2021年12月27日月曜日

21年 巨人vsタイガース 13回戦

9月22日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 3 0 0 1 2 0 2 0  8  巨人 47勝30敗2分 0.610 藤本英雄 宮下信明 
2 0 7 2 0 0 0 0 X 11 タ軍 49勝32敗 0.605 御園生崇男 若林忠志

勝利投手 御園生崇男 9勝6敗 
敗戦投手 藤本英雄   12勝4敗 
セーブ    若林忠志   1

二塁打 (巨)多田、呉新亨、千葉 (タ)藤村、若林、宮崎
三塁打 (巨)千葉、山川

勝利打点(タ)土井垣 10

猛打賞 (タ)宮崎剛 1


若林、電撃復帰

 後楽園の第2試合は伝統の一戦。藤本英雄と御園生崇男の先発で午後3時8分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 タ軍は初回、先頭の呉昌征の当りは一二塁間のゴロ、ファースト川上が一塁ベースカバーの藤本にトスするが悪送球、金田は捕邪飛、本堂は二飛に倒れるが、藤村富美男監督の左越えタイムリー二塁打で1点を先制、土井垣が中前へのタイムリーで続いて2-0とする。

 巨人は2回表、先頭の川上はストレートの四球、黒沢は左飛に倒れるが、中島の左前打で一死一二塁、多田が左越えにタイムリー二塁打を放ち1-2、呉新亨がレフト線に逆転の2点タイムリー二塁打を放ち3-2と試合をひっくり返す。

 タ軍3回裏、先頭の呉昌征が右前打、金田のライト線ヒットで無死一三塁、本堂の三塁線タイムリーで3-3と同点、藤村も三塁線ヒットで無死満塁、土井垣が右前に2点タイムリーを放ち5-3と逆転、無死一三塁から富樫も右前にタイムリーを放ち6-3、宮崎もライト線にタイムリーを放ち7-3、タ軍ダイナマイト打線が7連続安打を記録して藤本をKO、ピッチャーは宮下信明に代わり、無死一三塁から宮崎が二盗に成功、キャッチャー多田の二塁送球が悪送球となって三走富樫が還り8-3、御園生は遊ゴロに倒れて一死三塁、長谷川善三の遊ゴロの間に三走宮崎が還っての回7点、9-3とする。

 7連続安打のダイナマイト打線の迫力には後楽園に詰めかけた24,634人の観衆も驚かされたのではないか。

 タ軍は4回裏、先頭の藤村はストレートの四球、土井垣の投ゴロは「1-6-3」と転送されるが二塁はセーフで一死二塁、宮崎の右前タイムリーで10-3、ライト中島がファンブルして打者走者の宮崎は二塁に進み、御園生崇男は四球、フォアボール目に宮崎が三盗に成功、長谷川の右前タイムリーで11-3と大きくリードを広げる。

 巨人は5回表、先頭の山川が左前打で出塁、千葉が右中間にタイムリー三塁打を放ち4-11と反撃開始。一死後黒沢の一塁へヒット性のゴロをファースト本堂が好捕、三走千葉が飛び出してしまい「3-2-5」と転送されてタッチアウト。

 巨人は6回表、先頭の呉新亨が中前打で出塁、一死後トップに返り山田が四球を選んで一二塁、山川が右中間に2点タイムリー三塁打を放ち6-11、ここで先発の御園生が降板し、リリーフに何と若林忠志が登場、千葉はストレートの四球、川上の初球もボール、この時千葉がスタートを切り、キャッチャー土井垣はショート長谷川に送球、三走山川もダブルスチールでホームに突っ込むがショート長谷川からの本塁送球にタッチアウト、この間に千葉は三塁に進んで二死三塁、川上もストレートの四球、黒沢もスリーボールワンストライクから四球で二死満塁、若林はここまで13球を投げてストライクは1球しか入っていない。しかし中島は三振に倒れて追加点はならず。

 中島治康の人間性から考えると、練習不足でストライクが入らない若林に“武士の情け”を見せたのではないか。多少のボール球を振っても「悪球打ち」で名を馳せる自分であれば故意に空振りしたとは見えないという判断だったかもしれない。中島も既に「ワンバウンドをホームラン」するようなかつての力は無くなっている。

 2イニング目に入って落ち着きを取り戻した若林は7回表、多田を遊ゴロ、呉新亨を三振、宮下の一ゴロで自ら一塁ベースカバーに入り「3-1A」で三者凡退。

 巨人は8回表、一死後山川が四球を選んで出塁、千葉のライト線二塁打で一死二三塁、川上の中前タイムリーで7-11、一死一三塁から黒沢の二ゴロ併殺崩れの間に三走千葉が還って8-11と3点差まで詰め寄る。続く中島の三ゴロはサード藤村からの一塁送球でアウトとなってチェンジ。

 この中島の三ゴロについて、「雑記」欄に解読不明の二文字の注釈が付いている。通常、守備に関する注釈は「好守」、「好捕」であるが、サード藤村の守備が何か通常とは違っていたことになる。

 最終回の若林は本来のピッチングを取り戻し、多田は三ゴロ、呉新亨は遊ゴロ、宮下は二ゴロに倒れ、タ軍が逃げ切りに成功。

 戦後初登板となったリリーフ若林は3回3分の2を投げて2安打4四球2三振2失点。65球でセーブを記録した。

*①の「好守」は5回に黒沢の一ゴロを好捕したファースト本堂の守備に対しての注釈。②の解読不明の二文字が8回の中島の三ゴロを「5-3」でアウトにした藤村の守備に対する注釈。「何か」があったようだ。

2 件のコメント:

  1. ②ですが「美技」ではないでしょうか。
    2文字目は書き順が技と同じに見えます。
    1文字目は美の「大」に「ソ」を重ねた異体字に見えます。
    (参考)
    https://blog.goo.ne.jp/bluesky321/e/9a8455d3a6efdb95e8aca02db94fd0ab
    http://codh.rois.ac.jp/char-shape/unicode/U+7F8E/

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    1. 藤村の守備に対する注釈なのでご指摘のとおり「美技」だと思われます。
      「好守」とは違う、藤村らしいパフォーマンスを見せたのではないでしょうか。
      終戦後1年を経過して、観客数の増加に連れて藤村のハッスルプレーが見られるようになってきたと理解できます。
      的確なご指摘ありがとうございました。

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