2011年2月11日金曜日

13年春 名古屋vsジャイアンツ 5回戦

7月8日 (金) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名古屋      9勝21敗 0.300 西沢道夫
0 0 0 0 0 1 0 0 X 1 ジャイアンツ 21勝9敗   0.700 川上哲治


勝利投手 川上哲治 2勝2敗
敗戦投手 西沢道夫 2勝3敗


二塁打 (名)大沢


川上哲治、完封と決勝打


 後に大打者として名を残すこととなる川上哲治、西沢道夫による若き日の投げ合いとして球史に残る試合と言えよう。

 ジャイアンツは6回、一死後八番永澤富士雄が四球を選んで盗塁、続く川上哲治が右前にタイムリーを放って決勝の1点を叩き出す。

 川上は1~3回は三者凡退、4回二死から大沢清に右中間に二塁打を打たれて初安打を許すが得点は許さず。6回は西沢が左前打、7回、8回にも1安打ずつを許すが後続を抑え、最終回三者凡退で完封勝利をあげる。このところ代打での出場が増えており、いよいよ打者転向かと思わせたがこの日のピッチングで藤本定義監督にも迷いが生じているのではないか。川上は結局4安打無四球3三振の完封で今季2勝目をあげる。

 西沢道夫は9回を投げ抜き5安打5四球2三振。川上に許したタイムリーが命取りとなった。

 この歴史的試合を伝える読売新聞の記述は「川上、西沢両投手に対して両軍の安打合せて九本は如何にも貧打戦であった。・・・この一戦は気力の乏しい勝利であった。」と、味も素っ気もない。





          *戦後のブロマイド




13年春 イーグルスvsジャイアンツ 4回戦

7月7日 (木) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 0 0 0 0 0 0 2 イーグルス  17勝11敗1分 0.607 古川正男 亀田忠
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 ジャイアンツ 20勝9敗     0.690 スタルヒン


勝利投手 亀田忠      12勝5敗
敗戦投手 スタルヒン 12勝2敗


二塁打 (ジ)中島
本塁打 (イ)漆原 1号、中根 1号


イーグルス二発、スタルヒンを撃破


 イーグルスは3回、この回先頭の漆原進が左翼スタンドにホームラン、二死後中根之が右翼スタンドにホームラン。


 イーグルス先発は好調古川正男。古川は3回までジャイアンツ打線を4四球無安打無得点に抑える。ジャイアンツは4回、この回先頭の千葉茂が中前打、伊藤健太郎も右前打で続き無死一二塁、更にボークで無死二三塁とするが永澤富士雄投ゴロ、吉原正喜三振、スタルヒン遊ゴロで無得点。ジャイアンツは2回の一死一二塁を3-6-3のダブルプレー、3回の一死満塁も水原茂一邪飛、中島治康三ゴロで逃しており三イニング連続チャンスを潰す。

 ジャイアンツは5回、この回先頭の呉波が中前打で出塁、白石敏男は左飛に倒れるが水原が中前打、中島の左翼線二塁打で1-2として古川を退け亀田忠を引っ張り出すが千葉、伊藤が連続三振に打ち取られて追加点はならず。

 亀田は5回以降ジャイアンツ打線を4四球7三振無安打に抑えて今季12勝目をあげてスタルヒンと並びハーラートップに躍り出る。

 ジャイアンツとしては亀田のリリーフ登板は十分予想されたため何とか古川正男から先取得点が欲しかったところであるが、再三のチャンスを潰してイーグルスの二発に撃沈されてダブルヘッダー二連敗。タイガースはジャイアンツが勝手にこけてくれてマジックを6とする。



*漆原進、中根之の1イニング2ホームラン





13年春 金鯱vsジャイアンツ 5回戦

7月7日 (木) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
3 0 0 2 0 0 0 0 3 8 金鯱      10勝19敗 0.345 常川助三郎 塩田猪年男 中山正嘉
0 4 0 1 0 0 0 0 0 5 ジャイアンツ 20勝8敗  0.714 成田友三郎 前川八郎 青柴憲一


勝利投手 中山正嘉   6勝6敗
敗戦投手 成田友三郎 2勝3敗


二塁打 (金)五味 (ジ)白石


タイガースにマジック点灯


 金鯱は初回、先頭の五味芳夫がレフト線に二塁打、江口行男が左前にタイムリーを放って1点を先制、レフト伊藤健太郎からのバックホームをキャッチャー吉原正喜が失する間に江口は二塁に進む。瀬井清の中飛で江口は三進、小林茂太が右前にタイムリーを放ち2-0、ジャイアンツは早くも先発成田友三郎をあきらめて前川八郎をリリーフに送る。岡野八郎の投ゴロの間に小林茂は二進、武笠茂男が右前にタイムリーを放って3-0とする。

 今日負けるとタイガースにマジックが点灯するため負けられないジャイアンツは1回裏、一死後白石敏男が左前打で出塁、三番セカンドに入った三原脩が左前打で続いて一死一二塁、中島治康の左飛をレフト武笠が落球、これを見て白石はホームを突くが武笠からのバックホームに本塁憤死となりダブルプレーが記録される。

 ジャイアンツは2回、この回先頭のサード千葉茂が中前打で出塁、伊藤四球、永澤富士雄のバントが野選を誘い無死満塁、吉原が押出し四球を選んで1-3、一死後呉波、白石が連続押出し四球を選んで3-3の同点、金鯱は先発の常川助三郎から塩田猪年男にスイッチ、打者三原の時にキャッチャー岡田源三郎監督からの返球を塩田が逸らした隙に三走吉原がホームに還り4-3と逆転する。

 金鯱は4回、この回先頭の岡田源三郎が左翼線にヒット、塩田が送って佐々木常助の左翼線ヒットで一死一三塁、佐々木が二盗を決めて一死二三塁、五味の中前タイムリーで二者還り5-4と逆転に成功する。

 ジャイアンツは4回裏、この回先頭の前川が中前打、パスボールで前川二進、白石が左翼線にタイムリー二塁打を放って5-5の同点とする。金鯱は5回途中から中山正嘉を注ぎ込みジャイアンツの反撃を断つ。一方、前川も金鯱打線を抑えて試合は9回へ。

 金鯱は9回、この回先頭の五味が死球で出塁、江口が送って一死二塁、瀬井に代わる代打古谷倉之助四球で一死一二塁、ここで無類の勝負強さを誇る小林茂太が中前にタイムリーを放って6-5、岡野の右前打で一死満塁、ジャイアンツは好投を続けてきた前川から青柴憲一に交代、しかし武笠が押出し四球を選んで7-5、岡田源三郎監督が中犠飛を打ち上げて8-5とし、最終回を中山が締めて快勝する。

 ジャイアンツはこの敗戦で、タイガースとの二試合を含む残り試合に全勝してもタイガースがジャイアンツ戦以外の七試合に全勝すれば追い付けないためタイガースにマジックナンバー7が点灯した。

2011年2月9日水曜日

13年春 タイガースvsジャイアンツ 3回戦

7月5日 (火) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 タイガース   21勝5敗 0.808 西村幸生 御園生崇男
0 0 0 0 1 1 2 1 X 5 ジャイアンツ 20勝7敗 0.741 スタルヒン


勝利投手 スタルヒン 12勝1敗
敗戦投手 西村幸生     8勝3敗


二塁打 (ジ)白石2
三塁打 (ジ)千葉
本塁打 (ジ)中島 1号


ジャイアンツ、1年ぶりにタイガースを降す


 ジャイアンツはタイガース戦三戦目にして初めてスタルヒンが先発。タイガースが勝てばマジック点灯、スタルヒンにとっては真価が問われる一戦となった。一方タイガースは西村幸生が先発。午後4時45分、池田豊チーフアンパイアの右手が上がりプレイボール。

 タイガースは初回、(四)本堂保次中飛、(九)藤村富美男右飛、(八)山口政信中前打、吉原のパスボールで山口は二進、しかし(七)景浦将は中飛に倒れる。ジャイアンツは1回裏、(八)呉波三振、(六)白石敏男二ゴロ、(五)水原茂死球、(九)中島治康投ゴロでチェンジ。

 タイガースは2回、(三)松木謙治郎二ゴロ、(二)カイザー田中義雄三ゴロ、(五)伊賀上良平右飛。ジャイアンツは2回裏、(四)千葉茂中前打で出塁、(七)伊藤健太郎四球、(三)永澤富士雄の捕前送りバントは田中から伊賀上に送られてフォースアウトで送りバント失敗、(二)吉原正喜三振、(一)スタルヒン三ゴロでチェンジ。

 タイガースは3回、(一)西村幸生四球、(六)岡田宗芳が三前に送りバントを決めて一死二塁、しかし本堂捕邪飛、藤村投ゴロに倒れる。二順目に入ったジャイアンツは3回、呉、白石、水原と三者三振。

 タイガースは4回、山口右前打、景浦中前打で無死一二塁、しかし松木の投前送りバントはスタルヒンから水原に送られてフォースアウト、田中の三ゴロで松木が二封、岡田の遊ゴロで田中が二封されて無得点。ジャイアンツの4回裏は先頭の中島が中前打を放つが後続なし。タイガースは5回、二死から本堂が四球に歩くも得点無し。

 ジャイアンツは5回裏、この回先頭の吉原の三ゴロをサード伊賀上が一塁に悪送球、スタルヒンが送って一死二塁としてトップに返り呉に代えて代打川上哲治を起用、翌日の読売新聞によると「川上はカーブを右前に安打」して吉原が還り1-0と先制する。これがタイガース山口政信から盗んだと言われるカーブ打ちであったかどうかは不明である。

 ジャイアンツは6回、この回先頭の中島治康が今季初ホームランを放って2-0。更に7回、先頭の吉原が左前打で出塁、一死後平山の右前打で一三塁として西村を退け二番手に御園生崇男がマウンドに上がる。しかし白石が右中間を抜いて吉原が還り3-0、なお一死二三塁から水原の中犠飛で4-0とリードを広げる。

 ジャイアンツは8回、この回先頭の千葉茂が右中間に三塁打、伊藤の中前タイムリーで5-0とする。

 スタルヒンは5回以降は山口、田中、松木の散発3安打に抑え、結局6安打2四球2三振で今季四度目の完封勝利をあげる。

 ジャイアンツはタイガース戦では、全日本選手権を除く公式戦としては昭和12年春季リーグ戦、6月27日タイガース8回戦で澤村栄治が延長12回を3安打完封勝ちして以来約1年ぶりの勝星となった。

13年春 タイガースvs名古屋 3回戦

7月5日 (火) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 2 0 0 2 4 0 0 0 9 タイガース 21勝4敗  0.840 藤村富美男 景浦将
0 0 0 0 0 2 0 0 0 2 名古屋    9勝20敗  0.310 松尾幸造


勝利投手 藤村富美男 4勝1敗
敗戦投手 松尾幸造   3勝8敗
セーブ   景浦将    3


二塁打 (タ)山口、藤村 (名)桝


タイガース、優勝に向けて驀進


 名古屋は第一試合に三連続四球で降板した松尾幸造が先発。当初の予定では第一試合は松尾がリリーフ、第二試合は森井茂の先発だったと思われる。

 タイガースは初回、本堂保次、藤村富美男が連続四球、松尾幸造は2試合で5連続四球となった。山口政信が送って景浦将の三ゴロの間に本堂が還って1-0と先制する。更に2回、又も先頭の伊賀上良平が四球、藤井勇が右前打、一死後岡田宗芳の投ゴロを松尾は二塁に送球するがこれをセカンド鈴木秀雄が失して一死満塁、トップに返り本堂の右犠飛で2-0としてなお一三塁、ダブルスチールを決めて藤井が生還して3-0とする。

 タイガースは5回、この回先頭の藤村のキャッチャーフライをキャッチャー倉本信護がフェアグラウンドで落球して無死一塁、山口の左中間二塁打で藤村が還り4-0、景浦の投ゴロで山口は三進、松木謙治郎がスクイズを決めて5-0とする。続く6回、広田修三中前打、岡田左前打、本堂中前タイムリー、藤村左中間タイガース二塁打で7-0、山口四球、景浦の遊ゴロの間に本堂が還って8-0、松木の右前タイムリーで9-0とする。

 名古屋は6回裏、この回先頭の鈴木が右前打、一死後松尾四球、二死後トップに返り桝嘉一が左中間にタイムリー二塁打、続く石田政良が左前にタイムリーを放ち2-9とするが、7回からリリーフに出た景浦に後続を抑えられてこのままゲームセット。

 桝嘉一は4打数2安打、石田政良は5打数2安打で今季通算3割4分4厘と3割4分3厘で現在首位打者の中島治康3割5分7厘に迫ってきた。

 タイガースはこれで今季21勝4敗となり、第二試合のジャイアンツ戦に勝てばマジック6が点灯する。

13年春 金鯱vs名古屋 5回戦

7月5日 (火) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 4 1 0 1 0 6 金鯱    9勝19敗 0.321 中山正嘉 鈴木鶴雄
0 0 0 0 0 2 4 1 X 7 名古屋 9勝19敗 0.321 西沢道夫 松尾幸造 森井茂


勝利投手 西沢道夫 2勝2敗
敗戦投手 中山正嘉 5勝6敗
セーブ     森井茂   1


二塁打 (金)佐々木、五味


名古屋と金鯱、同率六位で並ぶ


 名古屋先発の西沢道夫は4回まで金鯱打線を2安打無得点に抑える。金鯱は5回、この回先頭の武笠茂男が四球で出塁、八番岡田源三郎監督も四球を選んで無死一二塁、佐々木常助の一塁線送りバントが内野安打となって無死満塁、五味芳夫も三塁に内野安打を放ち1点を先制。江口行男の中犠飛で2-0、瀬井清四球で再度満塁、小林茂太が左前に2点タイムリーを放って4-0とする。

 金鯱は6回、この回先頭の岡野八郎が四球で出塁、武笠が投前に送りバントを決めて一死二塁、岡田源三郎監督が四球を選んで一死一二塁、続く佐々木常助の当たりは右中間に落ちるが様子を見ていた二走武笠のスタートが遅れて8-4-2と転送されて武笠は本塁憤死、岡田は三塁に佐々木は二塁に進んで二死二三塁、ここで決死のダブルスチールを敢行、岡田源三郎監督がホームに滑り込んでセーフ!5-0とする。岡田源三郎は満42歳での盗塁、これは史上初の40歳以上の盗塁として球史にその名を刻むこととなった。しかもこれがホームスチールであった。

 金鯱先発の中山正嘉は5回まで名古屋打線を1安打無得点に抑える。名古屋は6回、一死後石田政良が三前にセーフティバントを決めて一死一塁、二死後白木一二、倉本信護が連続四球を選んで二死満塁、三浦敏一が押出し四球を選んで1-5、パスボールで石田が還り2-5、鈴木秀雄が四球を選んで再び二死満塁、しかし西沢に代わる代打田中実(2014年1月12日追記:読者の方からのご指摘により、間違いであることが判明しております。この回は西沢が打席に立っており、田中実が代打に起用されるのは7回のこととなります。)は三振に倒れる。

 名古屋は7回、村瀬一三、桝嘉一が連続四球、石田の送りバントが又も内野安打となって無死満塁、金鯱は中山をレフトに回して鈴木鶴雄にスイッチするが大沢清が中前に2点タイムリーを放って4-5としてなお一三塁、金鯱は鈴木鶴雄を下げて再び中山をマウンドに送る。白木の遊ゴロをショート岡野が失して5-5の同点、一死後三浦が三前に内野安打して一死満塁、二死後西沢に代わる代打田中実が押出し四球を選んで6-5と逆転に成功する。

 名古屋は満を持して西沢に代えて松尾幸造を二番手に送るが金鯱は8回、この回先頭の中山から岡野、浅井太郎と三連続四球、名古屋は松尾に代えて三番手に森井茂を送る。松尾は何をしに出てきたのか。岡田源三郎監督の投ゴロは1-2-3と渡るゲッツー、ところがこの隙に二走岡野が三塁を蹴ってホームに生還して6-6の同点とする。

 名古屋は8回裏、この回先頭の桝が四球で出塁、石田が送って一死二塁、大沢は右飛に倒れて二死二塁、ここで白木が右前にタイムリーを放って7-6と突き放しそのまま逃げ切り、名古屋は金鯱と同率六位に並んだ。

 西沢道夫は7回まで6安打7四球1三振で今季2勝目。乱調松尾幸造の後に急遽登板した森井茂は現行ルールであれば勝利投手であるが公式記録では西沢に勝利投手が記録され、森井には当ブログルールによるセーブが記録された。





*岡田源三郎監督のホームスチールのシーン。第三打席右端の「O’」が本塁への盗塁を表します。次打者佐々木常助も三塁に盗塁を決めておりダブルスチールとなります。





2011年2月7日月曜日

13年春 第9節 週間MVP

 今節は関東地方が雨で甲子園の試合ばかりが消化され、超変則開催となった。タイガースが2勝0敗、ジャイアンツが1勝0敗、イーグルスが3勝1敗、阪急が3勝2敗、金鯱が1勝1敗、セネタースが2勝3敗、ライオンが1勝5敗、名古屋が1敗であった。


週間MVP

投手部門

 イーグルス 亀田忠 3

 二試合連続完封で2節連続3度目の受賞。イーグルス投手陣はこれで4節連続受賞となった。


打撃部門

 イーグルス 中根之 1

 今節四試合で13打数7安打4得点1打点、二塁打2本、三塁打1本の活躍。イーグルスは中根が出てハリスが還すパターンで接戦を制して勝ち進んでいる。




殊勲賞

 阪急 重松通雄 1

 長らく休んでいたが今季初登板であわやノーヒットノーランの完封勝利、二戦目も亀田と歴史的投手戦を演ずる。


敢闘賞

 ライオン 大友一明 1

 元来二番打者タイプであるが四番に定着して今節6試合で24打数6安打1得点3打点、二塁打2本、三塁打1本。最後の二試合が連続四タコだったのでMVPは逃した。


技能賞

 イーグルス 古川正男 1

 現在生涯最高の出来にある。

 
 ライオン 近藤久 1

 阪急3回戦で強力打線を完封。ナチュラルスクリューが冴えわたる。