2025年1月31日金曜日

22年 金星vs中日 3回戦

5月24日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 金星 9勝14敗 0.391 重松通雄 門馬祐 清原初男 
0 0 0 0 0 2 7 0 X 9 中日 16勝5敗 0.762 星田次郎

勝利投手 星田次郎 1勝0敗 
敗戦投手 重松通雄 4勝2敗

二塁打 (中)岩本、古川

勝利打点(中)杉浦清 2


フラナガン神父の始球式

 空には雲も浮かぶが晴天の土曜日、後楽園球場には12,159人の観客が集まった。

 この日はフラナガン神父が来場され、始球式を行った。ダグラス・マッカーサー元帥の招聘により戦災孤児対策に奔走した神父は、現在にも続く「赤い羽根共同募金」を提唱して日本における社会福祉活動を発展させたことで知られている。

 好調重松通雄と今季初登板となる星田次郎の先発で午後1時6分、厳かな雰囲気の中で島球審の右手が上がりプレイボール。

 ルーキーイヤーの昨年は勝ち星が無かった星田は、立ち上がりから快調で7回まで1安打無失点の好投を見せる。

 中日は6回裏、一死後金山次郎が四球を選んで出塁、古川清蔵のレフト線二塁打で一死二三塁、杉浦清監督の三塁へのタイムリーヒットで1点を先制、大沢清の二ゴロの間に三走古川も還って2-0とする。

 中日は7回裏、先頭の三村勲が左前打から二盗に成功、藤原鉄之助は四球、星田の中前タイムリーで3-0、トップに返り岩本章も中前タイムリーを放ち4-0、金山も左前タイムリーで5-0、古川の左前打で無死満塁、金星ベンチはここで重松から門馬祐にスイッチ、しかし杉浦、大沢が連続押出し四球で7-0、金星は三番手として清原初男をマウンドに上げるが、笠石徳五郎に代わる代打小鶴誠も押出し四球で8-0、三村の右犠飛で9-0として試合を決める。

 星田次郎は最後まで快調なピッチングを続け、2安打2四球2三振でプロ入り初勝利を完封で飾る。

 星田は岡崎師範学校を卒業後、国民学校で訓導を務めた教職者でもあった。この日が今季初登板だったが、フラナガン神父の来場に感銘を受けて自ら志願しての登板だったかもしれない。このプロ入り初勝利が、神父に捧げるものであったことは疑う余地もない。



2025年1月30日木曜日

22年 近畿vs阪急 4回戦

5月24日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
3 0 3 1 1 0 0 0 0 8 近畿 14勝8敗 0.636 中谷信夫 丸山二三雄
4 0 0 0 1 1 0 0 0 6 阪急 9勝14敗 0.391 野口二郎 今西錬太郎 天保義夫

勝利投手 丸山二三雄 3勝2敗 
敗戦投手 野口二郎     3勝4敗

二塁打 (近)安井、堀井 (急)野口二郎、日比野2
三塁打 (近)田川 (急)青田

勝利打点(近)坂田清春 1

猛打賞 (近)山本一人 2


近畿、機動攻撃で連敗脱出

 第6節3日目、甲子園の第1試合は中谷信夫と野口二郎の先発で午後1時4分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 近畿は初回、先頭の安井亀和が右越えに二塁打、一死後田川豊の中前打で1点を先制、バックホームの間に打者走者の田川は二塁に進み、山本一人監督の中前タイムリーで2-0、山本もバックホームの間に二塁に進み、飯田徳治の左前タイムリーで3-0とする。鮮やかな機動攻撃であった。

 阪急は1回裏、一死後上田藤夫が右前打で出塁、青田昇が右中間にタイムリー三塁打を放ち1-3、野口明の二ゴロで三走青田がホームに突っ込み、セカンド安井がバックホームするが悪送球、野選とエラーが記録されて2-3、打者走者の野口明は二塁に進み、野口二郎の左越えタイムリー二塁打で3-3の同点、野口二郎がディレードスチール、ピッチャー中谷が三塁に悪送球して4-3と逆転する。

 近畿は3回表、先頭の山本が左前打で出塁、飯田の三ゴロをサード坂井豊司が二塁に悪送球して無死一三塁、堀井数男のレフト線タイムリー二塁打で4-4の同点に追い付き、阪急ベンチは先発の野口二郎をレフトに回して今西錬太郎にスイッチ、坂田清春のファーストフライを野口明が向こう向きでキャッチすると三走飯田がタッチアップからホームに還る好走塁を見せて5-4と再逆転、中谷に代わる代打岡村俊昭は四球を選び、朝井昇も四球で一死満塁、二死後河西俊雄が押出し四球を選んで6-4とする。

 リードを取った近畿は3回から二番手として丸山二三雄をマウンドに送る。

 近畿は4回表、先頭の山本が左前打で出塁、飯田の三ゴロで山本は二進、二死後坂田の左前タイムリーで7-4とする。

 阪急は5回から三番手として天保義夫が登板する。

 近畿は5回表、二死後田川が右越えに三塁打、ライト山田伝からの返球をセカンド上田が落球する間に田川がホームに還って8-4と着々と加点する。

 阪急は5回裏、青田が中前打、センター河西が打球を逸らす間に打者走者の青田は三塁に進み、野口明の左犠飛で5-8とする。

 阪急は6回裏、一死後天保が四球で出塁、日比野武のレフト線タイムリー二塁打で6-8と追い上げるが反撃もここまで。

 近畿は集中打に足を絡める得意の攻撃で連敗を脱した。

 坂田清春のファーストフライで三走飯田徳治がタッチアップから生還した際、坂田に打点が記録されているので勝利打点も坂田に記録された。これが犠牲フライに該当するか否かは、ファースト野口明が捕球した地点で変わる。「犠飛」に該当するのは内野手が外野まで回り込んで捕球した場合であり、スコアカードの記録だけでは判別できない。

 2021年11月10日のヤクルトvs巨人戦、一死一三塁で村上の当りはショート後方への飛球、坂本の捕球体制が悪いと判断した三走塩見がタッチアップからホームインした走塁は「神走塁」として話題になった。この際、村上の記録は「遊飛」であって「犠飛」は記録されなかったが、打点は記録された。坂本の捕球は外野まで回り込んだとは判定されなかったのである。

選手名表記について訂正のお知らせ

「丸山二三雄」の表記が「丸山二三男」になっていましたので訂正しました。

高橋二三男の記事を書いた際に、変換が混乱していたようです。

以後気を付けますので、よろしくお願いいたします。

 

2025年1月28日火曜日

巨人vs阪急 4回戦

5月23日 (金) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 巨人 8勝14敗 0.364 小松原博喜 多田文久三 
0 2 1 0 0 0 0 0 X 3 阪急 9勝13敗 0.409 今西錬太郎

勝利投手 今西錬太郎 4勝3敗 
敗戦投手 小松原博喜 3勝3敗

三塁打 (急)山田

勝利打点(急)山田伝 1

猛打賞 (巨)内堀保 2


巨人キラー誕生

 甲子園の第2試合は小松原博喜と今西錬太郎の先発で午後3時30分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 阪急は2回裏、一死後日比野武が左前打で出塁、今西が四球を選んで一死一二塁、山田伝がレフト線に2点タイムリー三塁打を放ち2-0とする。

 阪急は3回裏、先頭の青田昇が左前打で出塁、巨人ベンチはここで先発の小松原から多田文久三にスイッチ、野口明の右前打で無死一三塁、坂井豊司の遊ゴロの間に三走青田が還って3-0とする。

 多田は4回以降阪急打線をノーヒットに抑えたが、巨人の反撃は無かった。

 今西錬太郎は9安打2四球1三振で今季初完封、4勝目をマークする。好調山川を抑えたことが勝因であった。

 ここまで4試合連続猛打賞を記録してきた山川喜作は4打数無安打で記録更新はならなかった。山川の記録はしばらく日本記録として残るが、1954年に西沢道夫が5試合連続猛打賞を記録して山川を抜く。2003年には井口資仁も5試合連続猛打賞を記録して西沢に並ぶこととなる。

 今西はこれで巨人に3連勝、新しい「巨人キラー」が誕生した試合でもあった。

訂正のお知らせ

 5月23日の大阪vs近畿戦における近畿の投手表記が抜けていましたので訂正します。

 この試合では大阪の5投手継投に対して近畿は別所昭が11失点ながら148球で完投しました。 


2025年1月27日月曜日

22年 太陽vs中日 4回戦

5月23日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 太陽 9勝12敗 0.429 真田重蔵 
0 0 2 0 0 0 0 0 X 2 中日 15勝5敗 0.750 藤本英雄

勝利投手 藤本英雄 8勝2敗 
敗戦投手 真田重蔵 4勝4敗

本塁打 (中)藤本英雄 1号

勝利打点(中)藤本英雄 1


野球は一人でもできる

 後楽園の第2試合は真田重蔵と藤本英雄の先発で午後3時10分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 中日先発の藤本は3回までパーフェクトピッチング。

 中日は3回裏、先頭の三村勲が三塁線にヒットで出塁、ここで藤本がレフトスタンドにツーランホームランを叩きこんで2点をリードする。

 藤本は4回以降も安定した投球で太陽打線を無得点に抑え込む。

 太陽は最終回、一死後荒川昇治が三塁線に内野安打、藤井勇の右前打で荒川は三塁に進み、打者走者の藤井も一塁ベースを蹴って二塁に向かうが、ライト笠石徳五郎からの送球にタッチアウト、藤本は続く森下重好を三振に打ち取りシャットアウト勝ち。

 4回にもライトの加藤正二が三塁送球で走者を刺し、7回からライトに入った笠石と共に守りで藤本を助けた。

 藤本英雄は3安打2四球6三振で今季2度目の完封、ハーラートップの別所に並ぶ8勝目をマークする。自ら決勝本塁打を放つ独り舞台であった。

 この日藤本が「野球は一人でもできる」と語ったかは定かではない。

 1973年8月30日、江夏豊は延長11回をノーヒットノーラン、自らのサヨナラホームランで勝負を決めた。この時「野球は一人でもできる」と語ったと伝わるが、実際は記者からの「野球は一人でもできますね」との質問に軽くうなずいたのが記事となって広まったと言われている。

 この日の藤本も加藤正二と笠石徳五郎の好返球に助けられたものであった。矢張り、野球は一人ではできない。

 中日は2位大阪に2ゲーム差を付けて、三強の中から一つ抜け出した。

2025年1月26日日曜日

22年 東急vs金星 3回戦

5月23日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 東急 8勝12敗 0.400 黒尾重明 
0 0 1 0 0 0 0 0 X 1 金星 9勝13敗 0.409 江田孝

勝利投手 江田孝     3勝6敗 
敗戦投手 黒尾重明 1勝3敗

勝利打点(金)酒沢政夫 3


金星投手陣、絶好調

 後楽園の第1試合は黒尾重明と江田孝の先発で午後1時9分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 金星は初回、先頭の坪内道則監督がストレートの四球で出塁、酒沢政夫のライト線ヒットで無死一三塁、清原初男の右飛で三走坪内がタッチアップからホームを狙うがライト長持栄吉からの好返球にタッチアウト。

 東急は2回表、二死後黒尾の当りは遊ゴロ、これをショート酒沢がエラー、続く鈴木圭一郎の遊ゴロも酒沢がエラー、一走黒尾は一塁からホームを突く激走を見せるが、バックアップしたセンター坪内からの返球をカットしたピッチャー江田からの本塁送球にタッチアウト。

 東急は3回表、先頭の苅田久徳監督が四球を選んで出塁、トップに返り一言多十も四球、横沢七郎の三塁線バントが内野安打となって無死満塁、しかし飯島滋弥の投ゴロは「1-2-3」と渡ってダブルプレー、大下弘も中飛に倒れて無得点。

 金星は3回裏、先頭の坪内が三遊間ヒットから二盗に成功、2回に連続エラーした酒沢が汚名挽回の左前タイムリーを放ち1点を先制する。

 東急は毎回走者を出すがホームは遠く零封負け。

 江田孝は8安打3四球3三振の完封で今季3勝目をマークする。

 金星投手陣は5月16日以降、スタルヒン、重松通雄に続いて江田孝が完封勝利をあげた。

2025年1月25日土曜日

22年 大阪vs近畿 3回戦

5月23日 (金) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 6 4 11 大阪 13勝7敗 0.650 梶岡忠義 若林忠志 野崎泰一 渡辺誠太郎 御園生崇男 
1 0 0 0 6 1 0 2 0 10 近畿 13勝8敗 0.619 別所昭

勝利投手 御園生崇男 5勝0敗 
敗戦投手 別所昭        8勝3敗

二塁打 (大)藤村、土井垣 (近)山本2、別所2

勝利打点(大)本堂保次 1

猛打賞 (近)田川豊 2、飯田徳治 3、別所昭(4安打)1


大阪、5投手の継投で大逆転

 第6節2日目、甲子園の第1試合は梶岡忠義と別所昭の先発で午後1時丁度、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は初回、先頭の塚本博睦が三遊間にヒット、金田正泰は四球を選んで無死一二塁、一死後藤村富美男がライト線にタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。

 近畿は1回裏、二死後田川豊が右前打から二盗に成功、山本一人監督が右中間にタイムリー二塁打を放ち1-1の同点とする。

 近畿は5回裏、先頭の安井亀和がストレートの四球で出塁、河西俊雄は二遊間にヒット、田川の中前打で無死満塁、山本の遊ゴロ併殺崩れの間に三走安井が還って2-1と勝越し、飯田徳治の中前タイムリーで3-1、堀井数男も中前打で続いて一死満塁、別所が左中間奥深く走者一掃の3点タイムリー二塁打を放ち6-1、坂田清春の右前打で一死一三塁、朝井昇の左前タイムリーでこの回一挙6点、7-1とリードする。

 近畿は6回裏、先頭の田川の当りは二ゴロ、セカンド本堂が一塁に送球するがファースト金田が落球、山本が左中間に二塁打を放って無死二三塁、飯田の三塁内野安打で無死満塁、堀井の投ゴロは「1-2-3」と渡ってゲッツー、二死二三塁から別所の右前タイムリーで8-1とリードを広げる。

 7点を追う大阪は8回表、先頭の武智修の当りは遊ゴロ、これをショート小林悟楼がエラー、一死後塚本の遊ゴロを小林が二塁に悪送球、金田はストレートの四球で一死満塁、富樫淳の中前タイムリーで2-8、藤村はストレートの押出し四球で3-8、土井垣武も押出し四球を選んで4-8、本堂の右前タイムリーで5-8、野崎泰一の一二塁間のゴロは一走本堂に当たって守備妨害、二死満塁から武智の中前2点タイムリーで7-8と1点差に追い上げる。

 試合は風雲急を告げてきた。

 近畿は8回裏、先頭の田川が右前打から二盗に成功、山本は四球、飯田の右前タイムリーで9-7、飯田は送球の隙を突いて二塁を狙うがライト塚本からの返球をカットしたピッチャー渡辺誠太郎がショート武智に送球してタッチアウト、このプレーの間に一走山本が一気にホームに還って10-7と突き放す。

 大阪は9回表、先頭の呉昌征がストレートの四球で出塁、トップに返り塚本は右前打、渡辺に代わる代打玉置玉一は四球で無死満塁、一死後藤村の中犠飛で8-10、土井垣が右中間に2点タイムリー二塁打を放ち10-10の同点、本堂が右前にタイムリーを放ち11-10と大逆転。

 9回裏を御園生崇男が三者凡退で締めて大阪が乱戦を制す。

 大阪は5投手の継投。現行ルールでは8回終了時に投げていた渡辺誠太郎が勝利投手で御園生崇男がセーブであるが、公式記録では御園生に勝利投手が記録された。

 「雑記」欄には「タイガースの勝利投手、決定困難なるも、御園生を勝利投手とすること一番無難と判断して漸く決定した。」と書かれている。

2025年1月23日木曜日

22年 近畿vs巨人 5回戦

5月22日 (木) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 近畿 13勝7敗 0.650 丸山二三雄 中谷信夫 松川博爾 
2 2 0 0 0 0 0 2 X 6 巨人 8勝13敗 0.381 川崎徳次

勝利投手 川崎徳次     2勝4敗    
敗戦投手 丸山二三雄 2勝2敗

二塁打 (巨)平山、多田
三塁打 (巨)山川

勝利打点(巨)平山菊二 3

猛打賞 (巨)山川喜作 4(4試合連続)


山川喜作、4試合連続猛打賞

 後楽園の第2試合は雨のため5回二死で中止となった。

 甲子園の第2試合は丸山二三雄と川崎徳次の先発で午後3時丁度、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 好調巨人は1回裏、先頭の古家武夫が三塁にヒット、山川喜作は中前打、ワイルドピッチで二者進塁、一死後川上哲治は歩かされて満塁、平山菊二が中前に2点タイムリーを放ち2-0とリードする。

 巨人は2回裏、川崎と呉新亨が連続四球、トップに返り古家が送りバントを決め、山川が中越えに2点タイムリー三塁打を放ち4-0とする。

 近畿は6回表、一死後田川豊が右前打で出塁、二死後飯田徳治は四球を選んで一二塁、堀井数男に代わる代打岡村俊昭が中前にタイムリーを放ち1-4とする。

 巨人は8回裏、一死後黒沢俊夫が四球で出塁、内堀保の遊ゴロをショート朝井昇がエラー、川崎は四球で一死満塁、呉新亨に代わる代打多田文久三がレフト線に2点タイムリー二塁打を放ち6-1として試合を決める。

 川崎徳次は6安打3四球5三振の完投で2勝目をマークする。

 山川喜作の勢いが止まらない。前の試合から6打席連続ヒット、4試合連続猛打賞を記録した。

 昭和21年に金田正泰が3試合連続猛打賞を2度記録したが、山川喜作の記録は新記録となった。昭和13年に中島治康が三冠王に輝いた時も、6試合で28打数20安打を記録したことがあったが連続猛打賞は2試合までだった。

 好調巨人は、最下位には変わりはないが金星、阪急と並んで6位タイに浮上してきた。

2025年1月21日火曜日

22年 金星vs太陽 5回戦

5月22日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 金星 8勝13敗 0.381 三富恒雄 
0 1 1 0 0 0 1 0 X 3 太陽 9勝11敗 0.450 池田善蔵

勝利投手 池田善蔵 3勝2敗 
敗戦投手 三富恒雄 1勝2敗

二塁打 (金)清原 (太)伊勢川、荒川
三塁打 (金)平野
本塁打 (太)藤井勇 1号

勝利打点(太)伊勢川真澄 2


平野、伊勢川、藤井の長打で太陽快勝

 後楽園の第1試合は三富恒雄と池田善蔵の先発で午後1時3分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 金星は初回、先頭の坪内道則監督が一塁線にヒット、酒沢政夫の二ゴロが進塁打となって一死二塁、当たっている清原初男が左中間深くタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。

 太陽は2回裏、一死後平野徳松が右中間に三塁打、二死後松井信勝は四球で歩き、トップに返り辻井弘が中前に同点タイムリーを放ち1-1と追い付く。

 太陽は3回裏、一死後森下重好が左前打で出塁、二死後伊勢川真澄がライト線にタイムリー二塁打を放ち2-1と逆転に成功する。

 太陽は7回裏、一死後藤井勇がライトスタンドにホームランを叩き込んで3-1と突き放す。
 池田善蔵は6安打4四球2三振の完投で3勝目をマークする。

 太陽は平野の三塁打をきっかけに同点に追い付き、伊勢川の二塁打で逆転し、、藤井の本塁打で突き放す。3本の長打で効率よく得点を重ねた。

 ルーキーながら開幕投手に抜擢された池田善蔵は、開幕戦で若林忠志に投げ勝ち、金星戦にで2連勝して今季3勝目となった。池田は来季その金星に移籍することになる。池田はプロ野球引退後は母校尾道商業の監督として、エース小川邦和を擁して1964年センバツ準優勝を飾る。決勝で負けた相手は尾崎将司の徳島海南高校であった。

2025年1月20日月曜日

22年 大阪vs阪急 3回戦

5月22日 (木) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 大阪 12勝7敗 0.632 野崎泰一 渡辺誠太郎 
0 0 0 2 1 0 0 3 X 6 阪急 8勝13敗 0.381 野口二郎

勝利投手 野口二郎 3勝3敗 
敗戦投手 野崎泰一 0勝1敗

二塁打 (大)富樫、本堂、土井垣 (急)上田、日比野

勝利打点(急)田中幸男 1


野口二郎、枯れた投球で完投

 第6節初日、甲子園の第1試合は野崎泰一と野口二郎の先発で午後1時丁度、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪先発の野崎は3回まで4四球とコントロールが定まらない。

 阪急は4回裏、先頭の坂井豊司が四球を選んで出塁、続く下社邦男も四球、日比野武が三前に送りバントを決め、山田伝も四球を選んで一死満塁、トップに返り田中幸男が押出し四球を選んで1点を先制、上田藤夫も押出し四球で2-0、大阪はここまで9四球の野崎から渡辺誠太郎にスイッチ、青田昇の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 阪急は5回裏、一死後野口二郎の遊ゴロをショート武智修が一塁に悪送球して野口は二塁に進み、坂井は一塁に内野安打、下社は四球で一死満塁、二死後山田の中前タイムリーで3-0とする。

 阪急は8回裏、先頭の青田が中前打で出塁、野口明の右前打で無死一三塁、野口二郎の中前タイムリーで4-0、坂井の投ゴロで野口二郎が二封されて一死一三塁、下社の三ゴロ併殺崩れの間に三走野口明が還って5-0、日比野武が中越えにタイムリー二塁打を放ち6-0とダメ押す。

 大阪は最終回、二死後土井垣武が中越えに二塁打、塚本博睦の左前タイムリーで1点返すが焼け石に水。

 野口二郎は7安打3四球無三振の完投で3勝目をマークする。戦前とは違って枯れたピッチングであった。

22年 第5節 週間MVP

週刊MVP
投手部門
 中日 藤本英雄 1 2勝1完封。 
打撃部門
 巨人 山川喜作 1 23打数11安打3得点6打点。3試合連続猛打賞。 

殊勲賞
 東急 苅田久徳 1 5月15日の近畿戦で11回裏サヨナラ本塁打。 
 金星 小前博文 1 2試合連続2打点。 
 中日 古川清蔵 1 15打数3安打2本塁打。 

敢闘賞
 阪急 青田昇 1 18打数9安打4得点4打点。 
 巨人 川上哲治 2 20打数8安打5打点。 
 太陽 佐竹一雄 1 20打数8安打。 
 金星 清原初男 2 17打数7安打。 
 東急 長持栄吉 1 17打数7安打。 

技能賞
 金星 内藤幸三 1 19日の太陽戦で円熟の完封勝利。 
 巨人 内堀保 1 19日の阪急戦で3補殺。 
 阪急 重松通雄 1 好調巨人に完封勝利。

2025年1月17日金曜日

22年 東急vs中日 3回戦

5月19日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 東急 8勝11敗 0.421 白木義一郎 
0 0 0 0 0 2 0 2 X 4 中日 14勝5敗 0.737 藤本英雄

勝利投手 藤本英雄    7勝2敗 
敗戦投手 白木義一郎 3勝5敗

二塁打 (東)苅田
三塁打 (東)白木
本塁打 (中)岩本章 1号、古川清蔵 3号

勝利打点(中)岩本章 2


中日、大技小技で首位キープ

 後楽園の第2試合は白木義一郎と藤本英雄の先発で午後3時10分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 序盤は白木と藤本の投げ合いで5回まで両軍無得点。

 中日は6回裏、先頭の岩本章がレフトスタンドに先制ホームラン、一死後古川清蔵もレフトスタンドにホームランを叩き込んで2-0とする。

 中日は8回裏、二死後金山次郎が三前にセーフティバントを決めて出塁、古川の遊ゴロをショート鈴木清一がエラー、小鶴誠に代わる代打大沢清の中前タイムリーで3-0、杉浦清監督も右前にタイムリーを放ち4-0とリードを広げる。

 東急は最終回、先頭の白木が中越えに三塁打、鈴木清一の遊ゴロをショート杉浦がエラーして無死一三塁、トップに返り一言多十の右犠飛で1点返すが反撃もここまで。

 藤本英雄は3安打2四球1死球3三振の完投で7勝目をマーク、ハーラートップの別所を1勝差で追っている。

 中日は大技小技を駆使して三強の争いから一歩抜け出して単独トップをキープ。

 今季ここまでリーグ全体で28本の本塁打が出ているが、中日は6本を占めている。古川清蔵は第3号を放って西沢道夫に並んだ。
 

2025年1月16日木曜日

22年 阪急vs巨人 3回戦

5月19日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 0 1 2 阪急 7勝13敗 0.350 今西錬太郎 
0 0 0 0 2 0 0 1 X 3 巨人 7勝13敗 0.350 中尾輝三

勝利投手 中尾輝三     2勝3敗 
敗戦投手 今西錬太郎 3勝3敗

二塁打 (急)野口明

勝利打点(巨)山川喜作 1

猛打賞 (巨)山川喜作 3


山川喜作、3試合連続猛打賞

 甲子園の第2試合は今西錬太郎と中尾輝三の先発で午後3時丁度、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 阪急は初回、先頭の田中幸男が四球で出塁、上田藤夫の遊ゴロでランナーが入れ替わり、二死後野口明が左中間にタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。

 巨人は5回裏、一死後内堀保が一二塁間にヒット、中尾の左前打で無死一二塁、トップに返り古家武夫の三ゴロをサード坂井豊司がエラー、無死満塁となって当たっている山川喜作が中前に逆転の2点タイムリーを放ち2-1と試合をひっくり返す。続く千葉茂の右飛に二走古家が飛び出しており「9-6」と渡ってダブルプレー。

 巨人は7回裏、先頭の黒沢俊夫が中前打で出塁、内堀は倒れたが、中尾の右前打で一死一三塁、トップに返り古家の浅い中飛で三走黒沢は強引にホームを突くが、センター青田昇からの返球に三本間に挟まれて「8-2-5」でタッチアウト。終盤でもう1点欲しいところなのでこの走塁は勝負に行ったものだが、センターが強肩の青田なので少し強引過ぎたようだ。

 巨人は8回裏、先頭の山川が3試合連続猛打賞となる右前打で出塁すると二盗に成功、千葉の中前打で無死一三塁、川上哲治の二ゴロの間に三走山川が還って待望の追加点をあげる。

 阪急は最終回、一死後上田に代わる代打野口二郎が一塁線にヒット、青田が左前打で続いて一死一二塁、野口明の中前タイムリーで2-3と1点差、一死一二塁から坂井のセンターへのライナーで二走青田は勝負を賭けてスタートを切るが、センター平山菊二がキャッチして「8-6」と送球されてダブルプレーで試合終了。

 中尾輝三は7安打4四球2三振の完投で2勝目をマークする。

 両チーム果敢な走塁が目立った。暴走と好走は紙一重、外野手の補殺が両軍合計3つ見られたので強引な走塁もあったかもしれないが、スコアの結果だけでは判断できない。特に巨人は、これまで消極的な試合が多かったので、積極性が出てきた点は評価でる。

 山川喜作が3試合連続猛打賞を記録。週間MVPの有力候補に躍り出た。

2025年1月14日火曜日

22年 太陽vs金星 4回戦

5月19日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 太陽 8勝11敗 0.421 スタルヒン 
3 0 1 1 0 0 0 0 X 5 金星 8勝12敗 0.4 内藤幸三

勝利投手 内藤幸三     1勝3敗 
敗戦投手 スタルヒン 2勝4敗

二塁打 (太)藤井、伊勢川 (金)坪内、酒沢

勝利打点(金)酒沢政夫 1


内藤幸三、円熟の完封

 甲子園の第1試合はスタルヒンと内藤幸三の先発で午後1時5分、山口球審の右手が上がりプレイボール。

 金星は16日の対戦でスタルヒンに完封負けを喫しているが雪辱なるか。

 金星は初回、先頭の坪内道則監督が右中間に二塁打、ワイルドピッチで坪内は三進、酒沢政夫の二ゴロをセカンド荒川昇治が失する間に坪内が還って1点を先制、酒沢には打点が記録されて、これが勝利打点となった。続く清原初男は左前打、西沢道夫の一ゴロは一塁ベースカバーに入ったピッチャースタルヒンに送球されて「3-1A」の一ゴロ、一死二三塁から小前博文が中前に2点タイムリーを放ち3-0として試合の主導権を握る。

 金星は3回裏、先頭の清原がストレートの四球で歩くが、西沢の三ゴロは「5-4-3」と渡ってダブルプレー、しかしここから小前が三遊間にヒット、大友一明の右前打で二死一三塁、内藤が左前にタイムリーを流し打って4-0とする。

 金星は4回裏、一死後坪内が四球で出塁、酒沢のライト線二塁打で一死二三塁、清原の中犠飛で5-0とリードを広げる。

 金星初回の守備、二死一二塁からダブルスチールを仕掛けられたがキャッチャー辻勇夫が三塁に走った藤井勇を刺してピンチを防いだ。これでリズムに乗った内藤幸三は、2回以降を4安打無失点に抑える。最終回はショート酒沢の連続エラーで無死一二塁のピンチを迎えたが、そこから三者連続飛球アウトに打ち取り、5安打2四球1三振の安定したピッチングで今季初勝利を完封で飾った。

 昭和11年のプロ野球初年度に沢村を抑えて初代奪三振王に輝いた当時の内藤は荒れ球で四球も多かったが、戦後になって円熟味を増し、昨年は自己最多の19勝をマーク。現在がキャリアのピークである。

 金星はスタルヒンに雪辱して3連勝、上を行く東急と太陽に迫ってきた。

 

2025年1月13日月曜日

22年 近畿vs大阪 2回戦

5月19日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 3 0 0 0 0 0 0 4 近畿 13勝6敗 0.684 別所昭 
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 大阪 12勝6敗 0.667 若林忠志

勝利投手 別所昭     8勝2敗 
敗戦投手 若林忠志 3勝3敗

二塁打 (近)山本 (大)富樫、藤村

勝利打点(近)田川豊 2


山本一人、満塁走者一掃二塁打

 第5節最終日、後楽園の第1試合は別所昭と若林忠志の先発で午後1時丁度、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 近畿は初回、先頭の安井亀和が右前打で出塁、河西俊雄の投ゴロの間に安井は二進、田川豊の中前タイムリーで1点を先制する。

 近畿は3回表、一死後安井が四球で出塁、河西の遊ゴロをショート武智修がエラー、田川の投ゴロを若林は二塁に送球するがセーフ、野選が記録されて無死満塁、ここで山本一人監督が中越えに走者一掃の3点タイムリー二塁打を放ち4-0とする。

 この日の別所は素晴らしい投球を見せた。3回までパーフェクトピッチング、5回まで1四球無安打、6回に富樫淳に初ヒットを許すが、8回まで1安打無失点で来た。

 大阪は9回裏、一死後富樫が右越えに二塁打、本堂保次は中前打、富樫は三塁ストップ、送球の間に本堂は二塁に向かうが「8-5-4」と送球されてタッチアウト、二死三塁から藤村富美男のライト線二塁打で1点を返すが反撃もここまで。

 別所昭は最終回は疲れから乱れたが、4安打2四球1失点の完投で8勝目をマークする。

 近畿はこの試合に負けると上位2チームから少し離されるところであったが、別所の好投と山本監督の走者一掃二塁打で快勝した。

2025年1月12日日曜日

22年 太陽vs巨人 3回戦

5月18日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 1 0 0 0 2 4 1  8  太陽 8勝10敗 0.444 湯浅芳彰 池田善蔵 井筒研一 
1 1 0 1 4 6 0 0 X 13 巨人 6勝13敗 0.316 小松原博喜 川崎徳次

勝利投手 小松原博喜 3勝2敗 
敗戦投手 湯浅芳彰    0勝2敗

二塁打 (太)辻井、佐竹、藤井、野田 (巨)平山、千葉、山川
三塁打 (太)荒川、蔵本 (巨)山川

勝利打点(巨)平山菊二 2

猛打賞 (太)藤井勇 3、佐竹一雄 2 (巨)山川喜作(4安打)2、川上哲治(4安打)2、平山菊二 1


巨人、辛くも乱戦を制す

 甲子園の第2試合は湯浅芳彰と小松原博喜の先発で午後3時25分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は初回、二死後千葉茂の当りは二ゴロ、これをセカンド荒川昇治がエラーして乱戦が開始された。川上哲治は中前打、平山菊二がレフト線にタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。

 巨人は2回裏、二死後古家武夫が中前打、山川喜作が三遊間にヒット、千葉が左中間にタイムリー二塁打を放ち2-0とする。ここで太陽は先発の湯浅から池田善蔵にスイッチ。

 太陽は3回表、二死後荒川昇治が中越えに三塁打、藤井勇が三遊間にタイムリーを流し打って1-2とする。

 巨人は4回裏、先頭の古家が四球で出塁、山川の右前打で古谷は三塁に向かうが、ライト辻井からの好返球にタッチアウト、打者走者の山川は二塁に進み、二死後川上の右前タイムリーで3-1とする。

 巨人は5回裏、一死後小松原がストレートの四球で出塁、内堀保も四球、林清光の三ゴロをサード蔵本光夫が二塁に悪送球して二走小松原はホームイン、トップに返り古家は四球で一死満塁、山川喜作も押出し四球を選んで5-1、太陽はここで三番手として井筒研一にスイッチ、二死後川上が中前に2点タイムリーを放ち7-1とリードを広げる。

 巨人は6回裏、先頭の平山菊二が右前打で出塁、黒沢俊夫の右飛に一走平山は飛び出しており「9-3」と渡ってダブルプレー、しかし小松原、内堀の連続遊ゴロをショート松井信勝が連続エラー、林は四球で二死満塁、トップに返り古家が左前に2点タイムリーを放ち9-1、山川喜作も中越えに2点タイムリー三塁打を放ち11-1、千葉は四球、川上のライト線タイムリーで12-1、平山の左前タイムリーで13-1と大量リードする。

 太陽は7回表、二死後荒川が四球で出塁、藤井の右中間二塁打で二死二三塁、森下重好の遊飛をショート古家が落球する間に二者還って3-13とする。

 太陽は8回表、先頭の井筒が右前打で出塁、蔵本が中越えにタイムリー三塁打を放ち4-13、松井の中前タイムリーで5-13、トップに返り辻井が送り、荒川の二飛をセカンド千葉が落球、藤井の中前タイムリーで6-13、森下の左前タイムリーで7-13と追い上げる。

 太陽は9回表、先頭の藤村隆男が左前打で出塁、井筒に代わる代打野田誠二ライト線にタイムリー二塁打を放ち7-13、巨人はここで小松原から川崎徳次にスイッチ、川崎が後続を抑えて辛うじて逃げ切った。

 井筒研一は満塁でリリーフに立ち2点タイムリーを打たれたが自責点は走者を出した池田善蔵に付き、次の回は二死後のエラーの後6失点となったので自責点はゼロ。マウンドに立ってから8点を失ったが自責点はゼロであった。

2025年1月11日土曜日

22年 金星vs阪急 4回戦

5月18日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 金星 7勝12敗 0.368 江田孝 
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 阪急 7勝12敗 0.368 野口二郎

勝利投手 江田孝     2勝6敗 
敗戦投手 野口二郎 2勝3敗

二塁打 (急)日比野
三塁打 (金)小前、坪内

勝利打点(金)小前博文 1 


小前が逆転三塁打

 第5節4日目。東京は25㍉の本降りとなって後楽園の試合は雨天中止。

 甲子園の第1試合は江田孝と野口二郎の先発で午後1時28分、山口球審の右手が上がりプレイボール。

 山口茂次審判員は今季審判デビューして、この試合で初めて球審を務めることになった。宝塚運動協会でプレーした元プロ野球選手である。

 阪急は初回、先頭の田中幸男が二遊間にヒット、上田藤夫の二ゴロでランナーが入れ替わり、青田昇は右前打、野口明の三ゴロをサード清原初男が失して一死満塁、野口二郎の左犠飛で1点を先制する。

 金星は4回表、先頭の酒沢政夫の当りは遊ゴロ、これをショート田中幸男がエラー、清原は三塁に内野安打、しかし酒沢は二塁をオーバーランしてタッチアウト、西沢道夫の左前打で一死一二塁、ここで小前博文が中越えに2点タイムリー三塁打を放ち2-1と試合をひっくり返す。

 江田孝は8回、9回と二人の走者を出すが粘りのピッチングを見せて7安打3四球1三振で完投、2勝目をマークする。

 この試合の結果、金星と阪急が同率6位に並んだ。

2025年1月9日木曜日

22年 中日vs大阪 3回戦

5月17日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 2 1 0 0 4 中日 13勝5敗 0.722 松尾幸造 服部受弘 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大阪 12勝5敗 0.706 梶岡忠義

勝利投手 服部受弘 5勝0敗 
敗戦投手 梶岡忠義 4勝2敗

二塁打 (中)松尾、古川
本塁打 (中)三村勲 1号

勝利打点(中)松尾幸造 1


松尾-服部の完封リレーで中日首位に立つ

 後楽園の第2試合は松尾幸造と梶岡忠義の先発で午後3時24分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は初回、2本のヒットで1死一二塁のチャンスを作るが、藤村富美男の二ゴロが「4-6-3」と渡ってダブルプレー。

 大阪は2回裏、四球とヒットで無死一二塁とするが、玉置玉一の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 大阪は3回裏、先頭の呉昌征がストレートの四球で出塁、塚本博睦の初球に呉がスタート、しかし塚本の打球はレフトライナーとなって呉は戻れず「7-4-3」と渡ってダブルプレー。

 中日は5回表、一死後三村勲が3球ファウルで粘って四球を選び、二死後松尾が左中間にタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。

 リードを取った中日は5回から松尾に代えて服部受弘をマウンドに送る。

 中日は6回表、二死後古川清蔵がレフト線に二塁打、小鶴誠は四球で歩き、杉浦清監督の遊ゴロをショート武智修が二塁に悪送球する間に二走古川が還って2-0、二死一三塁となってダブルスチールを決め3-0とする。

 中日は7回表、先頭の三村がライトスタンドにホームランを叩き込んでダメ押しとも言える4点目。

 中日は松尾と服部の完封リレーで大阪に快勝、首位に立った。

 大阪は実況のとおり、初回からの3連続併殺で流れをつかめなかった。

 松尾幸造は無失点ながら4回で降板したため勝利投手を服部受弘に譲った。松尾は今季0勝のまま球界を引退することになる。プロ最後の勝利を惜しくも逃したのである。

2025年1月8日水曜日

22年 阪急vs太陽 2回戦

5月17日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 7勝11敗 0.389 森弘太郎 天保義夫 
0 1 1 2 3 0 0 0 X 7 太陽 8勝9敗 0.471 真田重蔵

勝利投手 真田重蔵 4勝3敗 
敗戦投手 森弘太郎 1勝2敗

三塁打 (太)真田、佐竹

勝利打点(太)松井信勝 1

猛打賞 (太)佐竹一雄 1


真田が今季初完封

 甲子園の第2試合は森弘太郎と真田重蔵の先発で午後2時47分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 太陽は2回裏、先頭の佐竹一雄が中前打で出塁、伊勢川真澄の二ゴロをセカンド上田藤夫が二塁に送球するが悪送球、蔵本光夫の遊ゴロで佐竹は三進、松井信勝の左前タイムリーで1点を先制する。

 太陽は3回裏、先頭の荒川昇治が一塁線に内野安打、ファースト森田定雄の送球ミスが加わり荒川は二進、藤井勇の中前打で無死一三塁、ここでダブルスチールを決めて2-0とする。

 太陽は4回裏、先頭の真田が中前打で出塁、蔵本も三塁にヒット、松井の遊ゴロで蔵本が二封されて一死一三塁、トップに返り辻井弘の右前タイムリーで3-0、阪急ベンチはここで先発の森から天保義夫にスイッチ、荒川が左前にタイムリーを放ち4-0とする。

 太陽は5回裏、一死後佐竹が中前打で出塁、伊勢川の右前打で一死一三塁、真田が右中間に2点タイムリー三塁打を放ち6-0、蔵本の左前タイムリーで7-0として試合を決める。

 真田重蔵は8安打3四球2三振で今季初完封、4勝目をマークする。

 太陽は打線がつながって快勝。5割まであと1勝となった。

 野口明は今季ここまで11試合で先発マスクを被ってきたが、戦争で肩を痛めており、この試合では4回途中でファーストに回るまでに5盗塁を許した。詳細は、当ブログが資料提供で制作に参加したNHKドラマ「1942年のプレイボール」に詳しい。野口明は、この後はファーストに定着する。

2025年1月6日月曜日

22年 巨人vs金星 3回戦

5月17日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 巨人 5勝13敗 0.278 諏訪裕良 
0 0 0 2 0 0 0 1 X 3 金星 6勝12敗 0.333 重松通雄

勝利投手 重松通雄 4勝1敗 
敗戦投手 諏訪裕良 1勝1敗

二塁打 (巨)川上 (金)清原
三塁打 (金)坪内

勝利打点(金)酒沢政夫 1

猛打賞 (巨)山川喜作 1


ミス連発の巨人、単独最下位に転落

 甲子園の第1試合は諏訪裕良と重松通雄の先発で午後1時7分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は2回表、先頭の川上哲治が左中間に二塁打を放つが、ピッチャー重松からの牽制にタッチアウト。

 巨人は3回表、黒沢俊夫が左前打で出塁するが二盗に失敗。

 巨人は4回表、先頭の古家武夫が二遊間ヒットで出塁するが、ここも重松からの牽制にタッチアウト。そこから山川喜作のヒットと2四球で一死満塁とするが、小松原博喜の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 これだけ拙攻が続けば点が入る訳がない。

 金星は4回裏、先頭の坪内道則監督がセンター左奥に三塁打、酒沢政夫の中前タイムリーで1点を先制、清原初男の右前打で無死一三塁、西沢道夫の中犠飛で2-0とする。

 金星は8回裏、二死後坂本勲が左前打で出塁、トップに返り坪内の左前打で坂本は三塁に進んで二死一三塁、ここで坪内がディレードスチールから一二塁間に挟まれ、キャッチャー内堀保からショート古家に送球、古家はファースト川上に送球、川上からセカンド千葉茂に送球、これを千葉が後ろに逸らす間に三走坂本が生還して3-0とする。

 重松通雄は8安打4四球1三振で今季2度目の完封、4勝目をマークする。

 巨人は走塁ミス、拙攻、挟殺ミスのオンパレードで単独最下位に転落した。

2025年1月5日日曜日

22年 東急vs近畿 3回戦

5月17日 (土) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 1 4 1 0 0 0 7 東急 8勝10敗 0.444 一言多十 白木義一郎 
2 0 0 0 1 0 0 0 0 3 近畿 12勝6敗 0.667 丸山二三雄 松川博爾

勝利投手 一言多十 3勝1敗 
敗戦投手 松川博爾 0勝1敗 
セーブ    白木義一郎 2

二塁打 (東)長持、黒尾 (近)朝井
本塁打 (東)大下弘 2号

勝利打点(東)大下弘 3

猛打賞 (近)安井亀和 2


大下が決勝本塁打

 第5節3日目、後楽園の第1試合は一言多十と丸山二三雄の先発で午後1時3分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 近畿は初回、先頭の安井亀和が三塁線にヒット、河西俊雄の送りバントは犠打野選となって無死一二塁、一死後ダブルスチールを敢行、キャッチャー鈴木圭一郎からの三塁送球が悪送球となって安井が生還し1点を先制、山本一人監督は四球、飯田徳治の左前タイムリーで2-0とする。

 東急は2回表、先頭の大下弘が四球を選んで出塁、長持栄吉のレフト線タイムリー二塁打で1-2とする。

 東急は4回表、一死後大下が右前打で出塁、二死後大下が二盗に成功、鈴木圭一郎は四球を選び、一言の中前タイムリーで2-2の同点に追い付く。

 東急は5回表、一死後横沢七郎が四球を選んで出塁、二死後大下がライトスタンドにツーランを叩き込んで4-2とリード、そこから長持、鈴木、一言が3連続四球で二死満塁、柴田繁雄に代わる代打黒尾重明が右中間に2点タイムリー二塁打を放ち6-2とリードを広げる。

 近畿は5回裏、一死後朝井昇が左中間に二塁打、トップに返り安井のピッチャー強襲ヒットで一死一三塁、河西の三ゴロ併殺崩れの間に三走安井が還って3-6と追い上げる。

 東急は6回表、先頭の鈴木清一がストレートの四球で出塁、横沢の左前打で無死一二塁、飯島滋弥のレフト線タイムリーで7-3と突き放して試合を決める。

 東急は7回から白木義一郎がリリーフして近畿に反撃を許さず、一言多十は3勝目、白木は2セーブ目をマークする。

 大下弘が約2週間ぶりの一発。一昨日は苅田が延長11回サヨナラ本塁打。東急は5割を目前に踏ん張っている。

2025年1月4日土曜日

22年 中日vs近畿 3回戦

5月16日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 中日 12勝5敗 0.706 清水秀雄 
0 0 0 0 0 2 0 0 X 2 近畿 12勝5敗 0.706 別所昭

勝利投手 別所昭     7勝2敗 
敗戦投手 清水秀雄 2勝2敗

二塁打 (中)金山、杉浦
本塁打 (中)古川清蔵 2

勝利打点(近)安井亀和 2


毎日が首位攻防戦

 後楽園の第2試合は清水秀雄と別所昭の先発で午後3時8分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 序盤戦は両チームチャンスの潰し合いであった。

 中日は、初回一死後金山次郎がレフト線に二塁打、2回は先頭の杉浦清監督が右中間に二塁打を放ったが何れも後続なし。その後も5回まで毎回走者を出しながら無得点。

 近畿は、2回は二死一三塁、3回は二死一二塁、4回も二死一二塁、5回も二死一二塁のチャンスを作るがあと一本が出ず無得点。

 中日は6回表、一死後古川清蔵がレフトスタンドにホームランを叩き込んで1点を先制する。

 近畿は6回裏、先頭の堀井数男の当りは三ゴロ、これをサード三村勲がエラー、一死後筒井敬三が三遊間を破ると堀井は三塁に進み、送球の間に打者走者の筒井も二塁に進んで一死二三塁、朝井昇のスクイズバントが内野安打となって1-1の同点、一死一三塁からトップに返り安井亀和のライト線の飛球をライト加藤正二がキャッチすると三走筒井がスタート、加藤からのバックホームを筒井がかい潜って生還、2-1と逆転する。これが決勝点となった。

 加藤の捕球位置はラインを超えていたので決勝右邪犠飛となる。加藤がラインを超えたことに気づかなかったのか、俺の肩なら刺せると判断したかは不明。

 別所昭は4安打2四球5三振の完投で7勝目をマーク、激しいハーラー争いとなっている藤本英雄を振り切り単独ハーラートップに躍り出た。

 この試合の結果、中日と近畿は同率2位に並び、首位大阪を半ゲーム差で追う展開となった。今節の後楽園には上位3球団が集結しており、毎日が首位攻防戦である。

2025年1月2日木曜日

22年 巨人vs阪急 2回戦

5月16日 (金) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 1 0 0 3 0 0 1  5  巨人 5勝12敗 0.294 川崎徳次 宮下信明 
0 0 5 3 0 0 0 3 X 11 阪急 7勝10敗 0.412 今西錬太郎

勝利投手 今西錬太郎 3勝2敗 
敗戦投手 川崎徳次    1勝4敗

二塁打 (巨)川上 (急)青田 2、坂元
三塁打 (巨)多田、内堀 (急)坂元、今西

勝利打点(急)青田昇 3

猛打賞 (巨)千葉茂 2 (急)青田昇 2


阪急、3人が猛打賞

 甲子園の第2試合は川崎徳次と今西錬太郎の先発で午後2時55分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 第1試合が1時間1分で終了したので、通常3時台に始まることが多い第2試合の開始時間は3時前となった。

 巨人は3回表、先頭の呉新亨がストレートの四球で出塁、トップに返り古家武夫は二遊間にヒット、山川喜作の送りバントは一塁への小飛球、一走古家はスタートを切っており、ファースト森田定雄から一塁ベースカバーに入ったセカンド上田藤夫に送球されてダブルプレー、二死二塁となって千葉茂の右前タイムリーで1点を先制する。

 阪急は3回裏、先頭の坂元義一がセンターオーバーの三塁打、今西の中前タイムリーで1-1の同点、トップに返り田中幸男の三ゴロをゲッツー狙いのサード山川が二塁に送球するがセカンド千葉が落球して無死一二塁、上田の一塁線ヒットで無死満塁、ここで青田昇が左中間に走者一掃の3点タイムリー二塁打を放ち4-1と勝越し、一死後坂井豊司が四球で出塁、二死後下社邦男の右前タイムリーで5-1とする。

 阪急は4回裏、先頭の今西が中前打で出塁、巨人ベンチはここで川崎から宮下信明にスイッチ、トップに返り田中は四球、一死後青田の三遊間ヒットで一死満塁、野口明がストレートの押出し四球を選んで6-1、坂井の二ゴロ併殺崩れの間に三走田中が還って7-1、二走青田の三塁オーバーランを見てファースト川上哲治が三塁に送球、タイミングはアウトであったがタッチを焦ったサード山川が後逸する間に青田も還って8-1と大量リードする。

 巨人は6回表、先頭の千葉が左中間にヒット、川上の左越え二塁打で無死二三塁、一死後多田文久三が中越えに2点タイムリー三塁打を放ち3-8、二死後宮下の二ゴロをセカンド安井鍵太郎がエラーする間に三走多田が還って4-8と追い上げる。

 阪急は8回裏、一死後坂元が右空間に二塁打、今西が左中間にタイムリー三塁打を放ち9-4、トップに返り田中は四球、安井の二ゴロの間に三走今西が還って10-4、二死後青田が左中間にタイムリー二塁打を放ち11-4と突き放す。

 巨人は9回表、内堀の三塁打と宮下のタイムリーで1点を返すがここまで。

 今西錬太郎は12安打を浴びたが3四球1三振の完投で3勝目をマークする。

 青田昇が2本のタイムリー二塁打で3安打4打点。八番坂元義一が二塁打と三塁打を含む3安打、九番今西錬太郎も2本のタイムリーを含む3安打。

 巨人は阪急と同じ12安打を放ったが、4併殺でチャンスを潰したことが敗因であった。
 シーズン序盤苦しんでいた阪急は5位タイに浮上。巨人は最下位から抜け出せない。