いを解いた今、新しい時代に突入しました。




*1907年、1908年のワールドシリーズで共に20打数7安打3割5分と、打撃でも活躍を見せたジョニー・エバースのベースボールカード。
 実使用ユニフォームが封印されています。