2025年4月1日火曜日

22年 中日vs大阪 5回戦

6月8日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 1 0 0 2 0 1 2 8 中日 22勝8敗 0.733 藤本英雄 
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 大阪 23勝8敗 0.742 若林忠志

勝利投手 藤本英雄 10勝4敗 
敗戦投手 若林忠志 7勝4敗

二塁打 (大)本堂
三塁打 (中)杉浦、藤原、岩本

勝利打点(中)小鶴誠 5

猛打賞 (中)杉浦清 3、藤原鉄之助 1 (大)藤村富美男 4


藤本英雄、雪辱のハーラートップ

 甲子園の第2試合は藤本英雄と若林忠志の先発で午後3時丁度、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 6日の首位攻防戦も藤本と若林の先発で大阪が勝って差を1.5ゲームに広げた。藤本とすれば雪辱なるかが見どころのゲームとなった。

 中日は初回、一死後笠石徳五郎が四球を選んで出塁、古川清蔵の三ゴロの間に笠石は二進、小鶴誠が5球ファウルで粘って中前にタイムリーを放ち1点を先制、杉浦清監督も中越えにタイムリー三塁打を放ち2-0とする。

 中日は3回表、先頭の笠石の当りは二ゴロ、これをセカンド本堂保次がエラー、古川は四球で無死一二塁、小鶴も四球を選んで無死満塁、杉浦は二飛に倒れて一死満塁、加藤正二の投ゴロを若林はホームに送球して三走笠石は本封、キャッチャー土井垣武は併殺を狙って一塁に送球するが悪送球となって二走古川が還って3-0、一走小鶴も三塁ベースを蹴ってホームを狙うが、バックアップしたライト富樫淳からの返球を中継したセカンド本堂の本塁送球にタッチアウト。

 中日は6回表、先頭の杉浦が中前打で出塁、加藤の右前打で無死一二塁、藤本の投ゴロを若林は三塁に送球して二走杉浦は三封、一死一二塁から藤原が中前にタイムリーを放ち4-0、三村勲の右飛で二走藤本はタッチアップから三進、トップに返り金山次郎の三遊間タイムリーで5-0と突き放す。

 大阪は6回裏、先頭の藤村富美男が中前打で出塁、一死後本堂のレフト線タイムリー二塁打で1点返して1-5とする。

 中日は8回表、先頭の藤本が三塁戦にヒット、藤原が中越えにタイムリー三塁打を放ち6-1とする。

 中日は9回表、一死後古川が三塁に内野安打、小鶴の二遊間ヒットで一二塁、二死後7回から守備に入っていた岩本章が左中間に2点タイムリー三塁打を放ち8-1として試合を決める。

 藤本英雄は11安打を許したが1四球3三振の完投で10勝目をマーク、ハーラー単独トップに立つと共に一昨日の雪辱を果たした。

 小鶴誠は今節3個目の勝利打点を記録、5月まで不振を極めていたが完全復活である。

 中日の2回表の攻撃、先頭の藤本が中前打、藤原の右前打で無死一三塁、一死後金山がスクイズを試みるが外されて三走藤本は三本間に挟まれ、その間に一走藤原が三塁に達し、藤本も三塁に追い込まれて三塁ベース上に二人となった。キャッチャー土井垣からの送球を受けたサード藤村は藤本、藤原の順ににタッチ、しかし前の走者である藤本に占有権があるため藤本はセーフで藤原がアウトになる。記録は「2-5-5」で藤村には補殺と刺殺が記録された。

 2010年4月10日の巨人vs阪神戦、巨人は三塁に坂本、二塁に脇谷の一死二三塁の場面で小笠原のゴロで三走坂本が三本間に挟まれ、三塁ベース上に脇谷と坂本という状況になった。キャッチャー城島は坂本、脇谷の順でタッチ、坂本は自分に占有権があることを知らずに先にタッチされてアウトになったと思い込み、ベースを離れたところに城島が再度タッチ、脇谷は先にアウトになっているのでダブルプレーとなった。

 この場合、キャッチャーは占有権のある走者から順にタッチするのがセオリーで、坂本のように自分に占有権があることに気付かず塁を離れることがあるのでダブルプレーを取ることもできる。

 昭和22年6月8日のケースではキャッチャー土井垣からの送球を受けたサード藤村が藤本と藤原にタッチしたが、藤本は自分に占有権があるルールを知っていたためベースを離れず藤原がアウトになったため、土井垣と藤村による挟殺プレーの後に藤村が藤原にタッチしたことになるので、土井垣と藤村に補殺が記録された上に藤村に刺殺が記録されるため、記録上は「2-5-5」となった。スコアの表記だけを見ると藤村から藤村に送球された形になるが、実際は実況中継のとおりである。

*2回表中日の攻撃「2-5-5」の場面。


2025年3月29日土曜日

22年 金星vs太陽 7回戦

6月8日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 2 1 0 0 0 3 金星 13勝19敗 0.406 内藤幸三 
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 太陽 12勝19敗 0.387 藤村隆男

勝利投手 内藤幸三 3勝4敗 
敗戦投手 藤村隆男 0勝1敗

二塁打 (金)坪内、小前 (太)藤井
本塁打 (金)大友一明 2号

勝利打点(金)大友一明 2


大友が又も決勝本塁打

 甲子園の第1試合は内藤幸三と藤村隆男の先発で午後1時6分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 金星は4回表、先頭の坪内道則監督が右中間に二塁打、酒沢政夫が送って一死三塁、清原初男の遊ゴロで三走坪内はホームに向かい、ショート蔵本光夫から本塁に送球されて坪内は三本間に挟まれ挟殺プレー、打者走者の清原が二塁に向かうと、ピッチャー藤村が二塁に送球して「6-2-5-1-4」でタッチアウト、坪内は三塁に戻って二死三塁、西沢道夫は三ゴロに倒れて無得点。

 金星は5回表、先頭の小前博文が四球を選んで出塁、大友一明がレフトスタンドにツーランを叩き込んで2点を先制する。

 金星は6回表、一死後清原が四球で出塁するが二盗に失敗、西沢が左前打で出塁、小前がライト線に二塁打、ライト辻井弘からの返球が悪送球になる間に西沢が一塁から生還して3-0とする。小前に打点は記録されなかった。

 太陽は7回裏、一死後蔵本が三塁に内野安打、藤村の三ゴロをサード清原が一塁に悪送球、一死二三塁からトップに返り荒川昇治の一ゴロで三走蔵本がホームに向かいかけ、ファースト西沢が三塁に送球するが悪送球、蔵本が還って1-3とするが追い上げもここまで。

 内藤幸三は5安打4四球5三振、自責点ゼロの完投で3勝目をマークする。

 大友一明は6月1日の西宮での阪急戦に続いて決勝本塁打を放った。5月26日に甲子園球場にラッキーゾーンが設置されて日比野武が甲子園での戦後初ホームランを放ってから、全体で16本のホームランが出たが、甲子園では半分の8本が記録されている。

2025年3月28日金曜日

22年 東急vs阪急 4回戦

6月8日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  0 東急 11勝17敗 0.393 白木義一郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  0 阪急 12勝19敗 0.387 天保義夫 今西錬太郎

二塁打 (東)飯島 

勝利打点 なし


延長12回0対0

 第8節4日目、後楽園の第1試合は午後1時1分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 東急は初回、一死後横沢七郎が左前打で出塁、飯島滋弥の遊ゴロでランナーが入れ替わり、天保からの牽制球に飯島は戻れず「1-3-6-3」の挟殺プレーでタッチアウト。

 阪急は1回裏、一死後上田藤夫は投ゴロ、白木はキャッチャー鈴木圭一郎にトスして鈴木からファースト飯島に送球されて「1-2-3」でアウト。

 阪急は3回裏、一死後天保の当りは三ゴロ、これをサード横沢が弾き、バックアップしたショート鈴木清一が一塁に悪送球する間に打者走者の天保は二塁に進んだ。このプレーでサード横沢とショート鈴木の2人にエラーが記録された。白木が後続を抑えて無得点。

 東急は4回表、先頭の横沢が四球で出塁、ここも天保の牽制に横沢が飛び出し「1-3-4」と送球されてタッチアウト、直後に飯島がレフト線に二塁打を放つが、天保が後続を抑えて無得点。

 阪急は8回裏、先頭の安井鍵太郎に代わる代打森田定雄が三塁線にヒット、ここで西村正夫監督が代走で登場、しかし白木が後続を抑えて無得点。

 東急は9回表、一死後横沢、飯島が8球連続ボールで連続ストレートの四球、阪急ベンチはここまで好投を続けてきた天保から今西錬太郎にスイッチ、今西が後続を抑えて無得点。

 阪急は9回裏、先頭の上田がライト線にヒットで出塁、しかし上田の二盗をキャッチャー鈴木圭一郎が刺し、白木が後続を抑えて試合は0対0のまま延長戦へ。

 10回、11回と両軍1人ずつ走者を出すが無得点。

 東急は12回表、二死後白木が四球を選んで出塁、鈴木清一の右中間ヒットで二死一三塁とするが、苅田久徳監督は投ゴロに倒れて無得点。

 阪急は12回裏、先頭の野口明の当りは投ゴロ、ここも白木はキャッチャー鈴木圭一郎にトスして鈴木からファースト飯島に送球されて「1-2-3」のアウト、一死後下社邦男に代わる代打野口二郎が中前打、しかし白木が後続を抑えて延長12回両軍無得点、0対0の引分けに終わった。

 白木義一郎はこの試合で投ゴロをキャッチャーにトスするプレーを2回見せた。白木がこのプレーを見せたのは今季7回目であるが、1試合2度は初めてであった。白木がトスしたキャッチャーは熊耳武彦だったと多くの人が誤解しているが、ここまで7回の内、熊耳は3回で、残る4回は鈴木圭一郎である。歴史は正しく認識しましょう。

2025年3月26日水曜日

22年 巨人vs阪急 6回戦

6月7日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 0 0 0 0 0 0 0  0  0 巨人 11勝20敗 0.355 多田文久三 
0 0 0 0 0 0 0 0 4X 4 阪急 12勝19敗 0.387 今西錬太郎 

勝利投手 今西錬太郎 6勝4敗 
敗戦投手 多田文久三 0勝2敗

本塁打 (急)青田昇 3号

勝利打点(急)青田昇 4


青田がサヨナラグランドスラム

 後楽園の第2試合は多田文久三と今西錬太郎の先発で午後3時10分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は当りの出てきた千葉茂が欠場し苦戦が予想された。

 巨人は初回、先頭の呉新亨が右前打で出塁するが後続なく無得点。

 巨人は3回表、先頭の田中資昭が四球を選んで出塁、トップに返り呉新亨が右前打で続いて無死一三塁と先制のチャンス、しかし古家武夫の三ゴロをサード安井鍵太郎が二塁に送球して一走呉は二封、三走田中は動かず一死一三塁、千葉に代わって三番に入った小松原博喜の投ゴロで今西はゲッツーを狙って二塁に送球、呉は二封されてセカンド上田藤夫は一塁に転送せず本塁に送球して三走田中がタッチアウト、「1-4-2」の」併殺となった。上田は一塁転送で併殺崩れからの1失点というリスクを取るより、ホームに向かってゆっくり走っていた三走田中の方が刺せると判断したのであろう。ベテラン上田らしい好判断だった。

 巨人は7回表、先頭の平山菊二が三塁線にヒット、多田の右前打で無死一二塁、しかしここも後続なく無得点。

 本格的に投手転向2戦目の多田は好投を続け、8回までピンチらしいピンチも無く無失点。

 阪急は9回裏、先頭の山田伝が四球を選んで出塁、トップに返り田中幸男の送りバントはピッチャー正面で多田は二塁に送球、しかし千葉に代わってセカンドに入っていた古家が落球、上田の三塁線バントも内野安打となって無死満塁、ここで青田昇がワンボールからの2球目をレフトスタンドにサヨナラ満塁ホームラン。

 今西錬太郎は5安打3四球3三振、今季2度目の完封で6勝目をマークする。今西は6勝中5勝が巨人戦、2度目の完封も何れも巨人からである。

 巨人は攻守に亘って千葉の欠場が響いた。

 多田文久三は2度目の先発で好投、6月1日の大阪戦は延長12回サヨナラ負け、この日も青田の一発で2戦連続サヨナラ負けとなった。

2025年3月25日火曜日

22年 太陽vs中日 5回戦

6月7日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 2 0 0 0 0 0 3 太陽 12勝18敗 0.400 真田重蔵
0 0 1 0 0 1 2 2 X 6 中日 21勝8敗 0.724 松尾幸造 服部受弘

勝利投手 服部受弘 7勝0敗 
敗戦投手 真田重蔵 5勝6敗

三塁打 (太)荒川
本塁打 (中)金山次郎 1号

勝利打点(中)小鶴誠 4


小鶴誠、完全復活

 甲子園の第2試合は真田重蔵と松尾幸造の先発で午後2時50分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 太陽は初回、先頭の荒川昇治が右中間に三塁打、一死後中谷順次の遊ゴロで三走荒川がホームを突き、ショート杉浦清監督は本塁に送球するがセーフ、野選が記録されて1点を先制する。

 中日は3回裏、先頭の金山次郎のセンターへのライナーが右中間に抜けて行き、そのままホームに還ってランニングホームラン、1-1の同点に追い付く。

 太陽は4回表、先頭の中谷が三失に生き、藤井勇が中前打を放って無死一二塁、中日ベンチはここで先発の松尾から服部受弘にスイッチ、佐竹一雄も三塁線にヒットを放ち無死満塁、森下重好の中犠飛で2-1と勝ち越し、二死後蔵本光夫に代わる代打湯浅芳彰の中前タイムリーで3-1とリードする。

 中日は6回裏、先頭の古川清蔵が四球で出塁すると二盗に成功、キャッチャー伊勢川真澄の送球ミスもあって古川は三塁に進み、一死後杉浦の右前タイムリーで2-3と1点差に迫る。

 中日は7回裏、先頭の藤原鉄之助が遊失に生きると二盗とワイルドピッチで三塁に進み、服部の中前タイムリーで3-3の同点、一死後金山の遊ゴロの間に服部は二塁に進み、真田は当たっている古川との勝負を避けて敬遠気味に歩かせて二死一二塁、ここで復調してきた小鶴誠が中前に勝越しタイムリーを放ち4-3とリードする。

 中日は8回裏、一死後加藤正二が左前打で出塁、大沢清の中前打で無死一三塁、藤原がスクイズバントを決めて5-3、服部が中前に2打席連続のタイムリーを放ち6-3と突き放す。

 リリーフ服部受弘は6イニングを2安打無四球無失点に抑えて無傷の7連勝をマークする。

 小鶴誠は開幕から5月まで62打数7安打、打率1割1分3厘と不振が続いていたが、6月に入って15打数8安打と完全復活。一昨日の決勝本塁打に続いてこの日も勝利打点を記録した。真田は当たっている古川との勝負を避けて小鶴と勝負したが、小鶴が復調していたデータを知らなかったのだろうか。

2025年3月24日月曜日

22年 大阪vs金星 4回戦

6月7日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 3 0 1 0 5 大阪 23勝7敗 0.767 梶岡忠義 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 金星 12勝19敗 0.387 江田孝

勝利投手 梶岡忠義 7勝2敗 
敗戦投手 江田孝     4勝8敗

二塁打 (大)藤村
本塁打 (大)玉置玉一 1号

勝利打点(大)富樫淳 4


梶岡忠義、1安打完封

 大阪は初回、先頭の塚本博睦の当りは二ゴロ、これをセカンド大友一明が一塁に悪送球する間に打者走者の塚本は二塁に進み、金田正泰の二ゴロが進塁打となって一死三塁、富樫淳の左前タイムリーで1点を先制する。藤村富美男も右前打で続いて一死一二塁、土井垣武は三振、富樫の三盗もキャッチャー辻勇夫からの送球に刺されて三振ゲッツー。

 金星は初回、先頭の坪内道則監督の当りは二ゴロ、これをセカンド本堂保次が一塁に悪送球する間に打者走者の坪内は二塁に進み、二死後坪内が三盗を試みるがキャッチャー土井垣からの送球にタッチアウト。

 初回の攻撃は同じようなパターンであったが点を取ったのは大阪であった。

 大阪は6回表、先頭の富樫が三塁に内野安打、一死後土井垣が左前打、二死後玉置玉一がライトスタンドにスリーランを叩き込んで4-0と突き放す。

 大阪は8回表、一死後藤村が中越えに二塁打、土井垣の二ゴロが進塁打となって二死三塁、本堂の三塁内野安打がタイムリーとなって5-0とする。

 梶岡忠義は初回の味方エラーでリズムを崩しかけたが土井垣の三盗阻止によりリズムを取り戻し、以降は6回の酒沢政夫の右前打1本に抑え切り、1安打4四球1三振でプロ入り初完封、7勝目をマークする。

 大阪はこれで11連勝、中日がしぶとく食い下がっており首位独走とはなっていない。

2025年3月23日日曜日

22年 南海vs東急 4回戦

6月7日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 南海 18勝12敗 0.600 別所昭 松川博爾 
2 0 0 5 0 0 1 0 X 8 東急 11勝17敗 0.393 北川桂太郎

勝利投手 北川桂太郎 2勝4敗 
敗戦投手 別所昭        9勝6敗

二塁打 (南)飯田、山本 (東)長持
本塁打 (東)一言多十 1号

勝利打点(東)大下弘 4


一言多十が満塁本塁打

 第8節3日目、後楽園の第1試合は別所昭と北川桂太郎の先発で午後1時2分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 東急は初回、先頭の一言多十の当りは遊ゴロ、これをショート朝井昇がエラー、横沢七郎は中前打、飯島滋弥の一ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、大下弘が中前に2点タイムリーを放ち2-0とする。

 南海は4回表、二死後飯田徳治がレフト線に二塁打、山本一人監督が左前にタイムリーを放ち1-2と追い上げる。

 東急は4回裏、先頭の長持栄吉がライト線に二塁打、鈴木圭一郎の右前打で無死一三塁、鈴木清一の右犠飛で3-1、北川のライト線ヒットで一死一三塁、苅田久徳監督は四球を選んで一死満塁、トップに返り一言がライトスタンドにグランドスラム、7-1と大量リードする。

 東急は7回裏、一死後飯島がストレートの四球で出塁、大下が二遊間にヒット、長持が中前にタイムリーを放ち8-1とダメ押す。

 北川桂太郎は5安打4四球3三振で完投、2勝目をあげる。北川の1勝目も完投勝利であったが7回コールドであったため、9回完投勝利はプロ入り初めてのこととなる。

 北川は、島田商業時代に戦前最後のセンバツとなった昭和16年の第18回センバツ大会に右翼手として出場した。ショートの鈴木清一はその時のチームメイトであった。

 満塁本塁打を放った一言多十は島田商業では北川桂太郎の先輩となる。一言は春夏の甲子園に7回出場した名選手であった。この日は後輩を援護する貴重な一打を放った。