2011年5月14日土曜日

13年秋 名古屋vsイーグルス 5回戦

10月24日 (月) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 0 1 2 名古屋     12勝9敗3分   0.571 西沢道夫 田中実 伊藤国雄
1 0 0 1 3 0 0 0 X 5 イーグルス 10勝10敗3分 0.500 中河美芳


勝利投手 中河美芳 5勝2敗
敗戦投手 西沢道夫 2勝2敗


二塁打 (名)桝 (イ)中根2、太田
本塁打 (イ)ハリス 3号、寺内 1号


イーグルス、5本の長打で加点


 Googleのブログサービス「Blogger」でサービス障害が起きていたようでしばらく更新作業が滞っておりました。先日も1日ほど新規投稿画面が開かない状態になりましたが、今回はもう少し規模が大きかったようです。「ライオンvsセネタース 4回戦」は一度5月12日(木)にアップしましたがシステムトラブルにより消えてしまっていたようです。現在は平常通り回復しております。ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんでした。今後もシステムトラブルが続くようでしたらバックアップサイトの立ち上げを検討させていただきます。



 名古屋は初回、一死後桝嘉一が左中間に二塁打、しかし大沢清の投ゴロに飛び出し三本間に挟まれる。挟まれれば時間を稼ぐのがセオリー、桝は「1-5」と渡ってタッチアウトとなるがこの間に大沢は二塁に進み、白木一二が右前にタイムリーを放って1点を先制する。

 イーグルスは1回裏、先頭の寺内一隆の中飛をセンター桝がエラー、野村実の送りバントは一邪飛となって失敗、寺内は二盗を試みるがキャッチャー三浦敏一の強肩に刺されて二死無走者。中根之がツーツーからの5球目を右翼線に二塁打、バッキー・ハリスが中前にタイムリーを放って1-1の同点に追い付く。

 イーグルスは4回、この回先頭のハリスが初球をレフトスタンドに第3号ホームラン、2-1と勝ち越す。

 イーグルスは5回、この回先頭の寺内がツースリーからの6球目を左翼ポール際にホームラン、翌日の読売新聞によると「最短本塁打」とのこと。名古屋はここで先発の西沢道夫から田中実にスイッチ、一死後中根が今度は左中間に二塁打、ハリスは捕邪飛に倒れるが中河美芳が中前にタイムリーを放って4-1、太田健一が右中間に二塁打を放ち中河が還って5-1とリードを広げる。

 名古屋は9回、この回先頭の倉本信護が四球で出塁、本日六番ライトに起用された繁里栄の遊ゴロでランナーが入れ替わり、ボークで繁里は二進、三浦の遊ゴロの間に繁里が三進、伊藤国雄の遊ゴロをショート山田潔が一塁に低投する間に繁里が還って2-5とするが続く村瀬一三は中飛に倒れてゲームセットを告げるサイレンが高々と鳴り響く。

 中河美芳は8安打2四球2三振、117球の完投で5勝目をあげる。

 イーグルスは7安打で5得点。ハリス、寺内のホームランと中根の2本の二塁打と太田の二塁打、5本の長打で効率よく得点を重ねた。一方、名古屋は8安打で2得点。ランナーを出しながら中河に抑え込まれた。










13年秋 ライオンvsセネタース 4回戦

10月24日 (月) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9   計
1 0 0 0 0 0 0 0 0   0  1 ライオン     12勝13敗      0.480 菊矢吉男
1 0 0 0 0 0 0 0 0  3X 4 セネタース 12勝14敗1分 0.462 金子裕


勝利投手 金子裕     7勝6敗
敗戦投手 菊矢吉男 5勝7敗


本塁打 (ラ)坪内 2号 (セ)浅岡 1号


雪辱の日


 ライオンは初回、坪内道則が初球をレフトスタンドに先頭打者ホームラン、1点を先制する。

 セネタースは1回裏、先頭の苅田久徳がワンツーからの4球目を左前打、森口次郎が送って尾茂田叶、遠藤忠二郎連続四球で一死満塁、北浦三男の遊ゴロの間に苅田が還って1-1の同点とする。

 セネタース先発の金子裕は毎回のように走者を背負いながらライオン打線を9回まで無得点に抑える。3回は酒沢政夫中前打、水谷則一死球、鬼頭数雄内野安打で一死満塁のピンチを迎えるが四番中谷順次を6-4-3のダブルプレーに打ち取る。4回は玉腰年男左翼線ヒット、菊矢吉男左前打で無死一二塁とするが後続を抑え、7回にも2四球で二死一二塁とするが無得点に抑える。9回も先頭の山本尚敏に左前打を許し福士勇の送りバントで一死二塁のピンチを迎えるが酒沢、坪内を連続して内野ゴロに仕留める。

 一方、ライオン先発の菊矢吉男は2回以降セネタース打線を7回に今岡謙次郎に許した中前打1本に抑える好投を見せて9回まで零封、延長戦に突入する。

 ライオンは10回表、先頭の水谷が左前打で出塁、鬼頭が送り中谷左飛後、玉腰四球で二死一二塁とするが菊谷はボール、ファウル、ファウルからの4球目を打って中飛に倒れてこの回無得点。

 セネタースは10回裏、この回先頭の北浦三男が三塁への内野安打で出塁、今岡は一邪飛に倒れて一死一塁、金子裕の投ゴロの間に北浦は二進、ここで青木幸造に代わって現在打率二位の佐藤武夫が代打で登場、ライオンベンチは佐藤を敬遠で歩かせ磯野政次に代わる代打浅岡三郎が登場。浅岡はボール、ボール、見逃しストライクからの4球目を叩いてレフトスタンドに代打サヨナラスリーランホームランを叩き込んで試合終了。

 金子裕は10安打3四球1死球3三振で10回を完投、今季7勝目をあげる。菊矢吉男も4安打4四球4三振の力投であった。


 浅岡三郎は19日の名古屋3回戦で倉本信護にサヨナラ満塁ホームランを打たれたばかりであるが、本日は見事な代打サヨナラスリーランを放って雪辱を果たす。

 竹中半平氏著「背番号への愛着」によると「・・・打球は高く舞い上がって左翼席中段に落ち・・・(中略)・・・晴れた日で彼の横顔を秋の陽が照らしていた。」とのこと。スコアブックの「天候欄」には「快晴」と書かれている。12時30分に開始されたこの試合は14時ちょうどに終了、10月後半の午後2時であれば陽は傾き始めている頃か。ダイヤモンドを一周する浅岡三郎の横顔を秋の陽光が照らしていたのであろう。


*浅岡三郎が代打サヨナラスリーランホームランを放った場面












2011年5月11日水曜日

13年秋 ジャイアンツvs阪急 3回戦

10月23日 (日) 西宮


1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 2 0 0 0 0 0 0 3  5 ジャイアンツ 20勝4敗1分 0.833 スタルヒン
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 阪急             16勝7敗2分 0.696 宮武三郎


勝利投手 スタルヒン 12勝1敗
敗戦投手 宮武三郎     4勝1敗


トリプルクラウン


 首位を行くジャイアンツと2ゲーム半差で追う阪急との首位攻防戦。ジャイアンツ先発はエース スタルヒン、阪急先発は宮武三郎で14時42分、二出川延明プレートアンパイアの右手が上がりプレイボール。

 ジャイアンツは2回、この回先頭の中島治康が中前打で出塁、川上哲治の一ゴロでランナーが入れ替わり、伊藤健太郎の左前打で一死一二塁、白石敏男の三ゴロで伊藤が二封されて二死一三塁、ここでダブルスチールを敢行、川上がホームを踏んで1点を先制、当然川上には本盗が記録される。更に吉原正喜四球で二死一二塁、スタルヒンが右前にタイムリーを放って2-0とする。

 ジャイアンツは9回、この回先頭の吉原が四球で出塁、スタルヒンの遊ゴロはお誂え向きのゲッツーコース、ショート上田藤夫からセカンド宇野錦次に送られるが何とこれを宇野が落球して無死一二塁、トップに返り三原脩が送って水原茂四球で一死満塁、ここで三番に戻った千葉茂が右前に2点タイムリーを放って4-0、中島のこの日4安打目となるヒットが左前タイムリーとなって5-0として止めを刺す。

 スタルヒンは阪急打線を黒田健吾と宮武三郎のヒット1本ずつに抑え、二塁を踏ましめたのは初回四球に出て二盗を決めたフランク山田伝のみ、2安打1四球3三振で今季五度目の完封、12勝目をあげる。


 中島治康は5打数4安打1打点、連続試合本塁打記録は5で途切れたがこれで5試合連続マルチヒット。今季通算107打数40安打、打率3割7分4厘、7本塁打、24打点となり打撃三部門全てでトップに立った。10月11日の名古屋3回戦終了時点では打率2割8分6厘で打撃ベストテンにも入れずの11位、その後の5試合で23打数16安打、6割9分6厘を記録して本日首位打者となった。

 吉原正喜はこの日2打数無安打であったが貴重な2四球を選んでいずれも得点に結び付けた。ジャイアンツは二位阪急を突き離して3.5ゲーム差とした。




*ジャイアンツは2回、三走川上哲治、一走白石敏男の場面でダブルスチールを成功させて川上に本盗が記録される。





*中島治康はここ5試合で3度目の5打数4安打を記録する。




2011年5月10日火曜日

13年秋 金鯱vs南海 4回戦

10月23日 (日) 西宮


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 1 0 0 0 2 金鯱 6勝22敗    0.214 中山正嘉
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 南海 7勝19敗2分 0.269 宮口美吉


勝利投手 中山正嘉 2勝10敗
敗戦投手 宮口美吉 4勝8敗


二塁打 (金)小林茂


小林茂太、気魄の走塁


 金鯱は初回、先頭の佐々木常助が四球で出塁すると二盗に成功、岡野八郎の遊ゴロをショート小林悟楼が弾いて無死一三塁、岡野も二盗を決めて無死二三塁、瀬井清は浅い右飛に倒れるが小林茂太の遊ゴロを又もショートの小林悟楼がエラーする間に佐々木が還って1点を先制。岡野も三塁ベースを蹴ってホームに向かうがこれはショート小林からの送球にタッチアウトとなって二死一塁。一走小林茂太はボークで二進すると捻挫明けで痛む脚を引き摺りながら三盗に成功、中山正嘉が四球を選んで二死一三塁、更にここでダブルスチールを敢行、2-6-2と転送されて小林茂太はタッチアウト。金鯱の気迫溢れる走塁に南海守備陣もたじたじ。今日も岡田源三郎監督から「全員盗塁」の指令が出たのか。

 南海は3回、この回先頭の山尾年加寿が右前打で出塁、中田道信が送って宮口美吉の三塁内野安打で一死一三塁、トップに返り小林悟楼が初回の2失策の汚名を挽回すべく左前にタイムリーを放って1-1の同点に追い付く。

 金鯱は6回、二死から瀬井が中前にヒットを放ち一塁を大きくオーバーラン、センター中野正雄が一塁に送球するがこれが高く逸れる間に瀬井は二塁に進み二死二塁、小林茂太が中前にタイムリーを放ちこれが決勝点となって最下位金鯱がブービー南海を降して2ゲーム差に迫る。

 金鯱は8回にも瀬井清が四球、小林茂太が左中間に二塁打を放ち一死二三塁、中山正嘉の投ゴロで三走瀬井が本塁タッチアウトとなって二死一三塁、ここで又もダブルスチールを敢行するが2-6-2と渡って三走小林茂太はタッチアウト。これだけ走られると守っている方もおちおちとはできない。

 本日何度も名前が登場した小林茂太は4打数2安打1打点1盗塁、2盗塁死。10月8日の阪急2回戦試合途中に挫いた足首がどの程度尾を引いているかは定かではないがまだ全快では無いであろう。尤も本人は「何のこれしき」と言ったところでしょうが。

 小林茂太を始めとする野手陣の気魄の走塁に応えて中山正嘉は5安打4四球5三振の完投で今季2勝目をあげる。

 *岡田源三郎監督から「全員盗塁」の指令が出たか、金鯱は初回に3盗塁を決める。盗塁の記号は「O」で表します。「’」や「”」はどの打者の時に走ったかを表します。岡野の打席のカウント欄に「’」があるので佐々木常助の二盗「O’」は岡野の打席で走ったことを表します。同様に岡野の二盗「O”」は瀬井清の打席、小林茂太の三盗「O”」は中山正嘉の打席で走ったものです。








13年秋 タイガースvsイーグルス 2回戦

10月23日 (日) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
1 0 0 0 2 0 2 2 0  7 タイガース 14勝11敗      0.560 西村幸生
0 0 0 0 0 1 1 0 0  2 イーグルス  9勝10敗3分 0.474 亀田忠


勝利投手 西村幸生 5勝2敗
敗戦投手 亀田忠     3勝6敗


二塁打 (タ)藤村 (イ)中根
三塁打 (タ)藤村
本塁打 (タ)西村 1号


西村幸生、投打に活躍

 昨晩はシステムトラブルにより更新ができずご迷惑をおかけいたしました。 

 タイガースは初回、二死後藤村富美男が右中間に二塁打、景浦将が左前にタイムリーを放って1点を先制する。

 タイガースは5回、この回先頭の門前真佐人が左前打で出塁、皆川定之がワンスリーから四球を選び、西村幸生が送って一死二三塁、トップに返り山口政信が中前に2点タイムリーを放って3-0とする。

 イーグルスは6回、この回先頭の中根之の右飛をライト藤村がエラー、バッキー・ハリスがツースリーから左前打を放ち無死一二塁、中河美芳の遊ゴロでハリスが二封されて一死一三塁、亀田忠のピッチャー強襲ヒットで1点返して1-3とする。

 タイガースは7回、一死後皆川の遊ゴロをショート山田潔がエラー、ここで西村が左翼スタンドにツーランホームランを叩き込んで5-1とリードを広げる。

 イーグルスは7回裏、一死後寺内一隆四球、野村実の右翼線ヒットで一死一三塁、中根が左翼線に二塁打を放ち2-5とする。

 タイガースは8回、この回先頭の景浦が二塁への内野安打、松木謙治郎がツースリーから中前打を放って無死一二塁、ワイルドピッチで景浦が三進して伊賀上良平の右前タイムリーで6-2、門前真佐人の右飛で二走松木が三進、伊賀上が二盗を試みるとキャッチャーハリスが二塁に悪送球、松木が還って7-2とする。ハリスは2回に無死からヒットで出塁した門前を一塁牽制で刺し、四球で出塁した皆川を連続して牽制で刺している。ハリスに対しては脚に自信のある金鯱勢やセネタースの苅田久徳が果敢に盗塁を試みているが、タイガースとしてもしてやったりと言うところ。

 西村幸生は7安打3四球6三振、127球の完投で今季5勝目。西村が徐々に復調してきており、タイガースもようやく上昇気流に乗り始めてきたか。

 一方、亀田忠は9回を10安打4四球6三振、141球の投球であった。イーグルスは1引分けを挟んで四連敗。9月24日に望月潤一が完投勝ちして以降これで11戦連続して亀田か中河が完投しているが流れが悪く、そろそろ望月か古川正男で目先を変えるべきではないか。



*バッキー・ハリスが門前真佐人と皆川定之を連続して一塁牽制「2-3」で刺した場面。




     *ハリスには2補殺、1失策が記録されている。




*8回一死一三塁で一走伊賀上良平が二盗を試みハリスが二塁の悪送球して伊賀上良平は三塁に(「((2’-6))」進み、三走松木謙治郎はホームに還る(「((f’))」、「f」は六番打者伊賀上のこと、伊賀上に係るエラーで松木がホームに還ったことを表す。)。





2011年5月8日日曜日

13年秋 ライオンvs名古屋 3回戦

10月23日 (日) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11  計
0 0 0 0 0 0 0 0 2  0   0   2 ライオン 12勝12敗     0.500 近藤久 菊矢吉男
0 0 0 0 2 0 0 0 0  0  1X  3 名古屋   12勝8敗3分 0.600 松尾幸造


勝利投手 松尾幸造 6勝4敗
敗戦投手 菊矢吉男 5勝6敗


二塁打 (ラ)中谷、坪内 (名)大沢
三塁打 (名)戒能


戒能朶一、サヨナラ打


 ライオン・近藤久、名古屋・松尾幸造、緩球と剛球の両左腕対決となったが近藤は2回で降板、二番手に菊矢吉男が登板して3回以降は左右の剛球荒れ球対決となった。

 名古屋初回の攻撃は先頭の戒能朶一が左前打で出塁、鈴木秀雄が四球を選んで無死一二塁、桝嘉一は見逃し、空振り、ボール、ファウルからの5球目をセカンドライナー、中野隆雄が一塁に送って飛び出していた一走鈴木もアウト、ファースト玉腰年男は二塁ベースカバーのショート酒沢政夫にに送球してこちらも飛び出していた戒能がアウトとなってトリプルプレーが完成する。翌日の読売新聞によると桝の当りはセカンド右へのライナーだったようでセカンド中野はまず投げ易い一塁に送ったのであろう。

 名古屋は5回、一死後村瀬一三が四球を選んで出塁、トップに返り戒能のノーワンのところで菊谷の牽制が悪送球となって一死二塁、戒能ががツーツーからの5球目を中越えに三塁打、1点を先制する。続く鈴木は見逃しの三振に倒れるが桝嘉一が中前にタイムリーを放って2-0とする。

 松尾幸造は8回まで96球でライオン打線を零封。バックも戒能-村瀬-大沢清の4-6-3のダブルプレーを二度決めるなど守り立てる。

 ライオンは9回、一死後中谷順次が四球で出塁すると代走に柳澤騰市を送る。玉腰に変わる代打大友一明が左前打を放って一死一二塁、中野に変わる代打中村三郎がツースリーから四球を選んで一死満塁として代走に日野弘美を起用、酒沢に変わる代打山本尚敏の三ゴロの間に中谷が還って1-2としてなお二死二三塁、菊谷が右前にタイムリーを放って土壇場で2-2の同点に追い付く。続く坪内道則は二飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 名古屋は9回裏、この回先頭の三浦敏一がワンワンから一邪飛を打ち上げるがこの回からファーストに入っている桜井七之助がこれを落球、こういう時は得てしてドラマが起こるものだがここは菊谷が踏ん張って三浦は見逃し三振。続く松尾の二飛を今度はこの回からセカンドに入った大友が落球して一死一塁、しかしここも菊谷が頑張り村瀬を三振、ここまで3安打の戒能を遊ゴロに打ち取り延長戦に突入する。

 ライオンは10回表、この回先頭の水谷則一が二塁への内野安打で出塁してワイルドピッチで二進、鬼頭数雄は三振に倒れて一死二塁、室井豊の遊ゴロに二走水谷が飛び出し二三塁間に挟まれる間に打者走者室井も二塁に走るが水谷も二塁ベースに追い込まれて二塁ベース上で室井と鉢合わせ、水谷に占有権があるので室井ががアウト、記録は「6-5B」。柳澤が三塁に内野安打を放って二死一三塁とするが大友は二飛に倒れる。

 名古屋は10回裏、鈴木に変わる代打石田政良が四球で出塁、桝の三ゴロで石田は二封、四番白木一二は三振、桝が二盗を決めて二死二塁とするが菊谷が大沢を三振に仕留めてスリーアウトチェンジ。ライオンの11回表は三者凡退。

 名古屋は11回裏、この回先頭の倉本信護が四球を選ぶと代走に田中実を起用、三浦は遊飛に倒れて一死一塁、ここで激投を続けてきた松尾に代えて代打繁里栄を起用、繁里はワンスリーから四球を選んで一死一二塁、村瀬の二ゴロで繁里が二封されて二死一三塁、トップに還り戒能の初球に村瀬が二盗を決めて二死二三塁、戒能がこの日4本目となるヒットを右前に運んでサヨナラ、激闘に終止符を打つ。

 松尾幸造は11回を9安打6四球3三振の完投、148球の激投であった。3回からリリーフに出た菊矢吉男は8回3分の2を投げて7安打6四球12三振、176球の熱投であった。松尾はこのところ制球が安定してきており、いよいよ潜在能力の高さを発揮してきた。

 ライオンは16人、名古屋は12人を注ぎ込む総力戦となったが、最後はこの日4安打の戒能朶一のサヨナラヒットで名古屋に凱歌が上がった。




*ライオンのトリプルプレーの場面。スコアブックには「Tri」と記入されている。







*本日は色々なことが起こりましたので「雑記」欄も大忙しです。上に書いてあるのが10回表のライオン攻撃時に水谷と室井が二塁ベース上で鉢合わせした場面。






*松尾幸造と菊矢吉男の激闘を物語るスコアブック


13年秋 阪急vs南海 4回戦

10月22日 (土) 西宮


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 3 0 0 0 0 0 0 3 阪急 16勝6敗2分 0.727 重松通雄
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 南海 7勝18敗2分 0.280 政野岩夫


勝利投手 重松通雄 3勝0敗
敗戦投手 政野岩夫 3勝4敗


二塁打 (阪)黒田 (南)高野


重松通雄、3安打完投


 初回の無死一二塁のチャンスを併殺で逃した南海は2回、この回先頭の高野百介が右翼線に二塁打、中田道信の二ゴロで三進、政野岩夫が中犠飛を打ち上げて1点を先制する。

 阪急は3回、この回先頭の大原敏夫が中前打で出塁、重松通雄が右前打で続いて無死一二塁、西村正夫が送って一死二三塁、フランク山田伝の右前タイムリーで二者還って2-1と逆転に成功、山田もライト海蔵寺弘司からのバックホームの間に二塁を陥れる。更に山田が三盗を決めて一死三塁、黒田健吾の左前タイムリーで3-1する。


 阪急は4回以降5安打を放つが追加得点は奪えず。一方、南海も3回以降重松の下手投げに翻弄されて鈴木芳太郎の内野安打1本二抑えられる。

 重松通雄は3安打2四球4三振の完投で無傷の3勝目をああげる。

 阪急は首位ジャイアンツに2.5ゲーム差、明日23日にジャイアンツとの決戦を控えている。


 翌日の読売新聞には三宅正夫記者の論評として「この日の阪急に於いて3回右翼へのプレース・ヒットの成功と山田の敢行した三盗の積極的攻法は賞讃される・・・」という記述が見られる。3回の右前打は重松通雄と山田伝が記録している。「プレース・ヒット」とは「野手のいない所を狙い打つ打法」と解されているが、実際にそんなことができる打者は歴史上ウィリー・キーラーのみであり、現実的にはバントの構えからのヒッティングを意味している可能性が高い。現在で言う「バスター」となる訳であるが、野球体育博物館に常設展示されているウィリー・キーラーのバットは極めて短いものであり、残されている写真からもキーラーはその短いバットを更に四握りほど短く持って構えていたのでほとんどバスターに近いバッティングであったと想像される。野手が前に来れば野手の頭上を狙い、野手が下がればそのままバントするという打法であったと伝えられている。「野手のいない所に打て」という言葉が有名であるが、そんなことができれば誰でも四割に挑戦できる。

 昭和48年夏の甲子園1回戦、怪物江川に対した柳川商業はバントの構えからのヒッティングで江川を苦しめ延長15回まで持ち込み敗れています。この時の打法は「プッシュ打法」と呼ばれています。要は構えを小さくして鋭く振り抜くバッティングの事を総称て「プレース・ヒット」と呼べばよいのでしょう。バスターはバントシチュエーションで野手にバントシフトをとらせてヒットゾーンを広くする効果を狙うもので、ランナーのいない時には用い辛い用語となります。

 結論としては無死一塁のバントシチュエーションでの重松の右前打は「バスター」、一死二三塁でヒットの欲しいシチュエーションでの山田伝の右前打は「プレース・ヒット」と使い分けるべきでしょう。但し「バスター」と言う用語が発明されたのは1970年代であったのではないかと言う考察は以前にもどこかでやりました。