2025年7月19日土曜日

22年 中日vs南海 8回戦

7月11日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 中日 31勝17敗1分 0.646 服部受弘 
0 0 2 0 0 0 0 0 X 2 南海 27勝22敗2分 0.551 別所昭

勝利投手 別所昭   13勝9敗 
敗戦投手 服部受弘 9勝2敗

本塁打 (中)小鶴誠 5号

勝利打点(南)堀井数男 3


別所昭、ハーラートップタイ

 西宮の第2試合は服部受弘と別所昭の先発で午後3時33分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 南海は3回裏、二死後河西俊雄が右前打で出塁すると二盗に成功、岡村俊昭は四球、山本一人監督も四球で二死満塁、堀井数男が中前に先制の2点タイムリーを放ち2-0とリードする。

 現在36イニング連続無得点の中日は1回から3回まで三者凡退の連続。4回は四球で初走者、5回は初ヒットが出るが別所に抑え込まれて無得点が続く。

 中日は7回表、先頭の大沢清がストレートの四球で出塁、杉浦清監督は中前打、加藤正二は三塁内野安打で無死満塁、しかし服部の投ゴロが「1-2-3」と渡ってダブルプレー、藤原鉄之助に代打藤本英雄を起用すするが中飛に倒れて43イニング連続無得点。

 中日は8回表、先頭の三村勲に代わる代打小鶴誠がレフトスタンドに第5号ホームラン、7月5日の東急戦3回表以来の得点となって1-2と1点差に追い上げる。

 別所昭は最終回も一死から連続三振で締めて、6安打3四球5三振の完投で13勝目をマーク、藤本とハーラートップタイに並んだ。

 中日は44イニング無失点は免れたものの、首位大阪には5ゲーム差と離された。

2025年7月18日金曜日

22年 太陽vs巨人 8回戦

7月11日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 1 0 0 0 0 0 3 太陽 19勝30敗1分 0.388 真田重蔵 
0 0 0 0 0 0 4 4 X 8 巨人 23勝26敗1分 0.469 多田文久三

勝利投手 多田文久三 5勝3敗 
敗戦投手 真田重蔵    7勝12敗

本塁打 (太)森下重好 4号、5号 (巨)多田文久三 1号

勝利打点 なし


小松原と平山がポイントゲッター

 後楽園の第2試合は真田重蔵と多田文久三の先発で午後2時50分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 太陽は初回、一死後辻井弘が四球を選んで出塁、二死後森下重好がレフトスタンドに先制ツーランを放ち2-0とリードする。

 太陽は4回表、一死後森下がレフトスタンドに追撃の2打席連続弾を叩き込んで3-0とリードを広げる。

 このまま真田が完封でもすれば太陽にとっては万々歳だったのだが・・・。

 ラッキーセブンを迎えた巨人は7回裏、先頭の宮下信明が右前打で出塁、トップに返り呉新亨に代わる代打古家武夫は三振に倒れるが、田中資昭が四球を選んで二死一二塁、千葉茂の遊ゴロをショート松井信勝がエラー、この間に二走宮下が還って1-3、川上哲治が四球を選んで二死満塁、小松原博喜が中前に2点タイムリーを放ち3-3の同点、三塁に達していた一走川上が太陽守備陣の送球の隙を突いてホームに還り4-3と逆転する。センター森下から本塁に返球され、キャッチャー伊勢川真澄は打者走者の一塁オーバーランを見てファースト辻井に送球したが、三走川上がその隙を突いてホームに滑り込んだ。川上の本塁進塁に対して太陽側にエラーは記録されていない。送球の間の進塁であった。

 巨人は8回裏、一死後多田がレフトスタンドにホームランを叩き込んで5-3、トップに返り林清光が左前打で出塁、二死後千葉が右前打、川上は四球で二死満塁、小松原が押出し四球を選んで6-3、平山菊二が左前に2点タイムリーを放ちこの回4点追加、8-3とリードを広げる。

 多田文久三は4安打4四球5三振の完投で5勝目をマークする。森下に2打席連続本塁打を打たれたが、自らも4年ぶりの本塁打を放った。

 真田重蔵は6回まで完封ペースだったが7回二死からのエラーをきっかけに崩れた。7回の4失点は二死後のエラー以降の失点なので自責点にはならない。調子が上がらない真田だが、6回までの投球内容には復調の兆しもみられる。

 巨人ではこのところ小松原博喜と平山菊二がポイントゲッターになっているが、この日も小松原が3打点、平山が2打点の活躍であった。

2025年7月16日水曜日

22年 大阪vs東急 8回戦

7月11日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 1 1 2 0 0 5 大阪 37勝13敗1分 0.740 渡辺誠太郎
0 0 0 0 3 0 0 0 0 3 東急 17勝31敗1分 0.354 黒尾重明 白木義一郎

勝利投手 渡辺誠太郎 2勝1敗 
敗戦投手 黒尾重明     5勝9敗

二塁打 (大)藤村、本堂、金田 (東)黒尾

勝利打点(大)金田正泰 4


大阪、波状攻撃で逆転

 西宮の第1試合は渡辺誠太郎と黒尾重明の先発で午後1時33分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は初回、一死後塚本博睦が四球で出塁、金田正泰も四球を選んで一死一二塁、藤村富美男の中越えタイムリー二塁打で1点を先制する。

 大阪は5回表、先頭の山口政信が中前打で出塁、長谷川善三の二ゴロをセカンド清水喜一郎がエラー、渡辺の一塁線ヒットで無死満塁、一死後塚本博睦の遊ゴロ併殺崩れの間に三走山口が還って2-0とする。

 東急は5回裏、先頭の大下弘が右前打で出塁、一死後鈴木圭一郎が左前打、黒尾の一塁内野安打で一死満塁、大沢喜好の二ゴロをセカンド本堂保次が失する間に三走大下が還って1-2、大沢には打点が記録され、清水の一ゴロで三走鈴木圭一郎は本封、二死満塁となってトップに返り一言多十が右前に逆転の2点タイムリーを放ち3-2と試合をひっくり返す。

 大阪は6回表、先頭の藤村がライト線にヒット、一死後本堂の右越えタイムリー二塁打で3-3の同点に追い付く。

 大阪は7回表、先頭の渡辺が中前打で出塁、トップに返り呉昌征が三遊間にヒット、塚本が送りバントを決めて一死二三塁、東急ベンチはここで先発の黒尾から白木義一郎にスイッチするが、金田が中越えに2点タイムリー二塁打を放ち5-3とリードする。

 渡辺誠太郎は6安打2四球1死球6三振の完投で2勝目をマークする。渡辺は打っても3打数2安打の活躍。以前は打者として起用されることが多く、シーズン途中には一時首位打者に立ったこともある。

 大阪は得意の波状攻撃で逆転勝利。チーム合計12安打であったが猛打賞は無しで、二番塚本、四番藤村、六番本堂、九番渡辺が2安打と上位下位万遍なくヒットを連ねるのが初期ダイナマイト打線の特徴である。

 大阪は独走態勢に入ってきた。

2025年7月15日火曜日

22年 金星vs阪急 9回戦

7月11日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 1 0 0 0 2 金星 18勝32敗1分 0.360 重松通雄
0 0 0 0 1 0 2 0 X 3 阪急 24勝25敗2分 0.490 今西錬太郎 野口二郎

勝利投手 野口二郎 8勝8敗 
敗戦投手 重松通雄 7勝5敗

二塁打 (金)大友 (急)野口二郎
三塁打 (急)安井

勝利打点 なし


両軍無三振

 第13節2日目、昨日の雨も上がった後楽園の第1試合は重松通雄と今西錬太郎の先発で午後零時59分、西垣球審の右手が上がりプレイボール。

 1回、3回と併殺でチャンスを潰した金星は4回表、先頭の中村信一が四球を選んで出塁、大友一明が送りバントを決めて一死二塁、二死後西沢道夫の中前タイムリーで1点を先制する。

 金星は初回も先頭の中村が四球で出塁したが、二番大友は強攻策に出て遊ゴロ併殺に終わった。4回はきちんと送って先制点に結び付けた。

 阪急は5回裏、一死後日比野武が右前打、ライト坂本勲が後逸する間に打者走者の日比野は二塁に進み、二死後上田藤夫の欠場によりセカンドに起用された安井鍵太郎が右中間に同点のタイムリー三塁打を放ち1-1と追い付く。

 金星は6回表、先頭の中村が3打席連続四球を選んで出塁、大友のライト線二塁打で無死二三塁、阪急ベンチはここで先発の今西から野口二郎にスイッチ、坪内道則監督の左前タイムリーで2-1と1点を勝ち越す。

 阪急は7回裏、二死後荒木茂が左前打で出塁、安井の右前打で二死一二塁、野口二郎がレフト線にタイムリー二塁打を放ち2-2の同点、二死二三塁からトップに返り田中幸男の遊ゴロをショート中村が失する間に三走安井が決勝のホームを踏む。

 中村信一は決勝のタイムリーエラーを犯したものの、先頭打者として3打席連続四球で出塁。昭和11年に苅田久徳がセネタースに入団した際、プロではセカンドに転向すると決めていた苅田は法政の後輩だった中村信一をセネタースに引っ張り、キーストーンコンビとして徹底的に鍛え上げた。この経緯は苅田の自伝「天才内野手の誕生」に詳しい。11年後も苅田は東急、中村は金星で現役を続けている。

 阪急は開幕からセカンドを務めてきた上田藤夫が欠場して前の試合からセカンドに安井鍵太郎が入っている。安井はここまで22打数1安打、打率0割4分5厘であったがこの日は2安打1打点、一時同点に追い付くタイムリー三塁打を放った。上田はしばらく欠場が続くことになる。

 この試合は両軍無三振であった。公式記録員の山内以九士はスコアカードの「雑記」欄に「無三振試合」と記している。

2025年7月13日日曜日

22年 大阪vs中日 8回戦

7月10日 (木) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 2 0 0 0 0 0 0 3 大阪 36勝13敗1分 0.735 若林忠志 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 中日 31勝16敗1分 0.660 藤本英雄

勝利投手 若林忠志 11勝5敗 
敗戦投手 藤本英雄 13勝8敗

勝利打点(大)本堂保次 3


恐竜打線沈黙

 西宮の第2試合は首位大坂と3ゲーム差で追う中日による首位攻防戦。中日としてはこれ以上離されたくない前半戦の天王山となる。

 若林忠志と藤本英雄の先発で午後3時23分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は2回表、先頭の藤村富美男が右前打で出塁、土井垣武の右前打で無死一三塁、本堂保次の二ゴロで土井垣が二封される間に三走藤村が還って1点を先制する。強打のダイナマイト打線が藤本を右打ちで攻略した。

 大阪は3回表、先頭の呉昌征が右前打で出塁、金田正泰も右前打で続いて無死一二塁、キャッチャー藤原鉄之助からの二塁牽制が悪送球となって二者進塁、一死後藤村の投ゴロの間に三走呉昌征が還って2-0、土井垣の一塁線タイムリーで3-0とする。この回は一二番の左打者が引っ張ってチャンスを作った。

 若林忠志は5安打無四球3三振の芸術的なピッチングで今季4度目の完封、11勝目をマークする。

 恐竜打線は36イニング連続無得点と失速してきた。

 6月14日を最後に切り込み隊長岩本章が戦列を離れてから得点力が落ちている。笠石徳五郎と杉江文二がトップに入って頑張ってはいるが、杉浦清監督も頭が痛いところで自ら二番に入ったり打線組み換えに苦心している。この日はベテラン山本尚敏を二番に入れた。

 主砲小鶴誠も休みがちで、四番には代役として大沢清を入れて何とかカバーしているが徐々に大阪に離されて4ゲーム差となった。

 岩本と小鶴はオフの赤嶺旋風で退団することになる。お家騒動の兆候は既に芽生えていると見てよいであろう。当ブログはスコアカードを見ながら分析することができる。読者の方々も、「日本プロ野球私的統計研究会」様の「スタメンアーカイブ」を見ながら恐竜打線の変遷を分析してみると、より現実感が湧いてくるのではないか。

2025年7月12日土曜日

22年 南海vs東急 10回戦

7月10日 (木) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 3 0 2 6 南海 26勝22敗2分 0.542 丸山二三雄 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 東急 17勝30敗1分 0.362 一言多十

勝利投手 丸山二三雄 8勝4敗 
敗戦投手 一言多十     3勝4敗

二塁打 (南)山本、河西 (東)大下

勝利打点(南)筒井敬三 3

猛打賞 (南)山本一人 3


丸山二三雄、半月で3度目の完封

 第13節初日、関西は昨夜の雨が上がって試合可能だが、関東は雨が残って後楽園の試合は順延。

 今節は関西に人気チームの大阪と南海が集結。第2試合には大阪vs中日の首位攻防戦が組まれていることもあって、西宮球場には今季関西での平日初の1万人越えとなる12,241人の観客が押し寄せた。

 西宮の第1試合は丸山二三雄と一言多十の先発で午後1時32分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 南海は2回表、先頭の山本一人監督が左前打で出塁、堀井数男の一ゴロの間に山本は二進、二死後筒井敬三の左前タイムリーで1点を先制する。

 南海は7回表、先頭の丸山が中前打で出塁、一言の一塁牽制をファースト飯島滋弥が逸らして丸山は二進、小林悟楼の三塁内野安打で丸山は動けず無死一二塁、一死後河西俊雄の三ゴロをサード大沢喜好がベースを踏んで二走丸山は三封、二死一二塁となって岡村俊昭はスリーボールワンストライクから四球、この時二走小林はスタートを切っており、キャッチャー鈴木圭一郎が投げる必要のない三塁に送球、これが悪送球となる間に小林が生還して2-0、二死一二塁から山本が左越えに2点タイムリー二塁打を放ち4-0とリードを広げる。

 南海は9回表、一死後安井亀和が中前打で出塁、河西の右中間二塁打で一死二三塁、岡村の右犠飛で5-0、二走河西もタッチアップから三塁に進み、山本の遊ゴロ失の間に河西が還って6-0として試合を決める。

 丸山二三雄は5安打2四球2三振で今季3度目の完封、8勝目をマークする。丸山は6月26日以降、5試合の登板で3度の完封勝利。現時点では別所に代わってエースの座に就いている。

2025年7月11日金曜日

22年 第12節 週間MVP

週間MVP

投手部門
 太陽 井筒研一  1 1勝1完封、今節16イニング無失点。 現在31イニングス連続自責点ゼロを継続中。キャリアで最高の状態にある。
打撃部門
 大阪 藤村富美男 1 22打数9安打2得点9打点。 ダイナマイト打線を牽引する活躍。

殊勲賞
 阪急 野口明   2 21打数5安打1得点8打点。 3日の巨人戦で満塁本塁打。
 巨人 小松原博喜 2 20打数4安打2得点9打点。 前節最終戦から4試合で11打点。
 中日 杉浦清   2 22打数7安打3得点5打点。 4日の南海戦で満塁本塁打。
 大阪 山口政信  1 4日の巨人戦で逆転サヨナラ打。 大阪が独走態勢を築くきっかけとなる。
 東急 長持栄吉  2 4日の太陽戦で満塁本塁打。3節連続の三賞受賞。 

敢闘賞
 大阪 呉昌征   1 20打数10安打8得点。 
 大阪 金田正泰  2 16打数8安打8得点。 
 大阪 長谷川善三 1 18打数8安打2得点3打点。7日の金星戦で5安打。 
 阪急 下社邦男  1 13打数7安打、三塁打2本。 
 太陽 伊勢川真澄 2 19打数7安打1得点5打点。 

技能賞
 阪急 山田伝   1 6日の金星戦で好走塁。