第9節は5日間東西で4試合ずつの20試合、ペナントレースは序盤戦の山場を迎えた。
首位に立つ巨人は徐々に陣容を整えてきたがしばらく藤本英雄の登板がない。怪我であるのか、中島監督の復帰により監督を降ろされたことが原因であるのか不明であるが、安定している近藤貞雄を中心とするローテーションとなる。
開幕から首位を突っ走ってきた阪急は勢いが落ちてきた。投手陣の駒は揃っているが軸がいないところが難点。
機動力のグレートリング、打線が売り物のタイガースが後を追う。個性派揃いのパシフィックとゴールドスターも侮れない存在。
中部日本は森井茂のスローボールが慣れられてきて投手陣が弱く、強力打線が生かされていない。セネタースは白木義一郎が復帰してきて巻き返しを狙う。
一週間ごとの平均観客数を見てみると、
4,656人-3,086人-4,941人-5,682人-5,380人-4,924人-5,866人
と、徐々に増加傾向にある。
世情も落ち着きを取り戻しつつあり、球場に押し掛ける観衆の熱気がショーマンシップに溢れる山田伝と安井亀和の「野球鬼ごっこ」を生んだ。この後も藤村冨美男のパフォーマンスが発揮され、白木義一郎が投ゴロを一旦キャッチャー熊耳に投げ返してから一塁に転送するという、現代の管理野球ではあり得ないようなプレーも生まれる。
現代の「基準」で見るのではなく、当時の「時代背景」を考えながら「実況中継」に耳を傾けてみてください。