実況のとおり昭和21年ゴ軍vsパ軍11回戦はパ軍が勝利して藤井勇が勝利打点を記録したが、藤井の今季4度目の勝利打点は「4*」という表記になっている。
アスタリスク(*)が付くということは何らかの理由があることを意味する。藤井は昭和21年5月26日のグ軍vsパ軍3回戦で勝利打点を記録したが、この試合は後に没収試合となりグ軍の勝利に変更される。個人記録はそのまま残ることとなったが、勝利投手の真田重蔵の勝利は取り消さた。当時は「勝利打点」は公式記録ではないが、当ブログが認定する藤井の勝利打点も当然取り消すこととなる。正式に5月26日の試合が没収試合と決まった時点で真田の勝利数を「1」減じると共に、藤井の勝利打点も「1」減じることとなるため現時点においてはアスタリスク(*)付きとしている。
野球史におけるアスタリスク(*)としては1961年に61本の本塁打記録を達成したロジャー・マリスの事例が有名である。
ベーブ・ルースの記録「60本」を抜くとはけしからんというのが当時の一般的なアメリカ人の考えであった。マリスの本塁打数がルースの記録に迫るにつれ、ヤンキースタジアムのファンはマリスがホームランを打つたびにブーイングの嵐を浴びせたのである。
154試合制であったベーブ・ルースの60本は162試合制のマリスの61本よりも価値が高いと認定されたため、30年間に亘ってルースの60本が正式記録とされてマリスの61本にはアスタリスク(*)が付されて参考記録扱いであった。マリスの記録が正式に認められたのは30年後の1991年のことである。
映画「61*」は日本ではあまり有名ではないが、ロジャー・マリスが61本の本塁打記録を樹立する過程を克明に描いている傑作である。是非一度ご覧になってみてください。
「61*」は劇場公開された映画ではないが、DVD化はされているので入手は容易である。
0 件のコメント:
コメントを投稿