6月28日 (日) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 1 0 0 0 0 4 0 0 6 巨人 29勝12敗1分 0.707 中尾輝三 須田博
3 0 0 0 0 0 0 1 0 4 阪神 23勝19敗1分 0.548 木下勇 若林忠志
勝利投手 須田博 5勝2敗
敗戦投手 若林忠志 10勝6敗
二塁打 (巨)伊藤、須田、呉 (神)土井垣
勝利打点 呉波 4
呉波が決勝打
巨人は初回、先頭の呉波が中前打で出塁するとすかざず二盗に成功、キャッチャーカイザー田中義雄からの送球が逸れる間に三塁に進む。水原茂がセンター右に先制タイムリーを放って1-0、楠安夫はストレートの四球で無死一二塁、川上哲治はライトライナーに倒れるが、阪神ベンチは早くも先発の木下勇から若林忠志にスイッチ、川上の当りが強烈だったからであろう。中島治康の三ゴロをサード土井垣武が一塁に悪送球して一死満塁、白石敏男の当りは痛烈なピッチャー返しであったが若林がキャッチ、三塁に送球して三走水原が戻れずダブルプレー。
阪神は1回裏、一死後野口昇が四球で出塁、松本貞一も四球を選んで一死一二塁、土井垣が左中間に二塁打を放って1-1の同点、藤井勇の中犠飛で2-1と逆転に成功、御園生崇男の中前タイムリーで3-1と突き放す。
巨人は2回、先頭の伊藤健太郎が右中間に二塁打、坂本茂の二ゴロの間に伊藤は三進、中尾輝三の左犠飛で2-3と追い上げる。坂本の進塁打が効いた。
阪神は3回、先頭の松本が四球を選んで出塁、巨人ベンチも中尾から須田博にスイッチ、土井垣は右飛、藤井の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。左打者の藤井を併殺に仕留めたのはセカンド坂本の進境を物語っている。千葉茂の応召によりセカンドを守る坂本もようやく戦力になってきた。
序盤戦は点の取り合いとなったが、須田博と若林忠志の投げ合いで試合は落ち着きを取り戻し、阪神1点リードのまま終盤戦を迎える。
巨人は7回、一死後伊藤が中前打で出塁、坂本の当りは右前に抜けるがライト御園生が二塁に送球して伊藤を封殺、「9-6B」のライトゴロが記録された。しかし須田が右中間を破って坂本が生還、3-3の同点に追い付いて二死二塁、トップに返り呉がセンター左奥に二塁打を放ち4-3と逆転に成功、水原の右前打で呉が還って5-3、バックホームの隙を突いて打者走者の水原が二塁に進んで二死二塁、続く楠の右前打で何故か二走水原は動かず二死一二塁、楠のヒットはポテンだった可能性があり、水原はアウトカウントを間違えたのかもしれない。川上の二遊間内野安打で二走水原は三塁に、一走楠は二塁に進んで二死満塁、中島の押出し四球で水原が還り6-3とする。
阪神は8回、二死後御園生の遊ゴロをショート白石がエラー、田中の中前打で二死一二塁、若林の中飛をセンター呉が落球する間に二走御園生が還って4-6としてなお二死二三塁と一打同点のチャンス、しかし塚本博睦に代わる代打玉置玉一は投ゴロに倒れて万事休す。
須田博は9回の阪神打線を三者凡退に抑え、7回3分の0を投げて4安打1四球3三振1失点、自責点ゼロの好リリーフを見せて5勝目をあげる。
昨日からの関西遠征で白石敏男に代わってトップに入る呉波が勝利打点となる決勝打を放った。昭和12年に巨人に入団した呉が一番に定着するのは意外と遅く呉昌征を名乗る昭和18年からのことである。巨人の核弾頭は白石であり、この日のように時々呉も一番を打つことがある。この日の活躍は、呉がリードオフマンに定着するきっかけとなるターニングポイントになった可能性がある。
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