2021年4月11日日曜日

21年 グレートリングvsパシフィック 11回戦

8月29日 (木) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 グ軍 42勝24敗 0.636 丸山二三雄 櫛田由美彦 松川博爾 
0 0 1 0 1 4 0 0 X 6 パ軍 27勝38敗2分 0.415 真田重蔵

勝利投手 真田重蔵    14勝13敗
敗戦投手 丸山二三雄 15勝10敗

二塁打 (グ)山本 (パ)松井、藤井、真田

勝利打点 (パ)真田重蔵 3

猛打賞 (パ)真田重蔵 1


喜瀬が3四球3得点

 第19節は8月29日から9月2日まで5日間で20試合。いよいよ昭和21年ペナントレースの正念場を迎えた。

 第19節初日、西宮の第1試合は丸山二三雄と真田重蔵の先発で午後1時2分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 首位奪回を狙うグ軍は初回、先頭の河西が四球を選んで出塁、安井の投ゴロでランナーが入れ替わり、、田川は四球で一死一二塁、ここでダブルスチールに成功、キャッチャー伊勢川真澄の三塁送球ミスを誘い安井が生還して1点を先制、山本一人監督のレフト戦タイムリー二塁打でこの回2点を先制する。

 パ軍は1回裏、今季初めてトップに起用された喜瀬正顕が四球を選んで出塁、一死後藤井も四球で一二塁のチャンスを作るが、森下は三ゴロ、木暮は一ゴロに倒れて無得点。

 パ軍は2回裏、先頭の伊勢川が中前打で出塁、松井の投ゴロでランナーが入れ替わり、、松井は二盗に失敗。

 グ軍は3回表、一死後田川が右前打で出塁、山本の左飛の時、エンドランが掛かっていたのか田川が二塁ベース近くまで走っており、捕球したレフト森下が一塁に大遠投するが悪送球、一塁ベースに戻った田川が二塁に向かうが、バックアップしたキャッチャー伊勢川の二塁送球にタッチアウト、記録は「7-2-4」の併殺。

 パ軍は3回裏、一死後喜瀬が左前打で出塁、富松も左前に流し打って一死一二塁、藤井の中前タイムリーで1点返して1-2とする。

 グ軍は4回表、一死後岡村が死球を受けて出塁すると二盗に成功、木村勉は四球で一死一二塁、ここで初回に続いてダブルスチールを敢行するが伊勢川の三塁送球に岡村はタッチアウト。

 パ軍は4回裏、二死後松井が左越えに二塁打放つが、平野徳松は三振に倒れて無得点。

 パ軍は5回裏、先頭の真田が左中間に二塁打、トップに返り喜瀬は四球、富松の投ゴロをピッチャー丸山が三塁に送球して二走真田は三封、藤井が右中間に同点のタイムリー二塁打を放ち2-2と追い付く。

 パ軍は6回裏、一死後松井がストレートの四球で出塁、平野も四球を選んで一死一二塁、真田が左前に勝越しのタイムリーを放ち3-2、トップに返り喜瀬がこの試合3つ目の四球を選んで一死満塁、富松のカウントツーボールワンストライクの所でグ軍は先発の丸山から櫛田由美彦にスイッチ、しかし富松が押出し四球を選んで4-2、ボール先行の場面で櫛田がリリーフしたので与四球は丸山に記録される。藤井は二飛に倒れて二死満塁、主砲森下が左前に2点タイムリーを放ち6-2と突き放す。

 真田重蔵は6安打4四球1死球4三振の完投で14勝目をマークする。三者凡退は1度だけであったが粘りのピッチングを見せた。打っても猛打賞に勝利打点の活躍であった。

 初めてリードオフマンに起用された喜瀬正顕が5打席2打数1安打3四球3得点と役目を果たした。喜瀬がプロに在籍したのは昭和21年だけで歴史に埋没しているが、この日の活躍は歴史に残るものとなった。

 首位を狙うグ軍は痛い星を落とした。2度試みたダブルスチールは1度は成功でもう1度は失敗。暴走と好走は紙一重、グ軍が戦後初年度ペナントレースを制すかどうかは、得意の機動力野球を貫けるかどうかにかかっている。

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