2021年12月26日日曜日

21年 グレートリングvsパシフィック 14回戦

9月22日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 2 0 0 0 0 0  0   0   0  2 グ軍 51勝31敗2分 0.622 別所昭 
0 0 0 0 0 0 0 0 2  0   0   0  2 パ軍 32勝46敗3分 0.410 真田重蔵

二塁打 (グ)別所 (パ)藤井

勝利打点 なし

猛打賞 (グ)岡村俊昭 3 (パ)伊勢川真澄 4


163球の剛球対決

 西宮の第2試合は別所昭と真田重蔵の剛腕対決となって午後2時35分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 グ軍は2回表、一死後別所が四球を選んで出塁、岡村が中前打で続いて一死一二塁、しかし筒井の三塁線ゴロをサード平野徳松がベースを踏んで一塁送球しゲッツー。

 パ軍は3回裏、先頭の平野が中前打で出塁、真田の二ゴロをセカンド安井がエラー、トップに返り白石が四球を選んで無死満塁、しかし木暮の投ゴロを別所が本塁送球、筒井からファースト山本一人監督に転送されて「1-2-3」のホームゲッツー、藤井は三振に倒れて無得点。

 グ軍は4回表、先頭の山本が四球を選んで出塁、堀井の三ゴロでランナーが入れ替わり、別所のレフト線二塁打で堀井が一気にホームに還って1点を先制、岡村も中前タイムリーで続いて2-0とする。続く筒井の投ゴロは「1-6-3」と渡るゲッツー。

 パ軍は5回裏、一死後真田が中前打で出塁、しかしトップに返り白石の投ゴロは「1-4-3」と渡るゲッツー。

 ここまで両軍4つの併殺のうち投ゴロゲッツーが3つ。3回裏の別所は満塁なのでセオリー通りのホームゲッツー。4回表のパ軍は一死一塁でショート白石が二塁ベースカバーに入って「1-6-3」、5回裏のグ軍は同じく一死一塁でセカンド安井が二塁ベースカバーに入って「1-4-3」。打球による変動はあるが基本的に二遊間はどちらがベースカバーに入るかは事前に決めておく。パ軍は当然強肩ショートの白石が入るが、グ軍は動きのいいセカンド安井が入った。戦前セネタースの苅田も投ゴロゲッツーで二塁ベースカバーに入るケースが多かった。基本的には一塁に投げ易いショートが入るが、戦後の大洋でも強肩セカンドのシピンが二塁ベースカバーに入ることとなる。

 パ軍は7回裏、二死後松井信勝、平野が連続中前打で一二塁とするが真田は投ゴロに倒れて無得点。

 パ軍は8回裏、二死から藤井がレフト線に芸術的な流し打ち二塁打、ワイルドピッチで藤井が三進すると別所は森下を歩かせ二死一三塁、パ軍藤本定義監督はここで勝負を懸け、辻井に代えて代打小島利男を起用、しかし別所渾身の剛球に小島は三振、パ軍はどうしても別所を捕えきれない。

 グ軍は9回表、先頭の堀井が左前打で出塁、別所の三ゴロをサード平野が痛恨のエラー、岡村のツーストライク目に堀井が単独三盗を決めて無死一三塁、真田渾身のピッチングに岡村は三振に倒れるが一走別所が二盗を決めて一死二三塁、真田は勝負強い筒井とは無理に勝負せずスリーボールワンストライクから四球、一死満塁となって宮崎は三振、トップに返り安井は遊ゴロに倒れて追加得点はならず。

 真田がこのピンチを抑えたことでパ軍の闘志に火が付いた。

 パ軍は9回裏、先頭の伊勢川が左前打で出塁、松井が四球を選んで無死一二塁、平野に代わる代打中谷順次も四球を選んで無死満塁、藤本監督はここで三塁ランナー伊勢川に代えて代走に富松信彦を起用、続く真田の投ゴロを別所は本塁ではなく二塁に送球、ショート宮崎がベースカバーに入って一塁転送、しかし二塁セーフの一塁アウト、三走富松が生還して1-2となって一死二三塁、トップに返り別所は白石とは無理に勝負せずスリーボールワンストライクから四球、一死満塁から小暮が左前に起死回生の同点タイムリーを放ち2-2、なおも続く一死満塁で別所が奮起して藤井は三振、更に主砲森下も三振、試合は延長戦へと続く。

 一死満塁での真田の投ゴロを別所が本塁に送球できなかったということは、三走富松がスタートを切る満塁でのランエンドヒットだった可能性が高い。別所の二塁送球が間に合わなかったのもランエンドヒットであったことを裏付けているとも言える。いずれにしても藤本監督が三塁走者を富松に代えて勝負を仕掛けたことは間違いない。

 延長に入ってグ軍は10回表、二死から四球を選んだ山本が二盗に成功するが岡村は右飛に倒れる。12回表は先頭の河西がピッチャー強襲ヒットから二盗に成功、一死後河西が三盗を試みるが、9回に代走を出された伊勢川に代わって10回からマスクを被る佐竹一雄が刺してピンチの芽を防ぐ。

 パ軍は別所の剛球に抑え込まれ、12回裏に一死後森下が左前打で出塁、小島は二飛、佐竹の代打に滝川中学で別所の先輩となる湯浅芳彰を起用、2球目に森下が二盗を決めて二死二塁、最後は別所が先輩湯浅を三振に打ち取り延長12回2対2の引分け。

 別所昭は11安打5四球10三振、真田重蔵は10安打4四球5三振。両者共に163球で12回を投げ切る歴史に残る剛球対決であった。

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