2021年7月31日土曜日

21年 タイガースvs阪急 12回戦

9月7日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 1 0 1 2 0 0 2 0 8 タ軍 45勝26敗 0.634 呉昌征
0 0 1 1 0 0 0 0 1 3 阪急 41勝39敗 0.513 溝部武夫 天保義夫 鳥居兵治

勝利投手 呉昌征   13勝4敗 
敗戦投手 溝部武夫 6勝2敗

二塁打 (タ)土井垣、御園生、藤村、高山 (急)青田、山田、天保
本塁打 (急)山田伝 2号(ランニング)

勝利打点 (タ)土井垣武 9


タ軍、3本の犠飛で快勝

 第20節3日目は変則開催。西宮の第1試合は普段より2時間早く午前11時2分試合開始。この試合は午後零時23分に終了するが第2試合の開始は午後4時42分になる。天気は晴れでグラウンド状態は良好なので、試合の合間に何かのセレモニーが行われた可能性がある。観衆は第1試合、第2試合とも8,459人と公表されているが、全員が第2試合も見ていたとは考えにくく、第1試合の数字がそのまま第2試合でも使われているだけではないか。チケットは2試合共通のものなので、販売枚数が8,459枚であったということでしょう。

 ということで、西宮の第1試合は呉昌征と溝部武夫の先発で午前11時2分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 タ軍は初回、溝部の下手投げを攻めて先頭の金田が右前打で出塁、塚本の右前打で無死一三塁、土井垣の三塁線タイムリー二塁打で1点を先制、一死二三塁から藤村冨美男監督の左犠飛で2-0とする。

 タ軍は2回表、一死後長谷川善三が右前打で出塁、呉昌征の右前打で一死一三塁、トップに返り金田の遊ゴロ併殺崩れの間に三走長谷川が還って3-0とする。

 阪急は3回裏、先頭の山田伝が中越えに二塁打、上田の右前打で無死一三塁、青田の左犠飛で1-3と追い上げる。

 タ軍は4回表、先頭の御園生が右越えに二塁打、阪急ベンチはここで先発の溝部から天保義夫にスイッチ、富樫淳は一邪飛に倒れるが、宮崎剛が三遊間に内野安打、一死一三塁から長谷川の一塁線タイムリーで4-1と突き放す。

 阪急は4回裏、先頭の野口明が二遊間にヒット、一死後日比野が中前打、二死後天保の中越えタイムリー二塁打で2-4と再度追い上げる。

 タ軍は5回表、先頭の土井垣が左前打で出塁、藤村の右中間二塁打で無死二三塁、御園生の中前タイムリーで5-2、富樫の右犠飛で6-2と突き放す。

 阪急は5回表、一死後野口二郎が左前打を放つが後続なく、6回表も一死後荒木茂が左前打を放つが天保のショートライナーに戻れずダブルプレー。

 タ軍は8回表、先頭の宮崎に代わる代打高山泰夫が右越えに二塁打、長谷川は四球で無死一二塁、呉昌征の投前送りバントを天保が間に合わない二塁に投げてしかも悪送球、犠打と野選とエラーが記録されて二走高山が生還し7-2、無死一三塁からトップに返り金田の中犠飛で8-2として試合を決める。

 阪急は9回裏、二死後山田が右中間にランニングホームランを放って1点返すが力尽きる。

 呉昌征は9安打5四球無三振で完投、13勝目をマークする。 

 タ軍はダイナマイト打線がつながりを見せて12安打で8得点、3本の犠牲フライが効いた。

 一方、阪急は悪い癖が出て淡白な攻撃、3つの併殺でチャンスを潰した。

 タ軍の宮崎剛が昭和16年以来5年ぶりのヒットを放った。「Wikipedia」には「1946年にタイガースに復帰し・・・給料1000円では食べていけないため2ケ月で退団」と書かれているのでシーズン途中で投げ出したかの印象を与えているが、実際は、宮崎の戦後の復帰後初出場は8月29日の阪急戦であり、9月7日のこの試合で戦後初ヒット、シーズン終盤まで31試合に出場して27安打を放つ活躍を見せ、翌22年に国民リーグに移ることになる。

 戦後の復員は各選手ごとに事情が異なり、タ軍では復員が遅れた宮崎剛、山口政信などがシーズン終盤から試合に出場するようになる。平和な時代の常識だけで物事を判断する「単純な発想」だと、「真実」を見誤ることとなる。

0 件のコメント:

コメントを投稿