2011年2月13日日曜日

13年春 阪急vsセネタース 5回戦

7月10日 (日) 上井草


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 1 0 0 0 2 阪急          18勝12敗       0.600 重松通雄
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 セネタース 12勝18敗1分 0.400 伊藤次郎 浅岡三郎


勝利投手 重松通雄 2勝0敗
敗戦投手 伊藤次郎 0勝2敗


二塁打 (セ)苅田
三塁打 (阪)西村


ジミー堀尾、4打数3安打2盗塁


 初回に二死満塁のチャンスを逃したセネタースは3回、この回先頭の苅田久徳が右中間に二塁打、一死後尾茂田叶の三ゴロは苅田動けず一二塁、綿貫惣司の右前タイムリーで苅田が還って1点を先制する。

 阪急は5回、二死から西村正夫が右中間に三塁打、フランク山田伝が中前にタイムリーを放って1-1の同点とする。

 阪急は6回、この回先頭のジミー堀尾文人がこの日3本目のヒットを中前に放つとこの日2個目の盗塁を決めて無死二塁、黒田健吾は三邪飛に倒れて、キヨ野上清光四球で一死一二塁、宇野錦次の一ゴロで野上が二封されて二死一三塁、島本義文の遊ゴロをショート磯野政次が一塁に悪送球する間に堀尾が還って2-1と逆転に成功する。

 重松通雄は7安打4四球4三振の完投で今季2勝目をあげる。重松通雄、古川正男の両アンダーハンドが絶好調である。

 阪急の四番を打つジミー堀尾文人が4打数3安打2盗塁の活躍。スピードとパワーを併せ持つという点では当代随一である。スピードとパワーの融合と言えば40本塁打40盗塁、いわゆる40-40となるが、日本で最も近付いたのは1987年西武時代の秋山幸二の43本塁打38盗塁でしたが未だ達成者はいません。井口が日本で続けていれば可能性がありましたが。メジャーではホセ・カンセコ以降、バリー・ボンズ、アレックス・ロドリゲスが到達しましたがいずれも薬の力を借りていたようで、実質的には2006年のアルフォンソ・ソリアーノだけということになります。

 日本ではラビットボールを使用した昭和25年に3人誕生する可能性がありました。この年161打点、143得点、376塁打の現在も残る日本記録を樹立した小鶴誠は51本塁打28盗塁、40-40を意識していればもう少し盗塁が伸びた可能性があります。別当薫は43本塁打34盗塁、こちらは記録を意識してさえいれば間違いなく到達したでしょう。もう一人はこの年38歳の岩本義行39本塁打34盗塁です。

 ジミー堀尾が現代に甦れば、間違いなく40-40候補となっていたでしょう。





*昭和10年アメリカ遠征時のジミー堀尾文人のサイン


13年春 タイガースvsライオン 4回戦

7月10日 (日) 上井草


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 1 0 0 0 0 1 1 4 タイガース 24勝5敗   0.828 御園生崇男
0 0 1 0 0 0 0 0 1 2 ライオン    8勝23敗 0.258 菊矢吉男


勝利投手 御園生崇男 10勝1敗
敗戦投手 菊矢吉男       7勝16敗


二塁打 (ラ)煤孫


タイガース、マジック3


 タイガースは一番本堂保次をファーストに入れて二番にセカンド藤村富美男、松木謙治郎を下げて八番ライトに塚本博睦を入れる。石本秀一監督は何とか塚本を使おうとしている。
 ライオンは二番ショートに山本尚敏を起用、ライオンはショート中野隆雄の守備が最大のネックとなっており、中野隆雄をサードに回して昭和11年以来の試合出場となる山本をショートに配してきた。

 タイガースは初回、二死から山口政信が四球で出塁、すかさず二盗を決めて二死二塁、景浦将の四球は敬遠の可能性が高い。二死一二塁から伊賀上良平が左翼線にタイムリーを放って1点を先制する。2010年12月8日付ブログ「12年秋 講評」において「当ブログからMVPを選出するとすれば山口政信に贈呈したい。」と書きましたが、山口はこれができるからMVPに相応しいと判断した訳です。こうやって1点を拾っていけるのがタイガースの強味な訳です。

 タイガースは3回、この回先頭の本堂が四球で出塁、藤村の右前打で無死一三塁、ここで藤村がディレード気味にスタートを切るとキャッチャー日野弘美はショート山本に送球、本堂がホームを突くが2-6-2と送球されて本堂はタッチアウト、本堂には盗塁失敗が記録される。藤村がセカンドに走り日野が再度ショートに送球するがこれが悪送球となって藤村は三塁に進む。この場面を翌日の読売新聞は「重盗を刺そうとした捕手の二塁悪投」と記しているがこれは正確ではない。本堂は「2-6-2」でアウトとなり盗塁失敗が記録されていることからタイガースの重盗は失敗に終わっているわけで、藤村に対する悪送球はその次のプレーとなる。因みに藤村の二塁進塁にも三塁進塁にも盗塁は記録されていない。ということは二塁進塁は重盗失敗による進塁で、この場合片割れには盗塁は記録されない。三塁進塁はキャッチャー日野の悪送球によるものでこのプレーで日野には失策が記録されている。山口三振後、景浦が左前にタイムリーを放って2-0とする。

 ライオンは3回裏、この回先頭の日野が四球で出塁、菊矢吉男は三振に倒れるがトップに返り坪内道則が中前打、山本左飛後、水谷則一が右前にタイムリーを放って1-2とする。

 前節の変則開催のあおりを受けて今節も変則開催となりライオンは本日が今節初登場で7月3日以来一週間ぶりの試合となり菊矢吉男は休養十分、むしろ肩が軽すぎるかもしれない。タイガースは3~5回は無安打、6回二死から本堂が右前打して二盗を決めるが藤村は中飛に倒れる。ライオンも御園生崇男の前に4~6回まで無安打、7回一死後菊谷が中前打を放つが坪内の二直に飛び出しダブルプレー。因みに当時は公式戦の合間を縫ってオープン戦が頻繁に行われています。本日はジャイアンツvs名古屋のオープン戦が仙台で行われている。名古屋は昨日の第二試合を上井草で行っており、16時10分に試合終了してから西武線で新宿に行き上野に出て恐らく夜行で仙台に向かったのではないか。ジャイアンツは昨日は試合が無かったので一足先に着いていたでしょうが。したがってライオンも休みの間にオープン戦を行っている可能性はありますが。地方ファンの開拓が名目でしょうが、少しでも入場料を稼ぎたいというお家の事情が優先されたのでしょう。現在の好環境に慣れきった選手会であれば「ストライキだー」と騒ぐでしょうが。

 タイガースは8回、一死後景浦が右前打で出塁、景浦の場合豪打ばかりが喧伝されているが、こういう出塁するべき場面では軽打で出塁することが多い。伊賀上左前打、カイザー田中義雄四球で一死満塁、御園生の二ゴロ併殺崩れの間に景浦が還って3-1とする。更に9回、先頭の本堂が四球で出塁、藤村が左前打で続き山口の右飛で本堂が三進、山口はこういう場面で進塁打が打てる。景浦が中犠飛を打ち上げて4-1とリードを広げる。当時は犠牲フライは記録されておらず凡打となるが景浦にも進塁打を打つと言う意識があった訳です。

 ライオンは9回、この回先頭の煤孫伝が左翼線に二塁打、中野のピッチャー強襲ヒットで無死一三塁、日野に代わる代打近藤久の一ゴロで中野は二封、煤孫は動けず一死一三塁、菊谷の投ゴロで二死二三塁、坪内の中前打で煤孫が還って2-4とするが山本は左飛に倒れてゲームセットを告げるサイレンが鳴り響く。

 御園生崇男は8安打5四球6三振の完投で今季10勝目をあげる。菊矢吉男も9回を8安打7四球5三振の完投ながら今季16敗目を喫す。

 タイガースはこれでマジックナンバーを3とする。本日の試合は目立たないがタイガースの強さの秘密が随所に見られた。タイガースを研究する人はこういう試合を研究材料とするべきでしょう。







*タイガース2回の重盗失敗の場面。本堂は2-6-2で盗塁失敗、藤村の二塁進塁は(a)となっており重盗失敗の片割れによる進塁でこの場合は盗塁は記録されません。三塁進塁ははキャッチャーからショートへの送球が高く逸れて悪送球となったことによるもの。2’がキャッチャーのエラー、2-6の-の上に・があるのが高く逸れた送球であることを表しています。

13年春 金鯱vsイーグルス 4回戦

7月10日 (日) 上井草


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11  計
1 0 0 0 0 0 0 4 2  0   0   7 金鯱           11勝21敗       0.344 常川助三郎 鈴木鶴雄 中山正嘉
4 3 0 0 0 0 0 0 0  0  1X  8 イーグルス 18勝12敗1分 0.600 古川正男 亀田忠


勝利投手 古川正男     3勝5敗
敗戦投手 常川助三郎 0勝3敗


二塁打 (イ)寺内、漆原、ハリス


今季最高の激戦


 金鯱はキャッチャー松元三彦が帰ってきた。岡田源三郎監督は采配に専念できる。

 金鯱は初回、先頭の五味芳夫が四球で出塁するとすかさず盗塁、しかしバッキー・ハリスの強肩に阻まれて盗塁失敗。江口行男が左前打、瀬井清も左前打で続いて一死一二塁、小林茂太の一ゴロは3-1と渡るが連係が悪くベースカバーに入った古川正男がエラーして一死満塁、古谷倉之助の遊ゴロ併殺崩れの間に江口が還って1点を先制する。

 イーグルスは1回裏、先頭の寺内一隆が左翼線に二塁打、漆原進が左中間に二塁打を放って1-1の同点。中根之の投ゴロで漆原が三塁に走り常川助三郎が三塁に送球するがこれをサード五味がエラー、バッキー・ハリスが右翼線に二塁打を放ち二者を迎え入れて3-1と逆転、ライトからの返球が悪送球となる間にハリスは三塁に進み無死三塁。中河美芳のピッチャー返しは投直となって一死三塁、中河のこのバッティングが本日のドラマの伏線となりますので覚えておいてください。ここで杉田屋守がスクイズを決めて4-1とする。この回の3本の二塁打は翌日の読売新聞によると全てテキサスリーガーズヒットであったとのこと、常川にとっては不運であったようだ。

 イーグルスは2回、この回先頭の山田潔が四球、辻信夫も四球を選んで無死一二塁、金鯱は常川から鈴木鶴雄に交代、寺内が送って一死二三塁、漆原が中前にタイムリーを放って二者還り6-1、中根の二ゴロで二進した漆原が三盗を決めて二死三塁、ハリスがライト戦にタイムリーを放って7-1とリードを広げる。ここまで漆原とハリスが3打点ずつをあげる。

 鈴木鶴雄はこの後9回に2四球を出して中山正嘉と交代するまでイーグルス打線を無得点に抑え終盤のドラマを演出する立役者となった。

 リードすると生きてくる古川正男の軟投は金鯱打線を寄せ付けず2回~7回まで無安打ピッチング。ところが8回に捕まった。

 金鯱は8回、一死後瀬井清が中前打で出塁、小林茂左前打、古谷左前打で一死満塁、復活松元三彦が左翼線にタイムリーを放って二者還り3-7、イーグルスはここで古川から亀田忠にスイッチ、武笠茂男が右前にタイムリーを放って4-7、鈴木四球で一死満塁、佐々木常助が中犠飛を打ち上げて5-7とする。

 金鯱は9回、この回先頭の江口が中前打からワイルドピッチで二進、瀬井は三振に倒れるが小林茂四球で一死一二塁、ここで決死のダブルスチールを決めて一死二三塁、昨日サヨナラヒットを放った古谷倉之助が又も殊勲の同点2点タイムリーを中前に放って7-7と追い付く。

 イーグルスは9回裏、この回先頭の漆原が四球で出塁、中根の三ゴロでランナーが入れ替わりハリス四球、金鯱はここで好投の鈴木鶴雄から中山正嘉にスイッチ、中河四球で一死満塁、杉田屋の打球は右翼へのフライ、タッチアップから三走中根がスタート、しかしライト小林茂太からの返球が一瞬早くタッチアウトで延長戦に突入。

 金鯱は10回表、一死後佐々木が中前打を放つが五味三ゴロ、江口二ゴロ。イーグルスは10回裏、二死から辻が四球を選ぶが寺内は投ゴロ。金鯱は11回表、先頭の瀬井が四球、小林茂の遊ゴロでランナーが入れ替わり小林茂は二盗を試みるがハリスに阻まれる。直後に古谷が中前打を放つが松元は一ゴロ。

 イーグルスは11回裏、先頭の漆原は遊飛、中根が中前にクリーンヒット、ハリスの遊ゴロで中根は二進、ここで中河美芳が中前にサヨナラタイムリーを放ち激戦に終止符を打つ。中河は第一打席の投直の後は第二打席も投ゴロ、第三、四打席の左飛、二ゴロも気持ちはセンター返しにあったのであろう。第五打席はじっくりと見て四球、第六打席のサヨナラ中前打はWBCのイチローの決勝打のような感じだったのではないか。

 フランクリン・ルーズベルト大統領が「野球は8対7の試合が一番面白い。」と言うのはもう少し後の事ですが、今季最高の激戦と言ってよいでしょう。

 この試合の敗戦投手は2回途中6失点で降板した常川助三郎に記録されている。序盤の失点が大きかったと判断されたのであろうが当時としてもかなり大胆な判断だったと思う。一方、勝利投手は5失点ながら古川正男に記録されている。記録者は2回~7回まで無安打に抑えたピッチングを評価したのであろう。古川の好調なピッチングはネット裏でも話題になっているのではないか。現行ルールであれば勝利投手は亀田忠、敗戦投手は中山正嘉であることは言うまでもない。




*金鯱vsイーグルス4回戦の激戦を伝えるスコアブック











          *金鯱8回、9回の反撃の場面






          *中河美芳のサヨナラヒットの場面







     *勝利投手は古川正男、敗戦投手は常川助三郎に記録されている




2011年2月12日土曜日

13年春 イーグルスvsジャイアンツ 5回戦

7月9日 (土) 上井草


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 イーグルス  17勝12敗1分 0.710 亀田忠
0 0 0 0 1 0 0 1 X 2 ジャイアンツ 22勝9敗     0.586 スタルヒン


勝利投手 スタルヒン 13勝2敗
敗戦投手 亀田忠      12勝6敗


二塁打 (イ)中根 (ジ)スタルヒン
三塁打 (ジ)千葉


スタルヒン、ハーラー争いを制す


 12勝でハーラートップに並ぶ亀田忠vsスタルヒンの対決。

 イーグルスは初回、二番中根之が内野安打で出塁するがバッキー・ハリス右飛、亀田忠遊ゴロ。2回は三者凡退、3回は二死から寺内一隆が中前打、しかし中根は三振に倒れる。4回は三者凡退、5回は一死後野村実が内野安打で出るが山田潔の右飛に飛び出して9-3と渡りゲッツー。

 ジャイアンツは初回、二死から千葉茂が右中間に三塁打、中島治康四球で一三塁、しかし水原茂は捕飛に倒れる。2回は一死後吉原正喜が四球に歩くも無得点、3回は三者凡退、4回は一死後水原が左前打で出塁するが白石敏男二ゴロ、吉原遊直で得点無し。

 ジャイアンツは5回、一死後スタルヒンが中越えに二塁打、トップに返り三原脩の左前打で一三塁、呉波の二ゴロをセカンド野村がエラーする間にスタルヒンが還って1点を先制する。ジャイアンツは8回、この回先頭の千葉が四球で出塁、中島が投前に送りバント、水原の右飛で三進、白石が右前にタイムリーを放って2-0とする。

 イーグルスは6回は三者凡退、7回、先頭のハリスが左前打で出塁するがキャッチャー吉原からの牽制に刺されて無得点、8回も先頭の杉田屋守が右前打で出塁するがゲッツーで得点はならず。

 イーグルスは9回、一死後寺内一隆が四球で出塁、ジャイアンツはレフトを千葉から平山菊二に交代、中根の当たりは平山の頭上を襲い二塁打となり一死二三塁、ハリスの左犠飛で1-2とするが亀田は三飛に倒れてゲームセットを告げるサイレンが鳴り響く。

 スタルヒンは6安打1四球4三振の完投で今季13勝目をあげる。亀田忠は8回を6安打3四球4三振。スタルヒンはハーラートップに立ったが今季は印象度が薄い。むしろ内容的には亀田忠の方がはるかに濃い。

 中島治康はこの日2打数無安打で今季通算127打数43安打打率3割3分9厘で首位打者をキープ。桝嘉一が3割3分、伊藤健太郎が三位に上がり3割2分4厘、中根之が浮上して落ちてきた石田政良と並んで3割2分1厘とここまでが争覇圏内となってきた。

13年春 タイガースvs名古屋 4回戦

7月9日 (土) 上井草


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 3 0 1 1 6 タイガース 23勝5敗   0.821 西村幸生
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名古屋    9勝22敗 0.290 森井茂 繁里栄


勝利投手 西村幸生 9勝3敗
敗戦投手 森井茂     3勝8敗


二塁打 (タ)伊賀上、松木 (名)大沢


西村幸生、投打に活躍


 タイガースは前日3安打の塚本博睦を一番ライトに起用、しかしこの日は二打席連続三振で三打席目に本堂保次を代打に送られた。

 タイガースは5回、この回先頭の西村幸生が左前打で出塁、岡田宗芳の遊ゴロは6-4-3と渡るがセカンドはセーフで一死二塁、塚本に代わる代打本堂の一ゴロをファースト大沢清がエラーして一死一三塁、藤村富美男の左犠飛で1点を先制する。

 タイガースは6回、この回先頭の景浦将が三塁に内野安打、これをサード倉本信護が一塁に悪送球して無死二塁、五番松木謙治郎の左中間タイムリーで2-0とする。松木は盗塁に失敗するが続く伊賀上良平が左中間に二塁打、門前真佐人の三ゴロをサード倉本がエラー、西村が左前にタイムリーを放って3-0、名古屋は先発森井茂から繁里栄にスイッチ、パスボールと岡田四球で一死満塁、本堂の中犠飛で4-0とする。

 タイガースは8回、伊賀上四球、西村左前打から岡田が中前にタイムリーを放って5-0、更に9回、山口政信四球、松木の右翼線二塁打から伊賀上の左前タイムリーで6-0とする。

 西村幸生は7安打3四球2三振で今季3度目の完封勝利、打っても4打数3安打1得点1打点の活躍であった。今季はいまいち調子が出ていないが本日は今季一番の出来と言ってよいのではないか。タイガースはマジックナンバーを4とした。

13年春 阪急vs金鯱 5回戦

7月9日 (土) 上井草


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
2 0 0 0 0 0 0 0 0  0  2  阪急 17勝12敗 0.586 小田野柏
2 0 0 0 0 0 0 0 0 1X 3  金鯱 11勝20敗 0.355 中山正嘉


勝利投手 中山正嘉 7勝6敗
敗戦投手 小田野柏 2勝2敗


二塁打 (阪)黒田、野上、山田 (金)小林茂、瀬井、江口


古谷倉之助、サヨナラ打


 金鯱中山正嘉、阪急小田野柏による見応えのある投げ合いとなった。

 阪急は初回、先頭の西村正夫が四球で出塁、フランク山田伝の遊ゴロをショート瀬井清がエラー、宮武三郎の投ゴロで二走西村は三封、四番ジミー堀尾文人の三ゴロで二死二三塁、黒田健吾が左翼線に二塁打を放って2点を先制する。

 金鯱は1回裏、二死から瀬井清が四球で出塁、小林茂太が右中間に二塁打を放って瀬井が還り1-2、古谷倉之助の投ゴロを小田野がエラーする間に小林茂が還って2-2の同点とする。

 中山正嘉は2回先頭の宇野錦次を四球で歩かせるが島本義文を6-4-3の併殺に打ち取る。3回、4回は三者凡退、5回に3四球を与えて一死満塁とするが山田を捕邪飛、宮武を投ゴロに抑える。6回にキヨ野上清光、7回に山田に二塁打を許すが後続を抑え8回は三者凡退、9回二死から小田野を四球に歩かせるが牽制で刺す。これは小田野の疲れを誘うために歩かせたのではないだろうか。策士岡田源三郎監督が考えそうなものである。

 小田野柏は2回、先頭の岡田源三郎監督を四球で歩かせパスボールで二塁を許すが後続を抑え、3回もエラーと四球で二走者を出すが中山を一ゴロ、武笠茂男を遊ゴロに抑える。4回も先頭の岡田監督を四球で歩かせ佐々木常助の送りバントと五味芳夫の右前打で一死一三塁のピンチを迎えるが五味の盗塁を島本義文が刺して江口行男を二ゴロに打ち取る。5回は三者凡退、6回は二死後岡田監督に中前打と盗塁を許すが佐々木を遊ゴロ、7回も二死から瀬井に二塁打を打たれるが小林茂を投ゴロに抑える。8回、9回は三者凡退で試合は延長戦に突入。

 阪急は10回表、この回先頭の西村が三前にセーフティバントを決めて山田が送りバント、宮武敬遠で一死一二塁、堀尾の遊ゴロで宮武が二封、黒田四球で二死満塁とするが野上は二ゴロに倒れる。

 金鯱は10回裏、この回先頭の江口が右翼線に二塁打、瀬井の投前送りバントは一塁ベースカバーに入ったセカンド宇野がエラー、小林茂敬遠で無死満塁、ここで古谷倉之助が中前にサヨナラヒットを放って金鯱が打っ棄る。

 翌日の読売新聞は「岡田監督大活躍!」の見出しと共に「また本塁に頑張って士気を鼓舞ししかも四球、安打、盗塁などで自ら三度までチャンスを作っていった岡田監督大車輪の奮闘も○し得ぬ勝因であった。」と締めており、岡田源三郎監督の奮闘は社会現象化してきているようだ。

13年春 金鯱vsタイガース 5回戦

7月8日 (金) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 2 0 0 0 3 金鯱      10勝20敗 0.333 常川助三郎 塩田猪年男
0 3 0 1 0 1 0 2 X 7 タイガース 22勝5敗   0.815 釣常雄 御園生崇男


勝利投手 御園生崇男 9勝1敗
敗戦投手 常川助三郎 0勝2敗


二塁打 (金)小林茂 (タ)釣、田中、御園生
本塁打 (金)古谷 1号 (タ)伊賀上 1号


塚本博睦、実力を示す


 ジャイアンツが勝手にこけてマジック点灯後初の試合となるタイガースは釣常雄が先発、六番センターに塚本博睦が初めてスタメンに名を連ねる。

 タイガースは2回、一死後伊賀上良平が左翼スタンドに先制ホームラン。塚本が中前打で出塁するとすかさず二盗に成功、流石は呉港中学時代から俊足で鳴らしただけの事はある。カイザー田中義雄が中前にタイムリーを放って2-0、釣常雄が右翼線に二塁打を放ち無死二三塁、岡田宗芳の遊ゴロに二走釣が当たって守備妨害、三走田中のホームインは認められて3-0とする。

 金鯱は4回、この回先頭の小林茂太が右翼線にヒット、一死後武笠茂男の右翼線ヒットで一三塁、岡田源三郎監督が中犠飛を打ち上げて1-3とする。

 タイガースは4回裏、この回先頭の塚本が二打席連続ヒットを左前に放ち田中の右中間二塁打で無死二三塁、金鯱は常川助三郎から塩田猪年男にスイッチ、一死後岡田死球で満塁、本堂保次の遊ゴロの間に塚本が還って4-1とする。

 金鯱は6回、一死後小林茂太が左中間に二塁打、古谷倉之助が左翼スタンドにツーランホームランを叩き込んで3-4とする。続く武笠は死球、タイガースベンチはここで釣から御園生崇男にスイッチ、岡田源三郎は三振に倒れ、武笠の盗塁を田中が刺してチェンジ。

 タイガースは6回裏、この回先頭の塚本が三席連続ヒットを左翼線に放ち、田中の三ゴロでランナーが入れ替わり、釣の投ゴロでゲッツーかと思われたが塩田からの送球をセカンド江口がエラー、バックアップのセンター佐々木常助からの三塁送球が悪送球となる間に田中が還って5-3とする。更に8回、一死後塚本が四打席連続出塁となる四球を選んでこの日2個目の盗塁に成功、田中左前打で一死一三塁、御園生崇男の左中間二塁打で二者還って7-3としてそのまま逃げ切りマジックを5とする。

 御園生崇男は3回3分の2を無安打1四球5三振の快投、現行ルールでは釣常雄に勝利投手が記録されるがピッチング内容が考慮されて公式記録では御園生に9勝目が記録される。

 初スタメンの塚本博睦が3打数3安打1四球2盗塁3得点と実力を示した。恐らく岡田源三郎監督がマスクを被る時は各チームとも盗塁は控えているようであるが、めったに出番のない塚本にはそんなことは言っておられない。金鯱も五味芳夫が2盗塁、江口、武笠が1盗塁と「脚の金鯱」を見せつけた。翌日の読売新聞は「なお岡田監督大童の奮闘は金鯱軍の士気を鼓舞した点に多大の力があった」と締めており、岡田源三郎監督の奮闘がかなり話題になってきていることがうかがえる




*塚本博睦の活躍を伝えるスコアブック