0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 タ軍 44勝24敗 0.647 渡辺誠太郎 御園生崇男
0 0 0 1 0 3 0 1 X 5 グ軍 45勝26敗 0.634 別所昭
勝利投手 別所昭 11勝6敗
敗戦投手 渡辺誠太郎 10勝11敗
敗戦投手 渡辺誠太郎 10勝11敗
三塁打 (グ)木村
勝利打点 なし(本盗)
隠し球、重盗、頭脳的送球、遊犠飛でグ軍が快勝!
首位争いを繰り広げるタ軍とグ軍によるダブルヘッダー2戦目。
西宮の第2試合は渡辺誠太郎と別所昭の先発で午後4時45分、金政主審の右手が上がりプレイボール。第1試合の終了時間は午後零時57分だったので、5時間近くのインターバルを取ったことになる。観客数は第1試合、第2試合ともに8,901人と発表されている。
タ軍は初回、二死後土井垣武がツーストライクナッシングから粘って四球、本堂保次の中前打で二死一二塁、しかし藤村冨美男監督が中飛に倒れて無得点。
タ軍は3回表、先頭の呉昌征が三遊間にヒット、金田正泰の三ゴロで呉は二封、金田が二盗を試みるがキャッチャー筒井敬三からの送球にタッチアウト、土井垣が中前打で出塁、しかしファースト山本一人監督の隠し球に引っ掛かってタッチアウト。
グ軍は3回裏、先頭の筒井が三遊間にヒット、しかし宮崎仁郎の捕邪飛に筒井が戻れず「2-3」と送球されてダブルプレー、ここは宮崎のバント失敗か、トップに返り河西俊雄は遊ゴロに倒れて無得点。
グ軍は4回裏、一死後田川豊が右前打で出塁、山本の右前打で田川は三塁に進んで一死一三塁、ここはエンドランか、更にダブルスチールを決めて1点を先制する。今季全チームで31個目の本盗となったが、タ軍が本盗を許したのはこれが初めてである。
タ軍は5回表、先頭の長谷川善三がストレートの四球で出塁、塚本博睦が送って一死二塁、トップに返り呉昌征も四球を選んで一死一二塁、金田はストライク2つとボール2つからファウル、そして6球目を空振りしたがキャッチャー筒井は捕球できなかった。ゲッツーシチュエーションの場合振り逃げは成立しないがキャッチャー筒井は一塁に送球した。これを見て二走長谷川は三塁に向かって走ったがファースト山本からショート宮崎に送球されて長谷川は二三塁間に挟まれ、宮崎がサード河西に送球、河西は長谷川を二塁ベースに追い詰めてファーストから二塁ベースカバーに走ってきた山本がタッチしてスリーアウト、記録は「2-3-6-5-3」で金田の三振とともに「併殺」が記録された。
筒井は振り逃げが成立しないにもかかわらず一塁に送球した。これを見て二走長谷川は自分に進塁義務があると勘違いして三塁方向に走ってしまったのである。筒井の頭脳的プレーに長谷川がまんまと引っ掛かった。近年のプロ野球でも振り逃げルールを理解していない走者がボーンヘッドを犯すケースが見られる。振り逃げは第3ストライクを捕手が正規捕球できなかったときに、
①一塁に走者がいない場合、
②一塁に走者がいても二死である場合
に可能である。一死一二塁では振り逃げは成立せず、金田は空振りした時点で三振、筒井は一塁に送球する必要はないが、走者の勘違いを誘うために送球した。インプレーなので捕手が大きく後逸した場合は二走長谷川が三塁に走ることはできるが、長谷川は二塁に止まっていて筒井が一塁に送球したということは大きく後逸した訳ではなかったので、筒井が走者の勘違いを誘って一塁に送球したことになる。
グ軍は6回表の守備からセンター田川がライトに回り、ライト岡村俊昭に代わって木村勉が入ってセンター。
グ軍は6回裏、先頭の安井亀和の当りは遊ゴロ、これをショート長谷川が一塁に悪送球、長谷川はベンチに帰って進塁義務が無かったことを聞かされておりボーンヘッドのショックを引きずっていたか、打者走者の安井は二塁に進み、田川の二ゴロで安井は三進、山本は四球から二盗を決めて一死二三塁、堀井数男の三ゴロで安井がホームに突っ込み、サード藤村がバックホームするが安井の足が勝りセーフ、野選が記録されて2-0、一死一三塁となって6回表から守備に入った木村が遊撃後方へ飛球、ショート長谷川が捕球すると三走山本がタッチアップからホームイン、「遊犠飛」が記録されて3-0、一走堀井もタッチアップから二塁に進み、別所の左前タイムリーでこの回3点、4-0とリードを広げる。木村の犠飛は今季リーグ全体で171本目となるが、これまでの170本はすべて外野飛球であり、「遊犠飛」は今季初となる。
グ軍は8回裏、先頭の木村が右中間に三塁打、別所が中前に2打席連続タイムリーを放ち5-0とダメ押す。
別所昭は8安打3四球3三振で今季2度目の完封、11勝目をマークする。
グ軍は山本の隠し球に始まり、山本との重盗による田川の本盗、木村の遊犠飛で山本が生還して加点、別所の2本のタイムリーで試合を決めた。そして何より、筒井の頭脳的プレーが光った。「鶴岡野球」が凝縮された試合であった。
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