2010年5月14日金曜日

12年春 ジャイアンツvsタイガース 4回戦

5月3日(月)洲崎


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 2 0 0 3 ジャイアンツ 10勝5敗   0.667 スタルヒン-前川八郎
0 1 2 0 0 1 0 0 X 4 タイガース  9勝5敗1分 0.643 御園生崇男-若林忠志


勝利投手 御園生崇男 2勝0敗 S 若林忠志 2
敗戦投手 スタルヒン  1勝2敗


二塁打 (ジ)白石 (タ)松木、門前2
三塁打 (ジ)平山
本塁打 (タ)門前 1


門前真佐人の心意気

 前回澤村栄治に二度目の無安打無得点を喫したタイガースとしては意地でも負けられない試合。タイガースの先発は安定感抜群の御園生崇男、一方ジャイアンツはスタルヒンを立てて連勝を狙う。

 ジャイアンツは初回三者凡退、タイガースは初回、トップの松木謙治郎がいきなり中越え二塁打を放つ、ここに本日のタイガースの意気込みを感じる、藤井勇四球、三番に入る御園生が送り一死二三塁と絶好の先制のチャンスを迎える。しかしここはスタルヒンが踏ん張り景浦将三振、藤村富美男三ゴロでピンチを切り抜ける。
 タイガースは2回、山口政信が三失で生きるが岡田宗芳のショートライナーに山口飛び出しゲッツー、チャンスはついえたかに見えた。しかし昨日の雪辱に燃えるタイガースは続く伊賀上良平が四球を選び二死一塁、ここで4月10日のジャイアンツ1回戦の試合途中脚部を負傷して以来休場を余儀なくされ一昨日試合途中で復帰を果たし、この日4月10日以来の先発マスクを被る門前真佐人が九番バッターとして登場、スタルヒンの剛球を捉えて中越えに二塁打を放ち伊賀上を迎え入れタイガースが1点を先制する。

 タイガースは続く3回、この回先頭の藤井が中前に弾き返し、御園生の右前打で無死一三塁のチャンスを作る。景浦の遊ゴロで御園生二封の間に藤井が還り2-0、二死後山口が右前にタイムリーを放ち3-0とリードを広げる。ジャイアンツは4回、先頭の水原茂が右前打で出塁するも三原脩遊ゴロでゲッツー。タイガースは4回裏、一死後門前が又もや右中間に二塁打を放ち松木も右前打で続き一死一三塁としたところでジャイアンツベンチはスタルヒンをあきらめ前川八郎を投入して後続を断つ。ジャイアンツは5回、先頭の内堀保が右前打で出塁、平山菊二の二ゴロを藤村がはじき無死一三塁のチャンス到来、ここは御園生も踏ん張り前川の遊ゴロゲッツーの間の1点に止める。

 2点差に追い詰められたタイガースは6回、先頭打者は門前真佐人、前川の投球を捉えた打球は逆風を突いて左翼スタンドに飛び込むホームランとなり4-1と再び突き放す。
 ジャイアンツは7回、筒井修中前打、白石敏男右前打で無死一三塁とし、一死後平山が右中間に三塁打を放ち4-3と1点差に詰め寄る。タイガースベンチはここで御園生から若林忠志にスイッチ、若林が後続を断ちきる。ジャイアンツは8回、三原四球、中島治康中前打で無死一二塁と同点のチャンスを掴む。筒井は送りバントの構え、タイガース内野陣はバントシフトを敷く。筒井は定石通り三塁側へバントを試みるもこれが小フライとなりサード伊賀上が捕球しセカンドベースカバーに入ったショート岡田に送球し二走三原戻れずゲッツーとなりチャンスを逸する。
 タイガースは8回、門前がこの日4本目のヒットを左翼線に放つが無得点。ジャイアンツは最終回、二死から前川が右前に落とし代走に山本栄一郎を起用、最後の反撃を試みるも呉波が遊ゴロに倒れてゲームセット。タイガースが昨日の無念を晴らす。


 果たして門前真佐人の脚部から痛みは消えていたのだろうか、否、澤村栄治に二度までも無安打無得点を食らい、矢も楯もたまらず強行出場に踏み切ったのではないか。4打数4安打うち二塁打2本、本塁打1本。洲崎の強風を突いて左翼席に飛び込んだホームランは、門前真佐人の心意気が打たせたものである。

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