2015年7月11日土曜日

17年 阪急vs朝日 10回戦


8月10日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   1  1 阪急 34勝30敗2分 0.531 森弘太郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0  2X 2 朝日 30勝34敗2分 0.469 林安夫

勝利投手 林安夫    19勝15敗
敗戦投手 森弘太郎 17勝11敗

二塁打 (急)山田、黒田
三塁打 (朝)伊勢川

勝利打点 なし


サヨナラ本盗

 阪急は森弘太郎、朝日は林安夫、両エースの投げ合いは延長まで続いた。

 阪急は9回まで3安打無得点。朝日は9回まで5安打無得点であった。

 阪急は10回、二死後中村栄が右前打、しかし森の一二塁間の当りに中村が接触し守備妨害でスリーアウトチェンジ。

 朝日は10回裏、二死後五味芳夫が三塁内野安打で出塁すると二盗を決めて一打サヨナラのチャンス到来、坪内道則は歩かされて二死一二塁、室脇正信は二ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 阪急は11回、先頭のフランク山田伝がセンター左にヒット、上田藤夫の送りバントはピッチャー林がダッシュよく飛び出し山田を二塁に刺して失敗、一死一塁から黒田健吾が左中間に二塁打を放ち一走上田が一気にホームに還って1-0、遂に均衡が破れる。山下好一の二ゴロで黒田は三進、しかし中島喬は三ゴロに倒れて追加点はならず。

 朝日は11回裏、先頭の鬼頭政一は右飛、浅原直人は三ゴロに倒れて二死無走者、岩田次男が左前打を放って二死一塁、ここで伊勢川真澄が右中間に三塁打を放ち岩田が生還、1-1の同点に追い付き更にサヨナラのチャンス、林は四球を選んで二死一三塁、竹内愛一監督はここで山本秀雄に代えてとっておきの代打・早川平一を起用、早川はツーナッシングと追い込まれるが3球目に林が二盗を決めて二死二三塁、早川が2球ファウルで粘って6球目、三走伊勢川が奇襲のホームスチールを決めて朝日が逆転サヨナラ勝ち。


 林安夫は11回を完投して8安打4四球2三振1失点、19勝目をあげる。林は今季阪急戦に5勝1敗、須田博に次ぐ阪急キラーとなった。


 伊勢川真澄は7月11日の黒鷲戦でも三重盗の三塁ランナーとして本盗を決めている。この時も決勝点であった。竹内愛一監督の奇襲戦法がチームに浸透してきた。




*伊勢川真澄がサヨナラホームスチールを決めた瞬間。



 

2015年7月10日金曜日

17年 大洋vs名古屋 10回戦


8月10日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 大洋    36勝24敗5分 0.600 野口二郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名古屋 24勝42敗2分 0.364石丸進一

勝利投手 野口二郎 24勝11敗
敗戦投手 石丸進一 10勝12敗

二塁打 (大)濃人2

勝利打点 なし

ファインプレー賞 石丸藤吉 1、吉田猪佐喜 3


吉田猪佐喜、好捕と補殺と失策

 大洋は野口二郎、名古屋は石丸進一が先発。野口と石丸の投げ合いは8回まで0対0のまま進んだ。

 大洋は9回、先頭の濃人渉がこの日2本目となる二塁打を左越えに放って無死二塁、野口二郎の遊ゴロで二走濃人が飛び出しかけるが帰塁、ショート木村進一が打球を捕って二塁ベースに駆け込むがセーフ、このプレーに野選が記録されて無死一二塁、野口明の遊ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、続く浅岡三郎の浅い左飛に三走濃人が強引にホームに突っ込む。レフトは4回に補殺を決めている強肩の吉田猪佐喜ということで濃人の走塁は無謀であったが何と吉田からのバックホームが悪送球となって濃人が生還、均衡が破れる。更に一死三塁から村松長太郎が左前にタイムリーを放って大洋は土壇場で2-0とリードする。

 野口二郎は初回に岩本章に左前打、6回に石丸藤吉に三塁内野安打を許したのみ、2安打1四球1死球3三振で今季12度目の完封、24勝目をあげる。


 この試合では7月2日以来となる「美技賞」が記録された。当ブログにおける「美技賞」は、スコアカードの「雑記」欄に「好捕」又は「好守」と記載されているプレーに対して贈呈されます。関西の試合で山内以九士が記録者の場合に記録されているようですが、公式記録ではありませんのでご注意ください。


 名古屋のレフト吉田猪佐喜はライトに入る時も補殺を多く記録する強肩の持主。この試合の4回の守備では一死二三塁から浅岡の左飛で三走濃人がタッチアップからスタートを切ったがバックホームで刺した。9回も同じく一死二三塁、三塁走者濃人の場面で同じく浅岡が左飛を打って濃人がタッチアップからホームに突っ込んだが、今度は吉田の本塁送球が悪送球となって決勝点を献上した。吉田は6回の守備でも濃人の左飛を好捕している。この試合は、吉田猪佐喜と濃人渉の因縁の対決となったのである。


 その濃人は3打数2安打、二塁打2本を記録。この試合の勝利打点は「なし」であったが、「真の殊勲打」は濃人渉であった。





 

2015年7月9日木曜日

17年 阪急vs南海 10回戦


8月9日 (日) 西京極

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 2 1 0 0 2 5 阪急 34勝29敗2分 0.540 笠松実
0 0 0 0 0 2 0 0 0 2 南海 35勝33敗 0.515 神田武夫

勝利投手 笠松実     11勝11敗
敗戦投手 神田武夫 19勝14敗

二塁打 (急)森田、上田、山下好一
三塁打 (南)岩本

勝利打点 黒田健吾 6


被安打16

 神田武夫が阪急打線に16本のヒットを許した

 4回まで南海先発の神田に5安打を浴びせながら無得点の阪急は5回、二死後フランク山田伝が四球を選んで出塁、上田藤夫の右前打で二死一三塁、黒田健吾が左前に先制タイムリーを放って1-0、山下好一も中前にタイムリーを放ち2-0とする。

 阪急は6回、先頭の森田定雄が左前打、レフト猪子利男がファンブルする間に打者走者の森田は二進、池田久之のライト線タイムリーで3-0とする。

 南海は6回裏、一死後岩本義行が左中間に三塁打、国久松一の遊ゴロの間に岩本が生還して1-3、更に岡村俊昭が右前打、ライト中島喬がこの打球を後逸する間に岡村は三塁に進み、中野正雄の左前タイムリーで2-3と詰め寄る。

 阪急は9回、一死後山田が一塁線にバントヒット、上田の左中間二塁打で山田が一気にホームに還って4-2、黒田は遊直に倒れるが、山下好一のレフト線に二塁打で5-2として試合を決める。

 笠松実は6安打3四球2三振の完投で11勝目をあげる。


 翌日の読売新聞によると「阪急は球威のない神田を攻めて」とのことで、神田武夫には球威ががなく、阪急打線に16安打を浴びた。フランク山田伝、上田藤夫、森田定雄が3安打の猛打賞。黒田健吾、山下好一、池田久之も2安打を放ち6人がマルチヒットを記録した。

 南海では好調を持続する柳鶴震が3盗塁を記録した。





 

2015年7月7日火曜日

17年 黒鷲vs名古屋 10回戦


8月9日 (日) 西京極

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 2 0 0 2 黒鷲     15勝44敗6分 0.254 畑福俊英 石原繁三
3 0 0 0 1 0 1 0 X 5 名古屋 24勝41敗2分 0.369 河村章

勝利投手 河村章    6勝13敗
敗戦投手 畑福俊英 2勝8敗

二塁打 (黒)木下

勝利打点 古川清蔵 7

猛打賞 木村孝平 3


黒鷲打線11残塁

 名古屋は初回、石丸藤吉、岩本章が連続四球を選んで無死一二塁、本田親喜は中飛に倒れるが、吉田猪佐喜がストレートの四球を選んで一死満塁、古川清蔵が右前に先制タイムリーを放ち1-0、黒鷲ベンチは早くも先発の畑福俊英を引っ込めて石原繁三をマウンドに送る。飯塚誠の遊ゴロをショート山田潔がエラーして2-0、木村進一の中犠飛で3-0として試合の主導権を握る。

 名古屋は5回、先頭の岩本が左前打、この打球をレフト鈴木秀雄が後逸して打者走者の岩本は三塁に進み、本田は一邪飛に倒れるが、吉田の遊ゴロの間に三走岩本が還って4-0とする。

 黒鷲は6回まで名古屋先発の河村章に7個の四球をもらいながら7残塁で無得点。

 黒鷲は7回、先頭の木村孝平が左前打で出塁、石原は一飛に倒れるが、トップに返り山田が左前打を放ち一死一二塁、杉江文二の三ゴロで山田が二封されて二死一三塁、ここでキャッチャー古川が捕逸を犯して三走木村が還り1-4、玉腰忠義が四球を選んで二死一二塁、木下政文がレフト線に二塁打を放って2-4、富松信彦はツーナッシングと追い込まれながら粘って四球を選び二死満塁と長打が出れば逆転のチャンス、黒鷲ベンチは勝負を賭けて小松原博喜に代えて代打金子裕を打席に送るが金子は敢え無く三振。

 名古屋は7回裏、先頭の石丸藤吉が三塁に内野安打、岩本は左飛に倒れるが、本田が右前打を放って一死一三塁、ここは「打走法」か。更にダブルスチールを決めて石丸藤吉が本盗を記録、5-2と突き放す。


 河村章は6安打9四球の乱調ながら、黒鷲打線の11残塁の拙攻に助けられて完投で6勝目をあげる。2失点ではあったが自責点はゼロであった。


 黒鷲では木村孝平が3打数3安打1四球の猛打賞で一人気を吐いた。


 

17年 第15節 週間MVP



 今節は巨人が2勝0敗2分、阪神が3勝1敗、大洋が2勝1敗1分、阪急が3勝2敗、朝日が2勝2敗、南海が2勝4敗、名古屋が1勝2敗、黒鷲が0勝3敗1分であった。

 夏の盛りに全球団が関西に集結し、西宮、西京極、神戸市民球場で熱戦が繰り広げられた。変則開催ということで、各チームの試合数が大きく異なっている。


週間MVP

投手部門

 大洋 野口二郎 3

 今節2完封をマーク。

 阪神 御園生崇男 1

 今節2勝。御園生は第5節では打撃部門で週間MVPに輝いている。

 巨人 広瀬習一 4

 今節1勝1分。8月2日の大洋戦は延長12回を無失点で引分け、8日の朝日戦は林安夫に投げ勝つ。


打撃部門

 朝日 浅原直人 1

 このところ四番に定着して今節は12打数4安打2得点5打点4四球1盗塁、本塁打1本の活躍を見せる。

 黒鷲 玉腰忠義 1

 今節16打数6安打、二塁打3本。4日の阪急戦では二塁打2本を含む猛打賞の活躍。


殊勲賞

 大洋 三富恒雄 6

 2日の巨人戦は広瀬習一と投げ合い延長12回を無失点引分け。第8節(5/20~5/26)以来、6度目の殊勲賞を獲得。

 阪急 中島喬 1

 4日の黒鷲戦で逆転サヨナラ三塁打。

 名古屋 岩本章 2

 8日の黒鷲戦で決勝スリーラン。


敢闘賞

 朝日 室脇正信 1

 今節11打数4安打の活躍。

 黒鷲 畑福俊英 2

 7 日の巨人戦で延長12回引分け完投。

 南海 柳鶴震 2

 今節の南海は6試合、柳は25打数7安打をマーク。不振の続く南海では一人好調をキープして活躍を見せている。

 阪急 池田久之 1

 今節13打数5安打の活躍。


技能賞

 大洋 野口明 1

 2日の巨人戦で2つの盗塁を阻止して2補殺を記録。

 南海 増田敏 1

 7日の 阪神戦でランニングスリーランホームランを記録する。

 名古屋 本田親喜 1

 今節11打数5安打の活躍。当時の報道によると監督としてチームの不振から精神的に追い詰められていたとのことであったが、山下実と監督を交代して精神的に楽になったようで、プレイヤーとして見違える活躍を見せている。


 

2015年7月6日月曜日

三冠への道 2015 その8




 ア・リーグは当ブログの予想通りプホルスとクリス・セールが受賞。13本塁打と75奪三振の圧倒的数字が順当に評価されました。


 ナ・リーグ投手部門はマックス・シャーザーが5月に続いて2か月連続受賞。もう一度当ブログが予想したジェイコブ・デグロムと比べてみてください。

 シャーザー 3勝2敗 38回3分の2 防御率2.33 WHIP0.62 被打率1割4分5厘 奪三振45

 デグロム  3勝1敗 37回3分の1 防御率1.21 WHIP0.67 被打率1割5分7厘 奪三振37



 防御率以外の数字はシャーザーが奪三振で少し上回っているだけでほとんど変わりませんが、防御率はデグロムがシャーザーの半分です!


 一昨年の2013年、当ブログは5月、6月と圧倒的数字を叩き出したまだアメリカン・リーグのタイガースに所属していたマックス・シャーザーを月間MVPと予想させていただきましたが、明らかに数字に劣るジェイソン・バルガスとバートロ・コロンに阻まれました。この年サイ・ヤング賞を受賞したのがマックス・シャーザーでしたから、当ブログの予想の正当性が証明された訳ですが、何故シャーザーが5月、6月の月間MVPを逃したかについて考察してみると、当時のシャーザーはバーランダーの二番手という位置付けで、投票する記者の脳裏に「シャーザーなんて~」という先入観が刻み込まれていたからだと考えます。


 現在のシャーザーは、2013年にサイ・ヤング賞を受賞したという実績がありますので、数字では明らかにジェイコブ・デグロムに負けているにもかかわらず、「格」を考慮されて受賞したものと考えます。「ノーヒット・ノーランをやったから」の理由は、週間MVPレベルでは正当化されますが、月間MVPの選考では総合的な数字を基本に選出するべきでしょう。


 打撃部門のジャンカルロ・スタントンについては予想でも述べた通り受賞について何ら不思議ではありませんが、途中離脱したためノーラン・アレナドと予想させていただいたものです。スタントンの受賞は、何ら問題が無いと考えます。


 

2015年7月5日日曜日

三冠への道 2015 その7 並んだ~



 個人タイトル争いも佳境に入ってきましたが、アメリカン・リーグ奪三振王争いが熾烈を極めています。


 何と、現在、クリス・アーチャー、コーリー・クルーバー、クリス・セールが141個で3人並びのトップに立っています。4位のカルロス・カラスコが110個ですから如何に3人の争いが激しいかが理解できます。


 投球回数を見るとアーチャーは115回3分の2、クルーバーは118回3分の2、セールが103回3分の1ですから奪三振率も9.00を大きく上回っているハイレベルな争いとなっています。


 アーチャーは9勝5敗、防御率2.18、WHIP0.95、被打率1割9分6厘でサイ・ヤング賞候補No1。クルーバーは昨年のサイ・ヤング賞ですが今季は3勝9敗、防御率3.64、WHIP1.14、被打率2割5分0厘と調子が上がりません。セールは6勝4敗、防御率2.87、WHIP0.97、被打率2割0分6厘、現在8試合連続二桁奪三振を継続中で、次の登板で新記録を狙います。


 アメリカン・リーグ当代随一の奪三振マシントリオの争いから目が離せなくなってきました。