2023年6月10日土曜日

22年 近畿vs太陽 1回戦

4月20日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 2 0 3 0 0 0 2 2 9 近畿 2勝1敗 丸山二三男
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 太陽 1勝2敗 湯浅芳彰 井筒研一

勝利投手 丸山二三男 1勝0敗 
敗戦投手 湯浅芳彰    0勝1敗

二塁打 (太)平野
三塁打 (近)丸山

勝利打点(近)丸山二三男 1

猛打賞 (近)堀井数男 1、朝井昇 1


盗塁ゼロの近畿機動力野球

 今季最初の日曜日。甲子園には17,240人の観客が詰めかけた。

 第2試合は丸山二三男と湯浅芳彰の先発で午後3時15分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 昨日3イニングで降板した丸山は2試合連続先発となる。

 近畿は2回表、一死後堀井数男が左前打で出塁、丸山がセンター左奥にタイムリー三塁打を放ち1点を先制、二死後朝井昇の左前タイムリーで2-0とする。

 太陽はその裏、先頭の中谷順次が左前打で出塁、二死後平野徳松が右中間にタイムリー二塁打を放ち1-2と追い上げる。しかし三塁を欲張った平野はライト田川豊からの送球を中継したセカンド安井亀和の三塁送球にタッチアウト。

 近畿は4回表、一死後坂田清春が右前打で出塁、朝井の左前打で坂田は三塁に進み、送球の間に打者走者の浅井も二塁を陥れて一死二三塁、トップに返り安井は四球を選んで一死満塁、太陽ベンチは先発の湯浅から井筒研一にスイッチ、続く河西俊雄の当りは三遊間への緩いゴロ、三塁に向かう二走朝井が守備妨害を取られてアウト、ホームに駆け込んだ三走坂田は戻されて二死満塁、田川が右前にタイムリーを放ち3-1、山本一人監督が右前に2点タイムリーを放ち5-1と突き放す。

 近畿は8回表、先頭の坂田が右前打で出塁、朝井が3本目のヒットを中前に放って一二塁、トップに返り安井が四球を選んで無死満塁、河西の三ゴロはサード中谷がベースを踏んで二走朝井は三封、この間に三走坂田がホームに還って6-1、一死一二塁から田川の二ゴロは「6-4-3」と転送されるがショート平野の一塁送球が悪送球となり二走安井がホームに還って7-1とする。

 近畿は9回表、先頭の飯田徳治が左前打で出塁、堀井の中前打で飯田は三塁を狙うがセンター荒川昇治からの三塁送球にタッチアウト、この間に打者走者の堀井は二塁に進み、丸山の左前タイムリーで8-1、送球の間に打者走者の丸山は二塁に進み、坂田に代わる代打筒井敬三の遊ゴロの間に丸山は三進、朝井に代わる代打小林悟楼の打席で伊勢川真澄が捕逸を犯して三走丸山が還り9-1として圧勝する。

 丸山二三男は6安打4四球2三振の完投で今季初勝利をあげて昨日の雪辱を果たす。

 近畿の盗塁数は「ゼロ」であったが、試合経過のとおり常に次の塁を狙う積極的な走塁が随所に見られた。南海ホークス伝統の機動力野球は盗塁数だけで語られるものではないのである。これはスコアカードを追わなければ理解できない。

 昨日デビューした荒川昇治はセカンドに起用されたが、本日は9回の守備から森下重好に代わりセンターに入って補殺を記録した。荒川は内外野をこなすユーティリティープレイヤーからキャッチャーにコンバートされて名捕手と呼ばれることになる。捕手としてのシーズン最多盗塁記録保持者として知られ、昭和25年の松竹水爆打線ではリーグ最多三塁打を記録するなど運動能力に優れたプレイヤーであるが、早くもその片鱗を見せつけた。

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