2014年2月3日月曜日

16年 阪急vs名古屋 6回戦


7月14日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 1 0 0 0 0 0 0 0  1 阪急     22勝17敗 0.564 森弘太郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 名古屋 18勝21敗 0.462 河村章

勝利投手 森弘太郎 14勝4敗
敗戦投手 河村章       9勝4敗

勝利打点 伊東甚吉 3

ファインプレー賞 (名)大沢清 1


森弘太郎、今季6度目の完封

 阪急は2回、一死後新富卯三郎が四球で出塁、田中幸男は左飛に倒れるが日比野武が左前打を放って二死一二塁、伊東甚吉が中前にタイムリーを放って1点を先制する。

 名古屋は3回、一死後牧常一が中前打、河村章も左前打で続いて一死一二塁、トップに返り木村進一が四球を選んで一死満塁、しかし桝嘉一の二ゴロが「4-6-3」と渡ってダブルプレー。

 名古屋は6回、一死後木村が四球を選んで出塁、桝の左前打で一死一二塁、しかし大沢清の二ゴロが「4-6-3」と渡って又もダブルプレー。

 森弘太郎は3安打2四球1三振で今季6度目の完封、14勝目をあげる。


 名古屋のヒットは3本だけ、しかも何れもダブルプレーでチャンスを潰した。


 決勝打を放った伊東甚吉は滝川中学では田中幸男との二遊間コンビで名を馳せて昭和14年に一緒に阪急に入団した。この名二遊間コンビは昭和11年~13年のセンバツに三年連続出場している。田中は三年連続ショートで一番打者、伊東は昭和11年と12年は九番で13年は二番打者を務めている。昭和12年センバツ1回戦では浦和中学に27対0で勝っているが、この試合で田中幸男は8打数6安打を記録、伊東甚吉はチームでただ一人無安打の4打数ノーヒットであった。昭和13年センバツ1回戦では日大三中に延長13回の末サヨナラ勝ち、田中幸男は7打数2安打で伊東甚吉は6打数2安打であった。2回戦の浪華商業戦は延長11回8対8の引分けで田中は6打数2安打、伊東は5打数2安打と活躍。再試合は8対9で敗れたが田中は6打数2安打、伊東は4打数3安打の活躍であった。阪急入団時は鳴物入りだった訳である。


 田中幸男(田中成豪)の経歴についてはWikipediaを始めとして多くのサイトで「関西大学を経て阪急に入団した」と書かれていますがこれは間違いです。昭和13年のセンバツに出場して上記の活躍を見せた田中幸男と伊東甚吉は共に昭和14年に阪急に入団していますので関西大学に通っているヒマはありません。東京の選手の多くは兵役延長を求めて日本大学に籍を置いていました。関西の選手も同様に関西大学に籍を置いていたのかもしれません。それが誤って「関西大学を経て」となりネット上で広まってしまったようです。




            *森弘太郎は名古屋打線を3安打に抑えて今季6度目の完封、14勝目をあげる。






       *滝川中学時代からの盟友、伊東甚吉と田中幸男が名前を連ねる阪急打線。







                         *昭和11年センバツ出場メンバー。




                         *昭和12年センバツ出場メンバー。




         *昭和13年センバツ出場メンバー(いずれも毎日新聞社発行「選抜高等学校野球大会 50年史」より)。




 上の写真のとおり伊東甚吉と田中幸男は昭和11年~13年のセンバツに三年連続出場しており14年にシーズン始めから阪急に入団していますので、田中幸男が「関西大学を経て阪急に入団」するのは不可能です。



 

2014年2月2日日曜日

16年 巨人vs南海 6回戦


7月14日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
4 0 0 0 0 0 4 0 1  9 巨人 30勝9敗 0.769 須田博
0 0 0 0 0 0 0 0 1  1 南海 18勝21敗 0.462 石田光彦 神田武夫 長谷川善三

勝利投手 須田博   15勝3敗
敗戦投手 石田光彦 4勝6敗

二塁打 (巨)呉、白石、川上、中島
三塁打 (南)岡村
本塁打 (巨)川上 3号

勝利打点 中島治康 3

猛打賞 (巨)中島治康 4

ファインプレー賞 (巨)吉原正喜 2


巨人打線爆発

 巨人は初回、先頭の呉波が右中間に二塁打、水原茂が中前打、千葉茂が四球を選んで無死満塁、南海ベンチはここで早くも先発の石田光彦をあきらめて神田武夫にスイッチ、川上哲治は三振に倒れるが、中島治康が右前にタイムリーを放って1点を先制、吉原正喜が押出し四球を選んで2-0、白石敏男の左中間二塁打で4-0とする。

 南海二番手の神田は川上から三打席連続三振を奪うなど2回~6回を1安打無失点に抑える。

 南海は5回、四球で出塁した村上一治を一塁に置いて岡村俊昭が右中間に三塁打を放ち1-4と追い上げる。

 巨人は6回、先頭の須田博が中前打、平山菊二は三飛に倒れるが、トップに返り呉が右前打、水原が中前打を放って一死満塁、千葉の右犠飛で5-1、二走呉もタッチアップから三塁に進み水原が二盗を決めて二死二三塁、川上が左中間に二塁打を放って7-1、中島も中越えに二塁打で続いて8-1と突き放す。南海は神田から長谷川善三にスイッチ、長谷川は2四球を出すが須田を遊ゴロに打ち取りスリーアウトチェンジ。

 巨人は9回、川上がライトスタンドに第3号ホームランを放って9-1とする。

 須田博は南海打線を翻弄し3安打2四球2三振1失点で余裕の完投、15勝目をあげる。

 巨人打線は川上哲治が三打席連続三振から二塁打とホームランを放って3打点、中島治康が5打数3安打2打点と爆発した。




               *須田博は大量点をバックに余裕の完投で15勝目をあげる。







       *9得点を記録した巨人打線







 

16年 阪神vs大洋 6回戦


7月13日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0   0   0   0   0   0   0   0   0   0 阪神 19勝20敗 0.487 若林忠志
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0   0   0   0   0   0   0   0  1X  1 大洋 25勝14敗 0.641 古谷倉之助 野口二郎

勝利投手 野口二郎 16勝5敗
敗戦投手 若林忠志   7勝7敗

二塁打 (大)石井
三塁打 (大)黒澤

勝利打点 中村信一 4

猛打賞 (神)若林忠志(4安打) 1 (大)中村信一 1、森田実(4安打) 2


延長20回の死闘

 延長20回の死闘は中村信一のサヨナラ打で決着がついた。

 大洋は20回裏、先頭の野口二郎が左前打で出塁、佐藤武夫の投前送りバントをピッチャー若林忠志は二塁に送球するが野口の足が一瞬早くセーフ、野選が記録されて無死一二塁、更に織辺由三の一塁線バントが内野安打となって無死満塁、中村が中前打を放って大洋がサヨナラ勝ちした。


 先発は若林忠志と古谷倉之助、翌日の読売新聞は「若林の老獪な球捌きと古谷の多彩な投法の冴え・・・」と伝えている。

 大洋は初回、先頭の中村が左前打から二盗に成功するが後続なく、2回も先頭の石井豊が右前打から二盗に成功するが後続なし。

 大洋は3回、一死後中村が四球で出塁、苅田の中前打で一死一二塁、中村が三盗を決めて一死一三塁、ここで苅田がディレードスチール、しかし三走中村が中途半端な走塁で「2-6-3-6」で刺されてこの回も無得点に終わる。

 阪神は4回、先頭の皆川定之が右前打で出塁、カイザー田中義雄が送って一死二塁、しかし土井垣武の右飛が「9-4-6B」と送球されてダブルプレー。

 阪神は9回、先頭の皆川が四球で出塁、大洋ベンチはここで先発の古谷から野口二郎にスイッチ、野口が後続を三人で片付ける。

 大洋は9回裏、先頭の黒澤俊夫が四球で出塁するが石井の二ゴロが「4-6-3」と渡ってゲッツー、森田実が中前打から二盗を試みるがキャッチャー土井垣武からの送球に刺されて延長戦に突入する。


 大洋は12回、一死後石井が右中間に二塁打、森田の三塁内野安打と二盗で一死二三塁、しかし野口二郎は浅い右邪飛、佐藤が三ゴロに倒れてこの回も無得点。

 阪神は13回、一死後松下繁二が四球、若林が左前打を放って一死一二塁、しかし野口昇は三振、森国五郎に代わる代打松木謙治郎は中飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 阪神は14回、一死後田中が左前打を放つが三振ゲッツーで無得点。

 大洋は14回裏、黒澤が右翼線に三塁打を放ってサヨナラのチャンスを迎えるが石井の三ゴロに黒澤が飛び出し「5-2-6」と渡ってチャンスを潰す。

 阪神は20回、先頭の松尾五郎が中前打で出塁、比留木虎雄が送って一死二塁、しかし松下の投ゴロで二走松尾が三塁に走り野口二郎から三塁に送球されてタッチアウト、若林が4本目のヒットをセンター右に放って二死一二塁、しかし野口昇に代わる代打御園生崇男が三振に倒れてこの回も無得点。


 最後に力尽きた若林忠志は19回3分の0を投げて15安打4四球5三振1失点であった。打っては8打数4安打と健闘した。

 古谷倉之助は8回3分の0を投げて5安打1四球3三振無失点、野口二郎は12回を投げて5安打1四球8三振無失点で16勝目をあげる。


 阪神は15人を使って奮闘したが及ばず。

 大洋は5盗塁を決めた。盗塁失敗も3個、記録に現れない重盗失敗もあったが常にプレッシャーをかけ続けたことが最後に花開いたものである。






                    *野口二郎は16勝目をあげる。













          *延長20回の死闘を伝えるスコアカード。










          *阪神打線。











          *大洋打線。













 

競馬界のイチロー



 1994年に鈴木一朗がイチローに改名して200本安打を達成し“イチローブーム”を巻き起こしていた頃、競馬界ではサクラチトセオーが1着と6着を繰り返して「競馬界のイチロー」と呼ばれていました。そのサクラチトセオー号の訃報が伝えられています。


 何故勝ったり負けたりを繰り返すのかは、その脚質にありました。後方からの鋭い差し脚を武器とするチトセオーは、決まれば勝つ、不発に終われば負けるとはっきりしていた訳です。


 唯一のG1勝利となった1995年秋の天皇賞は2着ジェニュインとの馬連一点買いで仕留めました。1番枠から後方二番手に下げて小島太騎手が四コーナーで大外に持ち出し、いつものように内に刺さりながら前を行く14頭をごぼう抜きにしました。前年の秋の天皇賞では内を突いて前をカットされて6着に敗れたことから、コースロスを承知で大外に回したことが勝因となりました。内に刺さる癖のあるチトセオーは、四コーナーでは大外でしたが、ゴール前では先行して内から抜け出してきたジェニュインと並んでいます。


 その功績は同期のウイニングチケットと共に父トニービンの名を天下に轟かせたことにあります。現在でも「トニービン=東京コースに強い」の方程式は成り立っていますね。ウイニングチケットは昨年のダービーでは東京競馬場にやって来て元気な姿を見せています。




 

2014年2月1日土曜日

16年 黒鷲vs朝日 6回戦


7月13日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 1 0 0 0 2 黒鷲 12勝27敗 0.308 畑福俊英
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 朝日 12勝27敗 0.308 福士勇

勝利投手 畑福俊英 2勝5敗
敗戦投手 福士勇    8勝16敗

二塁打 (黒)木下

勝利打点 なし


畑福俊英、今季2度目の完封

 黒鷲は初回、先頭の寺内一隆が遊失に生き、谷義夫の中前打で無死一二塁、玉腰忠義の投ゴロで二走寺内は三封、富松信彦は左飛に倒れて二死一二塁、ここでキャッチャー伊勢川真澄からの一塁牽制が大暴投となる間に二走谷が三塁ベースを蹴ってホームに還り1点を先制する。

 黒鷲は6回、先頭の木下政文が右翼線に二塁打、菅利雄に代わる代打中河美芳が右前にタイムリーを放って2-0とする。

 畑福俊英は8安打3四球4三振で今季2度目の完封、2勝目をあげる。

 畑福は初回、先頭の坪内道則を四球で歩かせ五味芳夫に送りバントを決められるが、伊勢川を二ゴロ、鬼頭政一を三ゴロに打ち取る。

 畑福は2回、二死後野村高義に中前打を許して二盗を決められ、福士勇にも中前打を許すがセンター寺内がホームを突いた野村を刺してこの回も無失点。

 畑福は3回、先頭の前田諭治に左前打を許すがトップに返り坪内の送りバントは捕邪飛、五味を三振に打ち取り伊勢川にも左前打を許すが、鬼頭は中飛に打ち取る。4回は一死後戸川信夫の遊ゴロをショート宗宮房之助が一塁に悪送球、戸川は二塁を狙うがファースト菅からの送球にタッチアウト。5回は二死後坪内に左翼線ヒットを許すが五味を二ゴロに打ち取る。

 畑福は6回、一死後鬼頭に中前打を許すがキャッチャー清家忠太郎が一塁牽制で刺し、岩田次男に三塁内野安打を許すが戸川を三ゴロに打ち取る。7回は一死後福士を四球で歩かせるが福士の二盗を清家が刺す。8回は二死後伊勢川を四球で歩かせるが鬼頭を中飛に打ち取る。

 畑福は9回、先頭の岩田に左前打を打たれるが戸川は三振、野村高義jらを三ゴロ併殺に打ち取り毎回走者を背負いながらもシャットアウト勝ち。キャッチャー清家忠太郎とセンター寺内の強肩にも助けられました。




                 *畑福俊英は今期2度目の完封飾る。 


    







 

訂正のお知らせ



 7月2日の黒鷲戦以降の巨人の敗戦数が「8敗」となっていましたが「9敗」の間違いでした。


 2日の黒鷲戦5回戦、3日の黒鷲6回戦、5日の阪神戦、6日の大洋戦、8日の阪急戦の敗戦数を「8敗」→「9敗」に訂正させていただきます。


 管理シートは間違っていませんので「勝率」は合っています。「敗戦数」の転記ミスが原因でした。


 ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願いいたします。

16年 第8節 週間MVP



 今節は大洋が5勝1敗、巨人が5勝1敗、名古屋が4勝1敗、南海が3勝3敗、阪急が2勝3敗、朝日が1勝4敗、阪神が1勝4敗、黒鷲が1勝5敗であった。




週間MVP

投手部門

 大洋 野口二郎 4

 今節4試合に登板して3勝0敗1セーブ2完封。29イニングスを投げて防御率0.00であった。


 巨人 澤村栄治 1

 今節2勝0敗1完封。ドロップのキレが戻ってきた。


 名古屋 村松幸雄 1

 7月2日の朝日戦で延長16回を3安打完封。一試合11度の三者凡退を記録した。



打撃部門

 巨人 川上哲治 2

 今節25打数9安打3得点4打点4四球2盗塁、二塁打2本。


 巨人 呉波 1

 今節14打数7安打5得点2打点8四球2盗塁。四試合連続2四球を選んで出塁率6割8分2厘をマークした。


 名古屋 芳賀直一 1

 今節21打数7安打と共に3つの好守を記録。今季11個目の「ファインプレー賞」を獲得して水原茂を抜いてトップに立っている。





殊勲賞

 黒鷲 畑福俊英 1

 7月1日の南海戦で1安打完封を記録する。


 名古屋 三浦敏一 1

 7月8日の黒鷲戦で延長16回代打決勝打を放つ。




敢闘賞

 巨人 中尾輝三 1

 7月2日の黒鷲戦で1安打完封を記録するなど今節2勝0敗。


 名古屋 大沢清 1

 今節26打数9安打1得点2打点1四球3盗塁を記録する。



技能賞

 朝日 竹内愛一 1

 7月8日の南海戦でプロでは唯一の登板を記録、牽制の妙技を見せる。


 南海 国久松一 1

 木村勉の欠場により急遽マスクを被り、7月8日の朝日戦では3つの盗塁を刺す。