2023年1月14日土曜日

21年 ゴールドスターvs巨人 15回戦

10月31日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 3 0 0 0 0 0 4 ゴ軍 42勝60敗2分 0.412 内藤幸三
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 巨人 62勝37敗2分 0.626 近藤貞雄 宮下義雄

勝利投手 内藤幸三 19勝25敗 
敗戦投手 近藤貞雄 22勝14敗

勝利打点(ゴ)西沢道夫 6


内藤幸三、一世一代の快投

 最終節2日目、第1試合は内藤幸三と近藤貞雄の先発で午後零時31分、桝球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は残り5試合。グ軍との差は1分1厘で、直接対決も残っているので逆転優勝の目は十分残っており、下位球団相手に取りこぼすことはできない。

 ゴ軍は初回、二死後坪内道則監督が四球で歩くと二盗に成功、西沢道夫の右前タイムリーで1点を先制する。

 巨人は1回裏、先頭の呉新亨は4球ファウルで粘るが三振、山川喜作は左前打、千葉茂はストレートの四球で一死一二塁、しかし主砲川上哲治は三振、好調黒沢俊夫は二ゴロに倒れて同点のチャンスを逸す。

 この初回の攻防がこの試合を決定付けた。

 ゴ軍は4回表、先頭の清原初男が中前打で出塁、一死後早川平一は四球、辻功の三ゴロはサード山川がベースを踏んで二死一二塁、ここで伏兵坂本勲が左前にタイムリーを放ち2-0、トップに返り酒沢政夫も右前にタイムリーを放ち3-0、大友一明もライト線にタイムリーで続きこの回3点、4-0とリードを広げる。巨人ベンチはここでようやく重たい腰を上げ、近藤から宮下義雄にスイッチして後続を抑える。

 宮下は5回以降を無失点に抑える好投を見せる。

 ゴ軍先発の内藤は初回に山川にヒットを許したが、2回以降は無安打ピッチング。4回に黒沢を四球で歩かせただけで9回まで7度の三者凡退という快投を見せる。

 優勝を狙う巨人としては余りにも手痛い敗戦となった。

 内藤幸三は1安打2四球3三振の完璧な投球で今季4度目の完封、19勝目をあげる。

 内藤は昭和11年には沢村栄治を抑えて初代奪三振王に輝いた。当時は球が速いだけのノーコン投手であったが、年齢を重ねて投球技術を磨き、10年後の戦後初年度に一世一代の快投を見せたのである。

 当ブログは昭和12年以降の内藤の全ピッチングを実況中継してきたが、現在が内藤の投手生命で最高の状態にあると確信している。実際に内藤は5月と8月に月間MVPに輝いており、投球内容では最多勝の白木義一郎よりも上である。防御率1位の藤本英雄は中島治康監督との確執から1か月サボタージュしており、当ブログが選ぶ「沢村賞」は内藤幸三である。

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