2020年9月28日月曜日

21年 パシフィックvsセネタース 9回戦

8月3日 (土) 札幌円山

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 0 0 0 1 2 パ軍 20勝35敗2分 0.364 真田重蔵 
0 0 0 3 1 0 0 0 X 4 セ軍 22勝33敗 0.400 白木義一郎

勝利投手 白木義一郎 11勝10敗
敗戦投手 真田重蔵    11勝12敗

二塁打 (パ)森下、木暮 (セ)大下2

勝利打点 (セ)白木義一郎 3

猛打賞 (パ)森下重好 8


札幌遠征

 札幌円山の第1試合は真田重蔵と白木義一郎の先発で午後2時5分、池田球審によるプレイボールのコールが札幌の空に響く。

 セ軍は1回裏、先頭の一言多十はツーボールから1球ストライクを見逃して4球目を中飛、横沢七郎はストレートの四球で一死一塁、飯島滋弥は初球を空振り、二球目を打って二飛に倒れて二死二塁、大下弘は初球ボール、2球目を空振り、3球目はストライクを見逃し、4球目ファウル、5球目を空振り三振でスリーアウトチェンジ。

 この試合のスコアカードは見逃しストライクが「×」、空振りストライクが「×に二重線」となっている。これまでも昭和12年、13年の日本選手権などで「空振り二重線」の記載が見られた。大下の積極的なバッティングがスコアカードからも確認できた。

 パ軍は4回表、先頭の森下重好が右中間に二塁打、中谷順次が中前にタイムリーを放ち1点を先制する。

 セ軍は4回裏、先頭の横沢の当りは遊ゴロ、これをショート白石敏男が一塁に悪送球、飯島の中前打で無死一二塁、このチャンスに大下が初球を叩いて右中間に同点二塁打を放ち1-1、無死二三塁から白木がライト線に2点タイムリーを放ち3-1と逆転する。

 セ軍は5回裏、一死後横沢が中前打で出塁、飯島は三飛に倒れるが、大下が中越えに2打席連続の二塁打を放って二死二三塁、飯島の三ゴロをサード中谷がホームに送球するが横沢の足が早くベースタッチしてセーフ、野選が記録されて4-1とする。二死二三塁からの三ゴロで一塁に送球しなかったということはボテボテの当りで一塁に送球するよりもホームに送球した方がアウトを取れる確率が高いと判断したものであろう。一死であれば記録は野選となるが、二死なので内野安打でも良かったのではないか。2020年のMLBでもダルビッシュの自責点が翌日訂正されてサイ・ヤング賞争いに踏み止まったが、当ブログが公式記録員であったら翌日白木の内野安打に訂正するところです。

 パ軍は9回表、先頭の真田が左前打で出塁、トップに返り富松信彦のバントは犠打となって一死二塁、3点差なので当然自らも生きるつもりのバントだったか、木暮力三がライト線にタイムリー二塁打を放ち2-4、藤井勇は左飛に倒れるが、森下はストレートの四球、同点のランナーではあるがここは敬遠と見るのが妥当か、敬遠四球か普通の四球かの区別は「雑記」欄に記載がない限りスコアカードからは分からない。7回から中谷に代わってサードに入っていた平野徳松に代わる代打佐竹一雄も四球を選んで二死満塁、しかし白木が踏ん張り白石は遊ゴロ、ショート鈴木清一がベースを踏んでゲームセット。

 白木義一郎は9安打6四球1三振の粘りの完投で11勝目をマークする。打っても4打数2安打3打点で勝利打点を記録した。2本の二塁打を放って五番白木の3打点をお膳立てした四番大下が「並列の殊勲打」となる。13残塁を記録したパ軍の拙攻に助けられたが、白木の粘り勝ちと見るのが妥当か。

 プロ野球公式戦が津軽海峡を渡ったのは昭和17年6月以来2度目のこととなる。あの時は岡村俊昭が函館、札幌の北海道シリーズで3試合連続勝利打点を記録した。なお、「札幌円山球場」についてスコアカードの記載は旧字体の「札幌圓山」となっているが、当ブログでは「札幌円山」に統一する。

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