2010年5月23日日曜日

12年春 阪急vsジャイアンツ  4回戦

5月9日(日)西宮


1 2 3 4 5 6 7 8  9 計
1 0 0 0 0 1 1 0  1  4 阪急       11勝8敗 0.579 中田武夫-重松通雄
2 0 0 0 0 0 0 1 2X 5 ジャイアンツ 14勝5敗 0.737 前川八郎-スタルヒン


勝利投手 スタルヒン   3勝2敗
敗戦投手 重松通雄  1勝1敗


二塁打 (阪)山下好 (ジ)中島
本塁打 (阪)宮武 1 (ジ)中島 3


藤本定義監督の執念、サヨナラを呼び込む


 阪急は初回、西村正夫が四球、黒田健吾が送って上田藤夫中前打で一死一三塁と先制のチャンス。山下好一の遊ゴロをショート白石敏男がバックホームして西村を刺して二死一二塁、宮武三郎が右前に先制タイムリーを放ち1-0と先制する。ジャイアンツはその裏、呉波、水原茂の連打で無死一三塁とし、三原脩の中前打で同点、更に中島治康が左翼線に二塁打を放ち2-1と逆転する。阪急先発の中田武夫は一死も取れずに降板、後を重松通雄に託す。重松は後続を抑え7回までジャイアンツを無得点に封じる。

 阪急は6回、一死から宮武が左翼観覧席にホームランを放ち2-2と再度同点とする。宮武三郎は西宮球場第1号ホームランとしてその名を残すこととなった。この後二死から宇野錦次、島本義文が連打を放ち一二塁のチャンスを作るが重松は遊ゴロに倒れ追加点はならず。阪急は7回、この回先頭の西村が三遊間を破り出塁、黒田は強攻策に出るが二ゴロで西村二封、上田も遊ゴロで黒田が二封とランナーを進めることができない。上田盗塁後山下好一は四球で二死一二塁となったところでジャイアンツベンチは前川八郎からスタルヒンにスイッチ、続く宮武の当りは一ゴロ、ファースト筒井修からベースカバーに入ったスタルヒンに送球されるが呼吸が合わず悪送球となる間に上田が還り3-2と逆転。
 ジャイアンツは8回、二死から中島が左翼スタンドへ起死回生の同点ホームランを放ち3-3と再度同点に追い付く。

 阪急は9回、この回先頭の西村が四球で出塁、今度は黒田が送り一死二塁、二死後山下好一が右中間に二塁打を放ち4-3と再度リードする。続く期待の宮武は二ゴロに倒れ追加点はならず。

 ジャイアンツは9回裏、この回の先頭は9回の守備から筒井に代わりファーストに入ったベテラン永澤富士雄、永澤の当りは二ゴロとなるがこれをセカンド宇野が失して無死一塁とすると代走に最長老の山本栄一郎を起用、伊藤健太郎の送りバントが内野安打となると伊藤の代走に津田四郎主将を起用する。内堀保が送り一死二三塁とするとスタルヒンに代えて昨日タイムリーヒットを放った澤村栄治を代打に送るが澤村は三振。しかし、ジャイアンツナインは藤本定義監督の執念を感じ取ったか続く呉が四球を選び二死満塁、水原も四球を選び三走山本がホームに還り遂に4-4と同点に追い付く。続く三原が三遊間を破り津田主将を迎え入れて逆転サヨナラで二日続きの激戦を制する。

*写真は昭和10年第1回アメリカ遠征時の津田四郎主将と永澤富士雄のサイン




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