2022年8月6日土曜日

21年 巨人vsグレートリング 13回戦

10月18日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 2 0 1 0 0 2 5 巨人 56勝32敗2分 0.636 藤本英雄 
0 0 0 0 0 3 0 0 0 3 グ軍 60勝35敗2分 0.632 別所昭

勝利投手 藤本英雄 17勝5敗 
敗戦投手 別所昭    17勝11敗

二塁打 (グ)堀井
三塁打 (巨)川上

勝利打点 なし

猛打賞 (巨)中島治康 6


首位交代

 西宮の第2試合は巨人vsグ軍の首位攻防戦。藤本英雄と別所昭の先発で午後2時8分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 グ軍はサードの河西俊雄が欠場し、二番にはショートの宮崎仁郎が入り、サードには安井鍵太郎を起用。これが試合にどのように影響するかに注目。

 別所は立ち上がりから気合の入った投球で3回まで巨人打線を無安打に抑え込む。

 一方、藤本も2回に堀井に二塁打を許しただけで無失点ピッチング。

 巨人は4回表、一死後山川喜作が中前打で出塁、千葉の二ゴロをセカンド安井亀和がエラー、川上の一ゴロで二者進塁して二死二三塁、黒沢は3球ファウルで粘って四球、二死満塁となって中島治康監督が右前に2点タイムリーを放ち2-0とリードする。

 グ軍は4回裏、一死後金田正泰を抜いて首位打者に立った田川が中前打で出塁、二死後堀井の左前打で一三塁、岡村はストレートの四球で二死満塁、しかし別所は右飛に倒れて無得点。

 巨人は6回表、一死後川上が右中間に三塁打、黒沢の二ゴロを安井亀和がタイムリーエラー、3-0とリードを広げる。

 グ軍は6回裏、一死後田川が二遊間ヒットから二盗に成功、山本監督は四球、堀井も連続四球で一死満塁、岡村が左前にタイムリーを放ち1-3と2点差、別所が左前に同点の2点タイムリーを放ち3-3と追い付く。

 首位攻防戦らしい激戦となってきた。

 巨人は8回表、二死から黒沢、中島の連打で一二塁とするが、勝負強い多田は三振に倒れて無得点。

 グ軍は8回裏、3四球で二死満塁のチャンスを作るが筒井は遊ゴロに倒れて無得点。

 巨人は9回表、先頭の藤本が左前打で出塁、古家武夫が四球を選んで無死一二塁、トップに返り呉新亨の当りはセカンドへのゴロ、二走藤本が三塁をオーバーランするのを見て安井亀和は三塁に送球、藤本は三本間に挟まれ挟殺プレーとなる。この後の展開は画像が残っている訳でもないので不明であるが、スコアカードには「4-5-2-3-1’-3」と記録されており、これだけ見ると三本間の挟殺プレーにファースト山本とピッチャー別所も加わり、最後は別所の悪送球で藤本が生還したように見える。ところが打者走者の呉新亨は一塁に残ったままである。ということは、キャッチャー筒井からファースト山本への送球は、呉新亨が一塁ベースを回りかけたのを見て一塁ベース付近にいた山本に送球し、別所は一二塁間の挟殺プレーに加わり山本への送球が悪送球となって三走藤本が生還したことになる。時間的に見てもファースト山本がホームベースカバーに入ったとは考えずらく、筒井が藤本を追い詰めるのをあきらめて打者走者の呉新亨を刺すためにファースト山本に送球したと考えるのが自然である。

 ということで、4-3と巨人1点リードとなり、一走古家は三塁に進んで無死一三塁、山川の三ゴロをサード安井鍵太郎は何故か二塁に送球して一走呉新亨が二封される間に三走古家が還って5-3とする。

 ここで安井鍵太郎は何故バックホームではなく二塁に送球したのか。三遊間寄りのゴロで体勢的に本塁送球が無理で二塁に送球したのか、試合経験の乏しさから状況を考えずに併殺を狙いにいってしまったのか。河西俊雄がサードであったら結果は違っていたかもしれない。

 藤本英雄はグ軍最終回の反撃を三者凡退に退け、6安打6四球2三振の完投で17勝目をマークする。戦前の荒れ球時代の藤本であれば「6四球」は普通であったが、安定した投球を見せるようになった戦後では「6四球」は多い。首位攻防戦ということで力が入っていたのではないか。

 河西に代わって二番に入った宮崎仁郎は4打数無安打、河西に代わってサードの守備に就いた安井鍵太郎の守りも疑問のあるところであり、矢張り河西の欠場がグ軍には痛かった。河西は翌日も欠場して20日の巨人戦で復帰するので、軽く負傷したのであろう。

 この結果、巨人はゲーム差ではグ軍に0.5ゲーム差の二位であるが、勝率でグ軍を4厘上回ることとなり、首位交代となった。

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