2019年7月11日木曜日

昭和20年 東西対抗 第1戦

11月23日 (金) 神宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計 
1 3 0 0 2 0 2 0 1  9  西軍 0勝1敗 0.000 笠松実 別所昭 丸尾千年次 
3 3 4 1 0 0 2 0 X 13 東軍 1勝0敗 1.000 藤本英雄 白木義一郎 

勝利投手 白木義一郎 1勝0敗
敗戦投手 笠松実        0勝1敗 

二塁打 (グ)鶴岡一人
三塁打 (セ)大下弘
本塁打 (大)藤村冨美男 1号

勝利打点 (セ)大下弘 1

猛打賞 東軍(中)加藤正二(4安打)、(セ)大下弘、(巨)三好主、(セ)白木義一郎


大下弘鮮烈デビュー

 西軍は初回、トップの呉昌征がスリーボールツーストライクから四球を選んで出塁、上田藤夫の三ゴロで呉は二封、藤村冨美男の三ゴロをサード三好主がファンブル、昭和14年以来の出場となる四番鶴岡一人の三塁強襲ヒットで上田が生還して1点を先制、藤村は三進して一死一三塁、野口明の遊ゴロで藤村はホームに突っ込むがタッチアウト、追加得点はならずも藤村の闘志あふれるプレーは健在。

 東軍は1回裏、トップの古川清蔵が左前打で出塁、金山次郎は三邪飛、昭和16年以来の出場となる千葉茂の遊ゴロで古川は二封、加藤正二の三ゴロをサード鶴岡が一塁に大暴投する間に一走千葉が一気に生還して1-1の同点、打者走者の加藤も三塁に進み、大下弘の左前タイムリーで2-1と逆転、楠安夫の三塁線ヒットで大下が生還して3-1、飯島滋弥の遊ゴロをショート上田がエラー、三好も右前打で続いて二死満塁と攻め込むが、藤本英雄は左飛に倒れてスリーアウトチェンジ。


 西軍は2回表、先頭の岡村俊昭が一二塁間を破って出塁、下社邦男は四球、笠松実がスリーボールツーストライクと粘って三塁線にタイムリーを放ち2-3、トップに返り呉は一ゴロに倒れるが、上田が中前に逆転の2点タイムリーを放って4-3と勝ち越す。続く藤村の遊ゴロはショート金山-セカンド千葉-ファースト飯島と転送されて戦後初のダブルプレーが記録された。


 東軍2回裏の攻撃は一番からの好打順、トップの古川は左飛に倒れるが、続く金山が三遊間を破り、千葉が四球を選んでチャンスを広げ、四番加藤は中飛に倒れるが、大下が右翼フェンス直撃の大三塁打を放って5-4と再逆転、楠の中前タイムリーで6-4と加点する。西軍先発の笠松実は続く飯島に四球を与えたところで降板、二番手に別所昭がマウンドに上がり追加点を防ぐ。


 東軍のマウンドには3回から先発の藤本に代わって白木義一郎が上がる。セネタースは早くから練習を積んでおり、練習不足でスタミナに不安の残る藤本から早目のスイッチとなる。東軍の横沢三郎監督は、73年後に流行することとなる「オープナー」として藤本英雄を先発させたのであった。


 西軍は3回表、先頭の鶴岡が二失に生きるが二盗に失敗、野口明は左飛、土井垣武は二ゴロに倒れて3人で攻撃を終える。


 東軍は3回も一番からの好打順、トップの古川が四球を選び、金山が中前打、千葉は四球で無死満塁の大チャンス、加藤が三塁強襲ヒットを放ち三走古川に続いて二走金山も生還し8-4、ここで別所が踏ん張り大下、楠が連続三振、ところがここで戦後初のダブルスチールを決めて二死二三塁、飯島四球で再度満塁、三好の投越え安打で三走千葉が生還、白木も右前にタイムリーを放ち10-4と大量リードする。


 西軍は4回表、先頭の岡村は遊飛、下社は四球を選ぶが、別所は右飛、呉は二ゴロに倒れて無得点。


 東軍は4回裏、先頭の金山が四球を選んで出塁、千葉は一飛に倒れ、加藤の左前打で金山は三塁に進むが加藤は二塁を欲張り挟殺されて二死三塁、大下の一ゴロをファースト野口明が後逸する間に三走金山が還って1点追加、11-4とする。


 西軍は5回表、先頭の上田が右前打で出塁、藤村の中前への当りに突っ込んだセンター古川が転倒、打球はフェンスまで転がり藤村は一気に生還、戦後初の本塁打は「ランニングホームラン」であった。


 この後東軍は大下の2点タイムリーで加点し、追いすがる西軍を振り切った。


*参照「体育週報」
この試合の実況中継はスコアカードを解読したものではなく、「体育週報」の記載を参照したものであり、事実と異なる可能性があります。


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