0 0 0 2 0 0 1 0 1 4 阪急 30勝32敗2分 0.484 天保義夫 森弘太郎
0 0 1 2 0 0 0 4 X 7 太陽 24勝37敗1分 0.393 井筒研一
勝利投手 井筒研一 5勝5敗
敗戦投手 天保義夫 4勝9敗
二塁打 (太)森下
三塁打 (太)藤井
本塁打 (急)青田昇 7号、田中幸男 2号 (太)森下重好 6号
勝利打点(太)藤井勇 5
猛打賞 (急)田中幸男 2
藤井勇、決勝三塁打
甲子園の第2試合は天保義夫と井筒研一の先発で午後3時30分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。
阪急は2回表、先頭の野口明の当りは遊ゴロ、これをショート蔵本光夫がエラー、続く楠安夫も遊ゴロ、今度は蔵本が巧みに捌いて「6-4-3」のゲッツー。
太陽は3回裏、先頭の荒川昇治が右前打で出塁、一死後井筒が三遊間を破り一死一二塁、トップに返り辻井弘の二ゴロは「4-6-3」と渡るが一塁セーフ、この簡に二走荒川が三塁ベースを蹴ってホームイン、荒川の好走塁で1点を先制する。
阪急は4回表、先頭の上田藤夫が中前打で出塁、青田が左中間スタンドに第7号逆転ツーランを叩き込んで2-1と試合をひっくり返す。
太陽は4回裏、先頭の森下重好が左越えに二塁打、続く中谷順次の中前タイムリーで2-2の同点、センター青田がこの当りを後逸する間に打者走者の中谷は三塁に進み、一死後佐竹一雄の右犠飛で3-2と再逆転。
阪急は5回表、先頭の荒川が三塁に内野安打、天保の二ゴロでランナーが入れ替わり、山田伝の右前打で一死一二塁、トップに返り田中の三ゴロが「5-4-3」と渡ってゲッツー。
阪急は7回表、二死後田中がレフトスタンドに第2号同点ホームランを叩き込んで3-3と追い付くシーソーゲーム。
阪急は8回表、先頭の青田が三塁に内野安打、野口明も一塁内野安打で無死一二塁、続く日比野武の遊ゴロで三塁に走った二走青田が三塁ベースをオーバーラン、7回の守備から蔵本に代わってショートに入っていた松井信勝は一塁に送球せず青田の動きを見て三塁に送球、青田は三本間に挟まれ、サード中谷が追いかけてキャッチャー伊勢川真澄に送球し、伊勢川が青田を追いかけてタッチアウト、この間に一走野口明は二塁から三塁に向かっていたが、これを伊勢川が追いかけてタッチアウト、「6-5-2・2」のダブルプレーとなった。伊勢川には2刺殺が記録される。
太陽は8回裏、先頭の辻井が中前打で出塁、藤井勇が左中間に勝越しのタイムリー三塁打を放ち4-3とリード、続く森下がセンター左奥に第6号ツーランを叩き込んで6-3とリードを広げ、一死後伊勢川が中前打で出塁、二死後荒川が四球を選び、松井の左前タイムリーで7-3と突き放す。
阪急は9回表、一死後山田の当りは遊ゴロ、これをショート松井が一塁に悪送球、トップに返り田中の三塁内野安打で一死一二塁、上田の二ゴロが野選を誘って一死満塁、青田の遊ゴロを松井は二塁に送球してまずツーアウト、セカンド荒川が一塁に転送するがセーフ、併殺崩れとなって三走山田が還り4-7、二走田中は三塁ベースを蹴ってホームを狙うがファースト佐竹がキャッチャー伊勢川に送球、三本間に挟まれた田中が三塁に戻ると伊勢川はサード中谷に送球、田中は再びホームに向かうがカバーに入ったピッチャー井筒に転送されてタッチアウト、「6-4-3-2-5-1」の併殺でゲームセット。
井筒研一は9安打4四球4三振の完投で5勝目をマークする。4奪三振は7回と8回に奪ったものであった。
太陽は藤井と森下の長打攻勢で快勝した。実況のとおり2つの変則併殺を含む4併殺で阪急を抑え込んだ。
伊勢川真澄は8回の併殺で2個の刺殺を記録した。
色々あった試合で目立たないが、3回裏に荒川昇治が見せた好走塁も勝因の一つであった。荒川は後にキャッチャーに転向して、昭和27年には捕手としてプロ野球記録として現在でも残る35盗塁を記録することになる。その俊足ぶりは、プロ入り初年度から当ブログの実況中継で数多く伝えている。