0 0 1 0 3 0 0 0 0 4 パ軍 42勝60敗3分 0.412 井筒研一 湯浅芳彰
0 0 3 5 0 0 1 1 X 10 セ軍 46勝58敗 0.442 白木義一郎
勝利投手 白木義一郎 29勝22敗
敗戦投手 井筒研一 13勝18敗
二塁打 (パ)松井 (セ)一言
三塁打 (セ)一言、熊耳
本塁打 (パ)森下重好 6号 (セ)飯島滋弥 12号
勝利打点(セ)大下弘 10
猛打賞 (セ)飯島滋弥 9
飯島12号 月に向かって打つ
最終節5日目の第1試合は雨模様の中、井筒研一と白木義一郎の先発で午後零時40分、桝球審の右手が上がりプレイボール。
パ軍は3回表、先頭の白石敏男の当りは遊ゴロ、これをショート鈴木清一が一塁に悪送球して白石は二塁に進み、木暮力三の三前バントが内野安打となって無死一三塁、藤井勇の中前打で1点を先制する。
セ軍は3回裏、先頭の清水喜一郎が三塁に内野安打、トップに返り鈴木の一ゴロをファースト辻井弘が二塁に悪送球して無死一二塁、一言多十のライト線タイムリー二塁打で1-1の同点、飯島滋弥は四球を選んで無死満塁、大下弘が左前に2点タイムリーを放ち3-1と逆転する。白木のファウルフライはピッチャー井筒がキャッチ、熊耳武彦は四球を選んで一死満塁、長持栄吉の投ゴロで三走飯島は本封、根津弘司は三ゴロに倒れて三者残塁。
セ軍は4回表、先頭の清水は二飛に倒れるが、トップに返り鈴木が四球で出塁、一言が右中間にタイムリー三塁打を放ち4-1、飯島の中前タイムリーで5-1、大下も中前打、白木は左飛に倒れるが、熊耳がレフトに2点タイムリー三塁打を放ち7-1、長持も中前タイムリーで続きこの回5点、8-1と大きくリードする。
セ軍は2イニング連続で打者一巡の猛攻を見せた。
パ軍は5回表、一死後白石がライト線にヒット、二死後藤井が中前打、ここで主砲森下重好がレフトスタンドにスリーランを叩き込んで4-8と反撃する。
5回裏からパ軍のマウンドには二番手として湯浅芳彰が上がった。この試合は1時08分から1時22分まで、雨が強くなったため14分間中断している。当時の試合時間から推測すると、この中断をきっかけに井筒から湯浅に後退したと考えられる。
セ軍は7回裏、先頭の長持はキャッチャーへの守備妨害でアウト、根津は中前打、清水は四球を選んで一死一二塁、トップに返り鈴木がレフト線にタイムリーを放ち9-4と突き放す。
セ軍は8回裏、先頭の飯島がレフトスタンドに第12号ホームランを叩き込んで10-4として試合を決める。
最多勝が確定している白木義一郎は10安打を許したが無四球1三振の完投で29勝目をマークする。
飯島滋弥が今季12本目の本塁打を放った。大下の19本の陰に隠れているが、昭和13年にバッキー・ハリス(春6本、秋5本)と中島治康(春1本、秋10本)が記録した年間11本塁打を上回る新記録である。目の前で大下の革命的バッティングを見続けてきた飯島は、自らも月に向かって打つ打撃術を身に付け、後に大杉に伝授することとなる。
飯島は大下の前の三番を打っているので、凡退又は本塁打を打ったらベンチから、塁に出たら一塁ベース、二塁ベース、三塁ベースから(飯島はここまで二塁打23本、三塁打5本、11盗塁)と、360度の角度から大下のバッティング技術を分析できるという特権を有する立場にあった。主にトップを打ってきた鈴木清一にも同じことが言える。球史では無名に近い鈴木清一が首位打者の金田正泰を抑えて三塁打王に輝いたという事実が、大下が周りに与えた影響力の大きさを物語っているのである。
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