2021年12月8日水曜日

21年 阪急vsパシフィック 14回戦

9月21日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 5 5 阪急 44勝43敗 0.506 鳥居兵治 
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 パ軍 32勝46敗2分 0.410 木暮力三

勝利投手 鳥居兵治 1勝0敗 
敗戦投手 木暮力三 0勝1敗

二塁打 (急)青田、鳥居 (パ)白石、伊勢川
三塁打 (パ)松井

勝利打点 (急)野口二郎 6


鳥居が小暮との投げ合いを制してプロ入り初勝利

 西宮の第2試合は鳥居兵治と木暮力三の先発で午後2時53分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 鳥居と小暮の対決という珍しい一戦となった。珍しいどころか、鳥居は過去2試合リリーフ登板があるだけでこの試合がプロ入り初先発。小暮も過去2試合リリーフ登板があるだけでこの試合がプロ入り初先発。しかも両投手共にサウスポー。更に、鳥居はこの試合がプロでの唯一の勝利で小暮もこの試合がプロでの唯一の敗戦である。

 奇跡的な対決となった両サウスポーの投げ合いは、8回まで両軍無得点の投手戦となった。

 阪急は初回、先頭の山田伝が四球で出塁するが小暮のサウスポーからの牽制に刺されてタッチアウト、当然、山田は小暮の牽制を見るのは初めて。二死後青田が中前打を放つが野口二郎は左飛に倒れる。

 阪急は2回表、一死後坂井豊司が右前打、続く森田定雄が左前打を放って一死一二塁、しかし鳥居は二ゴロ、荒木茂は二飛に倒れて無得点。

 阪急打線はこの後6回まで1四球のみの無安打、しかもこの間外野に打球が飛んでいない。

 パ軍は初回、先頭の白石が四球から二盗を試みるがキャッチャー日比野の強肩に阻まれタッチアウト、二死後藤井勇が中前打を放つが、森下は三ゴロに終わる。

 パ軍は2回裏、一死後松井信勝が左中間に三塁打を放ってチャンスメイクするが、富松は三振、平野徳松はニゴロに倒れて無得点。

 パ軍は5回裏、先頭の富松がツーボールツーストライクから3球ファウルで粘って四球を選び出塁、一死後富松が二盗を試みるが日比野からの送球にタッチアウト、小暮が左前打を放って二死一塁、小暮もスタートを切るが又も日比野に刺されて無得点。

 パ軍は6回裏、一死後辻井が三遊間にヒット、二死後日比野からの一塁牽制で辻井はタッチアウト、日比野武はここまで4補殺で鳥居を助ける。

 阪急は7回表、二死後坂井が二盗を決めてチャンスを作るが、森田は三振に倒れて無得点。

 パ軍は7回裏、先頭の森下が四球を選んで出塁、伊勢川が送りバントを決めてチャンスを作るが、松井は中飛、富松は投ゴロに倒れて無得点。

 阪急は8回表、一死後荒木が四球から二盗に成功、キャッチャー伊勢川からの送球がセンターに抜け、荒木は三塁に向かうがバックアップの富松からサード平野に送球されてタッチアウト。

 パ軍は8回裏、一死後小暮がストレートの四球で出塁、トップに返り白石が左中間に二塁打、一走小暮は二塁、三塁ベースを蹴ってホームに向かうが、レフト青田-サード坂井-キャッチャー日比野と転送されて本塁寸前タッチアウト。

 両軍の守り合いで試合は0対0のまま最終回へと進む。

 阪急は9回表、先頭の上田の当りは遊ゴロ、これをショート白石が一塁に悪送球、青田がレフト線に二塁打を放って無死二三塁、ここでここまで無安打の野口二郎が中前に14試合連続ヒットとなる先制の2点タイムリー、遂に均衡が破れて2-0、日比野の三ゴロが「5-4-3」と転送されるが二塁はセーフで一塁アウト、坂井が死球を受けて一死一二塁、森田は三振に倒れて二死一二塁、鳥居がライト線にタイムリー二塁打を放ち3-0、荒木も三塁線にタイムリーを放ち4-0、トップに返り山田も右前にタイムリーで続きこの回一挙5点、5-0とリードする。

 パ軍は最終回、一死後森下が中前打で出塁、伊勢川の中越えタイムリー二塁打で1-5と1点返すが、最後は松井が三飛に倒れてゲームセット。

 鳥居兵治は8安打4四球2三振、125球の完投でプロ入り初勝利をあげる。女房役日比野武の4補殺に助けられた。

 木暮力三は9安打4四球1死球3三振、140球の完投であったが惜しくも敗れた。

 鳥居は岐阜商業では松井栄造、大島信雄に続くサウスポーのエースピッチャーであった。松井、大島に比べると知名度は大きく落ちるが、昭和21年第21節でプロ入り初本塁打、第22節でプロ入り初勝利と活躍が目立っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿