2015年11月29日日曜日

17年 名古屋vs大和 14回戦


10月21日 (水) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名古屋 35勝53敗4分 0.398 森井茂 石丸進一
3 0 2 1 0 0 0 0 X 6 大和    23勝58敗10分 0.284 石原繁三

勝利投手 石原繁三 16勝23敗
敗戦投手 森井茂       4勝9敗

二塁打 (和)小松原、金子2

勝利打点 小松原博喜 3

猛打賞 (和)小松原博喜 1


苅田久徳、3つの併殺

 大和は初回、先頭の渡辺絢吾の当りは遊ゴロ、これをショート小鶴誠がエラー、木村孝平の中前打で無死一二塁、木下政文はストレートの四球で無死満塁、小松原博喜がレフト線に2点タイムリーを放って2-0、キャッチャー古川清蔵からの牽制に二走木下はタッチアウト、苅田久徳の三ゴロをサード芳賀直一がエラーして一死一二塁、鈴木秀雄は三振に倒れて二死一二塁、ここでダブルスチールを敢行、キャッチャー古川の三塁送球が悪送球となる間に小松原が還って3-0とする。

 大和は3回、一死後小松原が右中間に二塁打、苅田は左飛に倒れるが、鈴木が右前打から二盗を決めて二死二三塁、金子裕が右中間に二塁打を放って2点を追加、5-0とする。

 大和は4回、先頭の山田潔が四球を選んで出塁、トップに返り渡辺の遊ゴロでランナーが入れ替わり、木村が左前打、木下も左前打で続いて一死満塁、小松原の右前タイムリーで6-0と突き放す。

 大和先発の石原繁三は4安打4四球を許したが5回は「1-4-3」、6回は「6-4-3」、9回も「1-4-3」と3つの併殺で切り抜け今季4度目の完封、16勝目をあげる。3つの併殺にはセカンド苅田久徳が絡んでいる。大和は少し変わりそうだ。


 小松原博喜が4打数3安打3打点、勝利打点と猛打賞を記録した。


 

17年 阪神vs阪急 13回戦


10月20日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 阪神 44勝43敗5分 0.506 若林忠志
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 46勝42敗5分 0.523 小田野柏 森弘太郎

勝利投手 若林忠志 20勝13敗
敗戦投手 小田野柏   1勝2敗

二塁打 (神)平林

勝利打点 藤井勇 2

猛打賞 (神)平林栄治 1


若林忠志、6安打完封の巧投

 阪神は3回、一死後乾国雄が四球を選んで出塁、トップに返り塚本博睦の一塁内野安打で一死一二塁、松尾五郎は右飛に倒れるが、藤井勇の二遊間内野安打で二走乾が還り1点を先制する。これがこの試合両チーム唯一の得点であった。

 阪神先発の若林忠志はランナーを出しながらも粘り強いピッチング。三者凡退に抑えたの8回だけで、6安打4四球5三振、阪急の9残塁に助けられて今季3度目の完封、20勝目をあげる。


 今季の20勝投手はここまで野口二郎33勝、林安夫25勝、神田武夫24勝、広瀬習一21勝、須田博21勝で若林は6人目となるが、完封数は野口二郎16回、林安夫11回、神田武夫6回、広瀬習一10回、須田博6回に対して若林は僅かに3回目。神田は体調の問題で完投能力がなくなってきており、須田は病み上がりで完封が少ないという事情がある。若林の場合は打たせて取るピッチングスタイルに起因するものでしょう。


 平林栄治が4打数3安打二塁打1本でプロ入り初の猛打賞を記録した。平林は松本商業時代、戦後南海や中日で活躍して引退後は野球解説者やアマチュア野球記者となる土屋亨と共に昭和15年のセンバツと夏の甲子園に出場し、主力打者として夏の甲子園ではベスト4に進出する原動力となった。プロでは強打を発揮できなかったが、この試合では猛打賞の活躍であった。昭和18年を最後に兵役に就き、戦死することとなる。



*昭和15年センバツ出場時の松本商業のメンバー。「土屋亨」は「堀内」姓で出場している。(選抜高等学校野球大会50年史より)





*昭和15年夏の大会準決勝。平林栄治は3打数1安打3打点の活躍。センバツではセカンドだった土屋亨(堀内)は夏はサードに回った。海草中学は前年サードの真田がエースとなって二連覇を達成した。(全国高等学校野球選手権大会50年史より)



 

2015年11月28日土曜日

17年 南海vs朝日 13回戦


10月20日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 0 0 2 0 0 0 0  0  2 南海 45勝47敗 0.489 川崎徳次 神田武夫
0 1 0 0 1 0 0 0 1X 3 朝日 40勝46敗6分 0.465 林安夫

勝利投手 林安夫     25勝21敗
敗戦投手 神田武夫 24勝18敗

二塁打 (朝)広田、林2

勝利打点 内藤幸三 4

猛打賞 (朝)酒沢政夫 2


林安夫25勝、ハーラー単独2位に浮上


 朝日は初回、先頭の坪内道則がストレートの四球、原秀雄の二ゴロの間に坪内は二進、岩田次男が四球を選んで一死一二塁、浅原直人の左前打で一死満塁、しかし林安夫は浅い左飛、早川平一は三ゴロに倒れて無得点。

 朝日は2回、先頭の広田修三がレフト線に二塁打、南海ベンチはここで不調の川崎徳次に代えて神田武夫をマウンドに送る。斉藤忠二は三振、酒沢政夫の三塁内野安打で一死一三塁、トップに返り坪内の左犠飛で1点を先制する。

 南海は4回、一死後岩本義行が四球を選んで出塁、国久松一の一塁内野安打で岩本は三塁に進み一死一三塁、国久が二盗を決めて一死二三塁、中野正雄の二ゴロをセカンド原がエラー、三走岩本に続いて二走国久もホームに還り2-1と逆転する。中野には1打点が記録された。

 朝日は5回、一死後浅原が三塁に内野安打、林がレフト線に二塁打、三塁に進んだ一走浅原が返球の隙を突いてホームに還り2-2の同点。林には打点は記録されていない。

 朝日は9回裏、先頭の酒沢が三塁線にセーフティバントを決めて出塁、トップに返り坪内がこの日3つ目の四球を選んで無死一二塁、ここで原に変わる代打内藤幸三が右前にサヨナラ打を放って朝日が接戦を制す。


 林安夫は3安打5四球1三振の完投で25勝目をあげる。林と24勝で並んでいた神田武夫は敗戦投手となってハーラー3位に転落する。



 

2015年11月24日火曜日

17年 南海vs阪急 14回戦


10月19日 (月) 西宮  
 
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 南海 45勝46敗 0.495 神田武夫
0 0 1 0 0 0 0 0 X 1 阪急 46勝41敗5分 0.529 天保義夫

敗戦投手 天保義夫   8勝4敗
敗戦投手 神田武夫 24勝17敗
セーブ  森弘太郎   9 

勝利打点 なし


神田-天保の戦い

 阪急は3回、二死後天保義夫が三塁に内野安打、トップに返りフランク山田伝の一打は一二塁間をゴロで抜け、これをライト岡村俊昭が後逸する間に一走天保がホームに還り1点を先制する。これが決勝点となった。

 阪急先発の天保は快調なピッチングで、3回は長谷川善三、5回は八木進にヒットを許したのみで南海打線を零封する。

 南海は6回、二死後岩本義行と国久松一が連続四球で出塁するが、続く中野正雄の当りは遊ゴロとなってスリーアウトチェンジ。

 南海は7回、先頭の神田が四球を選んで出塁、八木の投前送りバントはピッチャー天保が二塁に送球してフォースアウト、トップに返り柳鶴震の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。
 神田武夫がヒットを打たれたのは3回の2本だけ。2安打1四球無三振1失点の完投であったが17敗目を喫す。



 一方、阪急先発の天保義夫は6回3分の1を投げて3安打5四球で無失点。リリーフの森弘太郎は2回3分の2をパーフェクトピッチング、9セーブ目をマークする。


 南海は3安打で無得点、阪急は2安打で1得点であった。

 

2015年11月21日土曜日

17年 阪神vs朝日 14回戦


10月19日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 阪神 43勝43敗5分 0.500 御園生崇男
0 0 0 0 0 1 1 0 X 2 朝日 39勝46敗6分 0.459 内藤幸三

勝利投手 内藤幸三       3勝7敗
敗戦投手 御園生崇男 11勝14敗

二塁打 (朝)内藤

勝利打点 大島渡 1


内藤幸三、1安打ピッチング

 阪神は5回まで朝日先発の内藤幸三に無安打に抑え込まれる。

 初回、先頭の塚本博睦は三振、松尾五郎は捕邪飛、藤井勇の二ゴロをセカンド原秀雄がエラー、門前真佐人は四球を選ぶが、御園生崇男は投ゴロに倒れる。2回はカイザー田中義雄が一塁にバントヒットを試みるも失敗、野口昇は右飛、平林栄治は二ゴロに倒れる。

 3回、乾国雄は右飛、塚本、松尾は連続三振。4回、先頭の藤井が四球で歩くが、門前の三ゴロは「5-4-3」と渡ってゲッツー、御園生は三邪飛に倒れる。5回は、田中が左飛、野口は遊ゴロ、平林は二飛であった。

 阪神は6回、先頭の乾は捕邪飛、トップに返り塚本は右飛、松尾が四球を選んで二盗を決めて二死二塁、藤井のショートへの内野安打で松尾が一気にホームに還り1点を先制する。

 朝日打線も初回の原の左前打以降、阪神先発の御園生崇男に無安打に抑えられた。

 朝日は6回裏、先頭の斉藤忠二の三ゴロをサード乾がエラー、酒沢政夫が送って一死二塁、トップに返り坪内道則の二ゴロで二走斉藤は三進、原のピッチャー強襲ヒットで斉藤が還り1-1の同点とする。

 朝日は7回、一死後内藤幸三が右中間に二塁打、岩田次男の二ゴロで内藤は三進、大島渡が中前に決勝タイムリーを放って2-1とする。

 内藤幸三は阪神打線を1安打に抑え、4四球3三振1失点で完投、3勝目をあげる。7回には二塁打を放ち決勝のホームも踏んだ。

 一方、御園生崇男も無四球ピッチングであった。

 阪神は16個のフライアウトを記録したが、それ程内藤幸三のストレートは伸びていたのである。



 

2015年11月20日金曜日

出世頭



 祖父江東一郎が「猛打賞&勝利打点」を記録した昭和17年10月19日の「大洋vs名古屋 14回戦」をお伝えしたところです。


 2015年7月7日に、元電通常務であった祖父江東一郎氏(92歳)の訃報が伝えられています。この「祖父江東一郎氏」とは、昭和17(1942)年に大洋に入団して翌18年に西鉄に在籍し、昭和25年と26年に毎日オリオンズに在籍した「祖父江東一郎」と同一人物なのでしょうか。


  愛知県出身で、年齢も合致しています。


 電通で社長を務めて最高顧問から名誉相談役にまで昇りつめた成田豊氏は東大野球部出身なので、電通に野球部があったとしても不思議ではありません。


 アメリカ野球学会東京支部のメンバーにも協力してもらい、「祖父江東一郎氏」と「祖父江東一郎」は同一人物である可能性が高いことが分かりました。


 であれば、野球界OBでは祖父江が出世頭でしょう。


*当ブログでは「野球人」と認定した場合、原則として「呼び捨て」とさせていただいております。したがって、電通常務の祖父江東一郎氏は敬称付き、野球人祖父江東一郎は呼び捨てとさせていただきますのでご了承ください。


 

17年 大洋vs名古屋 14回戦


10月19日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 0 0 0 0 0 0 0 2 大洋     51勝33敗6分 0.607 野口二郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名古屋 35勝52敗4分 0.402 西沢道夫 森井茂

勝利投手 野口二郎 33勝14敗
敗戦投手 西沢道夫   6勝9敗

二塁打 (大)(浅岡、野口二郎 (名)古川

勝利打点 祖父江東一郎 1

猛打賞 (大)祖父江東一郎 1


祖父江東一郎、猛打賞&勝利打点

 大洋は2回、先頭の浅岡三郎がレフト線に二塁打、富松信彦が右前打で続いて無死一三塁、祖父江東一郎が中前に先制タイムリーを放って1-0、名古屋ベンチはここで早くも先発の西沢道夫をあきらめて森井茂をマウンドに送る。宇野錦次の投前送りバントを森井が三塁に送球して二走冨松は三封、トップに返り中村信一の三ゴロで宇野が二封されて二死一三塁、中村が二盗を決めて濃人渉が四球を選び二死満塁、野口二郎の遊ゴロをショート小鶴誠が二塁に送球するがセーフ、この間に三走祖父江が生還して2-0、このプレーには野選が記録された。


 野口二郎は快調なピッチングを続けた。初回、二死後古川清蔵に右中間二塁打を許すが、以降は名古屋打線を抑え込んで無安打ピッチング。結局、1安打2四球2三振で今季16度目の完封、33勝目をマークする。野口二郎の1安打完封は今季4度目となる。


 祖父江東一郎が4打数3安打1得点1打点で猛打賞と勝利打点を記録した。祖父江に関しては、別項で特集します。