2 0 0 0 3 0 0 0 0 5 阪急 41勝37敗 0.526 野口二郎 今西錬太郎
0 0 0 1 0 0 2 0 0 3 タ軍 44勝25敗 0.638 野崎泰一 御園生崇男
勝利投手 野口二郎 9勝9敗
敗戦投手 野崎泰一 5勝7敗
セーブ 今西錬太郎 2
敗戦投手 野崎泰一 5勝7敗
セーブ 今西錬太郎 2
二塁打 (急)青田、山田 (タ)本堂
三塁打 (タ)土井垣
勝利打点 (急)野口二郎 4
紙一重の勝負
5日間20試合で行われる第20節、西宮の第1試合は野口二郎と野崎泰一の先発で午後1時1分、池田球審の右手が上がりプレイボール。
阪急は初回、一死後上田が中前打で出塁、青田が左中間に二塁打を放って一死二三塁、ここで四番ピッチャー野口二郎が中前に2点タイムリーを放ち2-0とリードする。
タ軍は1回裏、先頭の呉昌征が四球を選んで出塁、しかし金田の投ゴロで呉は二封、藤村冨美男監督の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。
タ軍は4回裏、二死後四番本堂が左中間に二塁打、土井垣が中越えにタイムリー三塁打を放ち1-2、高山泰夫の当りはセカンドライナーとなって同点はならず。
阪急は5回表、先頭の日比野が中前打で出塁、鳥居兵治は右飛に倒れるが、荒木茂の左前打で一死一二塁、タ軍ベンチはここで先発の野崎から御園生崇男にスイッチ、トップに返り山田伝が四球を選んで一死満塁、上田の中前タイムリーで3-1、なおも続く一死満塁で青田の三ゴロをサード藤村は二塁に送球して一走上田は二封、しかし青田は一塁セーフ、この間に三走荒木がホームイン、二走山田も快足を飛ばしてホームに還って5-1とリードを広げる。この一打で青田には2打点が記録された。
阪急は6回表、先頭の坂井豊司が左前打で出塁、しかし日比野の遊ゴロが「6-4-3」と転送されてダブルプレー、直後に鳥居が右前打で出塁、しかし荒木の遊ゴロで鳥居が二封されて無得点。
タ軍は6回裏、二死後本堂が左前打、土井垣も中前打で続いて一二塁、しかし高山は中飛に倒れて無得点。
阪急は7回表、先頭の山田が三遊間にヒットから二盗に成功、上田の投ゴロで山田は三塁に走るが御園生がサード藤村に送球して山田はタッチアウト、青田の左前打で一死一二塁、しかし野口二郎の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。
タ軍は7回裏、先頭の長谷川善三が中前打で出塁、阪急ベンチはここで野口二郎をライトに回してリリーフに今西錬太郎を起用、御園生が四球を選んで無死一二塁、塚本が送りバントを決めて一死二三塁、イニングと点差から考えると自らも生きようとしたバントが結果的に犠打になったかもしれない。トップに返り呉昌征はストレートの四球で一死満塁、金田が左前に2点タイムリーを放ち3-5、レフト青田からのバックホームが悪送球となる間に一走呉は三塁に、打者走者の金田は二塁に進んで一死二三塁と一打同点のチャンス、藤村の当りはレフトへの飛球、青田がキャッチすると二走金田はスタートを切っており、青田から二塁に送球されてダブルプレー。この試合最大の山場であった。
この後は今西がタ軍打線を無得点に抑え、野口二郎は9勝目、今西は2セーブ目を記録する。
得点差は2点であったが、試合経過を見ればどちらに転んでもおかしくないゲームであったことが理解できるでしょう。野球というゲームは数字だけで判断できないところが面白い。
タ軍は前半戦首位打者だった渡辺誠太郎が調子を落としておりファーストに高山泰夫を起用している。岐阜商業時代、甲子園で代打で殊勲打を連発して勝負強さに定評のある高山だが、この試合ではチャンスに打てなかった。4回のセカンドライナーが抜けていればこの試合の展開はどうなっていたか分からない。
5回の一死満塁での青田の三ゴロを藤村はゲッツーを狙って二塁に送球したが青田は一塁セーフ、この間に2点を取られたのが痛かった。ここはホームゲッツーを狙うべき場面であるが、おそらく青田の当りは三遊間寄りのゴロだったため藤村は二塁に送球したのではないか。
7回の金田の走塁は理解できる。同点のランナーだった金田は落ちると見てスタートを切っていたのであろう。結果論で暴走と決めつけるのは簡単であるが、状況を見なければならない。慎重な走者であればハーフウェイであるが、金田は積極的な走塁を信条としている。
勝負の結果は紙一重である。
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