1 0 0 0 0 1 1 1 0 0 0 0 4 東急 18勝31敗2分 0.367 北川桂太郎 黒尾重明
3 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 4 南海 27勝23敗3分 0.540 丸山二三雄
勝利打点 なし
長打もマルチヒットもなし、珍プレーあり
西宮の第1試合は北川桂太郎と丸山二三雄の先発で午後1時27分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。
東急は初回、先頭の一言多十が中前打で出塁、鈴木清一の捕ゴロでランナーが入れ替わり、鈴木が二盗に成功、飯島滋弥は四球で一死一二塁、大下弘の右前タイムリーで1点を先制する。
南海は1回裏、先頭の安井亀和が三塁線にヒット、河西俊雄の右前打で無死一二塁、岡村俊昭の遊ゴロをショート鈴木清一は三塁に送球して二走安井は三封、山本一人監督は四球で一死満塁、堀井数男の一ゴロの間に三走河西が還って1-1の同点、朝井昇は四球を選んで二死満塁、筒井敬三が中前に2点タイムリーを放ち3-1とリードする。
東急は6回表、一死後飯島が四球を選んで出塁、二死後長持栄吉が死球を受けて一二塁、鈴木圭一郎の二ゴロをセカンド安井が一塁に悪送球する間に二走飯島がホームに還って2-3と1点差、二死一三塁からダブルスチールを仕掛けるがキャッチャー筒井からの送球をピッチャー丸山がカットして本塁に送球、「2-1-2」で三走長持の本盗は失敗に終わる。
南海は6回裏、一死後小林悟楼、安井が連続四球、東急ベンチはここで先発の北川から黒尾重明にスイッチ、黒尾が後続を抑える。
東急は7回表、一死後大沢喜好が三遊間にヒット、二死後トップに返り一言は四球で一二塁、鈴木清一の中前タイムリーで3-3の同点に追い付く。
東急は8回表、一死後長持が左前打で出塁、鈴木圭一郎はストレートの四球で一死一二塁、黒尾の遊ゴロが野選を誘って一死満塁、続く大沢のカウントがスリーボールツーストライクのフルカウントになったところで東急ベンチは白木義一郎を代打に起用、しかし白木は投飛球に倒れて二死満塁、清水喜一郎が押出し四球を選んで4-3と1点勝ち越す。サード大沢の代打に出た白木はそのまま三塁の守備についた。
南海は9回裏、先頭の岡村が四球で出塁、山本の左前打で無死一二塁、堀井の左前打で二走岡村は三塁を回って同点のホームを狙うが、レフト大下からの返球を中継したピッチャー黒尾の本塁送球にタッチアウト、一走山本は三塁に進んで一死一三塁、堀井が同点スクイズを決めて4-4と追い付く。
試合は延長戦に突入するが両軍得点なく4対4で引分け。
丸山二三雄は6月14日の太陽戦でも真田重蔵と投げ合って延長12回引分け完投だった。
両チーム単打だけで長打は無く、マルチヒットもいなかった。
この試合のハイライトは東急初回の攻撃。大下のタイムリーで1点先制して一死一二塁、二塁ランナーの飯島滋弥は長持栄吉が三振した場面で二塁ベースを大きくリード、キャッチャー筒井敬三は二塁への偽投を繰り返しながら走って二塁ベース方向に進んでいき、飯島が戻ろうとした時に自らタッチアウトにした。記録は三振ゲッツーであるが、長持の三振で筒井に刺殺が記録され、更に飯島をタッチアウトにして2個目の刺殺、結局キャッチャーによる「単独ゲッツー」が記録されたのである。
筒井がスリーストライク目の投球を捕球してから二塁に送球してアウトにしたのではなく、自ら二塁ベースまで走って行ってアウトにしたため、二塁アウトの記録はスコアカードには「2B」と記されており、「雑記」欄にはこの経緯を公式記録員治村宗三が詳細に記載している。
スリーストライク目のスクイズをウエストなどで打者が空振りして捕手に刺殺が記録され、飛び出してきた三塁走者にタッチしてキャッチャーに「単独ゲッツー」が記録されるケースはあるが、「三振と二塁走者へのタッチによる捕手の単独ゲッツー」はプロ野球史上唯一の珍プレーではないだろうか。
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