2023年2月19日日曜日

21年 セネタースvs巨人 14回戦

11月2日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 2 0 0 0 0 0 1 4 セ軍 45勝58敗 0.437 白木義一郎
2 0 0 0 4 0 0 0 X 6 巨人 63勝38敗2分 0.624 中尾輝三 近藤貞雄

勝利投手 近藤貞雄     23勝14敗 
敗戦投手 白木義一郎 28勝22敗

二塁打 (セ)大下 (巨)近藤
三塁打 (セ)熊耳、鈴木 (巨)山田
本塁打 (巨)千葉茂 5号、川上哲治 10号

勝利打点(巨)千葉茂 8


千葉の逆転グランドスラムは今季全球団通算200号

 最終節4日目第2試合。昨日巨人が敗れたためグ軍のマジックは「1」となった。もう後がない巨人は明日のグ軍との決戦に藤本英雄を温存して中尾輝三が先発、セ軍は単独最多勝が確定している白木義一郎が先発、午後2日38分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 セ軍は初回、先頭の鈴木清一が四球を選んで出塁、一言多十の「投ゴロは「1-4-3」と渡るが二塁セーフで一塁アウト、エンドランが功を奏して一死二塁、飯島滋弥は右飛に倒れて二死二塁、大下弘がライト線にタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。

 巨人は1回裏、先頭の呉新亨は右飛、山川喜作の捕邪飛をキャッチャー熊耳武彦が好捕、千葉茂の二ゴロをセカンド清水喜一郎がエラー、千葉が二盗を決めると、川上哲治がライトスタンドに第10号ホームランを叩き込んで2-1と逆転に成功する。

 セ軍は2回表、先頭の熊耳が右中間に三塁打、長持栄吉は四球を選んで無死一三塁、ここで長持がスタート、キャッチャー多田文久三が二塁に送球するがセーフ、これを見て三走熊耳がスタートを切るがセカンド千葉からサード山川に送球されて熊耳は三本間に挟まれ「2-4-5-2-6」でタッチアウト、重盗ではないので長持には盗塁が記録された。一死二塁から根津弘司、清水は連続三振。

 セ軍は3回表、先頭の鈴木がストレートの四球で歩くと巨人ベンチは早くも中尾から近藤貞雄にスイッチ、負けられない巨人は早めに手を打ち、一言多十の右前打で鈴木が三塁に走るとライト林清一が三塁にダイレクト送球して鈴木はタッチアウト、一死一塁から飯島の遊ゴロでゲッツーと思われた瞬間、ショート山田潔からの二塁送球が悪送球となって鈴木は三塁からホームに走り、カバーリングしたファースト川上からの本塁送球も大きく悪送球となって鈴木は生還、打者走者の飯島までもホームに還って3-2と逆転する。

 巨人守備陣の乱れからグ軍の戦後復活初年度優勝が見えてきた。

 巨人は4回裏、一死後川上が左前打で出塁、黒沢俊夫のレフトへの当りは大下が好捕、1シーズンを経験して大下の守備も上達した。続く多田文久三のライト線ヒットで二死一三塁、しかし林は中飛に倒れて無得点。

 セ軍は5回表、先頭の大沢喜好は三振、トップに返り鈴木は内野安打、一言は三振、鈴木が二盗を決め、飯島は四球で二死一二塁、打席には復調の兆しが見える大下、しかしここは近藤が踏ん張り大下を三振に抑える。

 巨人は5回裏、先頭の近藤がライト線に二塁打、山田は四球を選び、トップに返り呉新亨のバントが内野安打となって無死満塁、山川は三振に倒れて一死満塁、ここで千葉がライトスタンドに逆転のグランドスラムを叩き込んで6-3とリードする。

 セ軍は9回表、先頭の長持が四球を選んで出塁、二死後鈴木が右中間にタイムリー三塁打を放ち4-6と2点差、一言のヒット性のショートへのゴロを山田がファインプレーで締めてゲームセット。

 鈴木清一の三塁打は今季13本目で、トップの金田正泰と並んだのである。

 巨人は川上と千葉の2本の本塁打、近藤の好投で何とか踏ん張り、明日のグ軍との決戦を迎えることとなった。

 千葉の逆転満塁ホームランは今季全チーム合計200本目の本塁打であった。

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