2022年7月31日日曜日

21年 パシフィックvsゴールドスター 14回戦

10月18日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 1 0 1 0 1 0 4 パ軍 38勝54敗3分 0.413 井筒研一 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ゴ軍 39勝54敗1分 0.419 内藤幸三

勝利投手 井筒研一 13勝17敗 
敗戦投手 内藤幸三 18勝23敗

二塁打 (パ)藤井、森下

勝利打点(パ)森下重好 7


井筒研一、今季6度目の完封勝利

 第26節2日目、西宮の第1試合は井筒研一と内藤幸三の先発で午後零時28分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 パ軍は初回、先頭の白石が四球で出塁、小暮が送りバントを決め、藤井がレフト線に流し打って一死一三塁、森下の遊ゴロ併殺崩れの間に三走白石が還って1点を先制する。

 パ軍は4回表、先頭の藤井が又もレフトに流し打って二塁打、森下は中飛、辻井も左飛に倒れるが、伊勢川の左前タイムリーで1点追加して2-0とする。

 パ軍は6回表、一死後小暮の当りは一ゴロ、これをファースト西沢がエラー、小暮が二盗を決め、藤井は三振に倒れるが、森下が中越えにタイムリー二塁打を放ち3-0、着々と加点する。

 パ軍は8回表、先頭の井筒が三塁線に内野安打、トップに返り白石はストレートの四球で一二塁、小暮の右前打で二走井筒は三塁ベースを蹴ってホームを狙うがライト小前博文からの好返球にタッチアウト、この間に一走白石は三塁に進んで一死一三塁、続く藤井の2球目にダブルスチールを決めて4-0とダメ押す。

 井筒研一は5安打2四球無三振で今季6度目の完封、13勝目をマークする。終盤はランナーを出しながら3つの併殺で切り抜けた。

 パ軍内野陣は「6-4-3」の併殺を3度決めた。ショート白石は目を悪くしてこのところ凡ミスも目に付くが、この日は好守で井筒を助けたのである。

 藤井勇の2本の流し打ちが効果的であった。藤井は鳥取一中時代から沢村キラーとしてならした強打者で糸を引くようなライナーの二塁打が多いが、この日は渋くレフトに打っている。好調サウスポー内藤対策が功を奏した。藤井は昭和11年から33年まで現役を続けて通算1,482安打であるが、戦争がなければ川上と最初の2,000本安打到達を争っていた可能性が高い。

 井筒研一は13勝のうち6勝が完封勝利。戦前は野手としての出場が多く、1940年には主にリリーフで登板して24試合に投げているが未勝利。戦後復活初年度に初勝利をあげて真田に次ぐ二番手投手に成長し、この年から3年連続二桁勝利をマークする。昭和25年の松竹では9勝をあげて二リーグ分裂後のセ・リーグ初代優勝に貢献することとなるが、昭和21年のパシフィックと昭和25年の松竹ではメンバーが大きく入れ替わっていく中で、真田と共にチームに残って戦後復活黎明期の主役の一人である割に知名度が低い。

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