1 0 2 2 0 0 3 0 0 8 タ軍 47勝29敗 0.618 御園生崇男
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 グ軍 49勝29敗1分 0.628 別所昭 松川博爾
勝利投手 御園生崇男 7勝5敗
敗戦投手 別所昭 12勝9敗
二塁打 (タ)藤村2、土井垣、金田 (グ)堀井
三塁打 (タ)呉昌征
本塁打 (タ)高山泰夫 1号
勝利打点 なし
猛打賞 (タ)金田正泰 17
高山泰夫、「センバツの花」から雪辱のホームラン
第21節4日目の第2試合は御園生崇男と別所昭の先発で午後2時49分、島球審の右手が上がりプレイボール。
タ軍は初回、先頭の呉昌征の当りは二ゴロ、これをセカンド安井亀和がエラー、金田の一ゴロで呉は二封、土井垣の二ゴロの間に金田は二進、藤村富美男監督が右中間にタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。
グ軍は1回裏、先頭の安井がセーフティバントを試みるが失敗、河西の三ゴロをサード藤村が一塁に悪送球、田川の右前打で河西は三塁に進み、ライト富樫淳の三塁送球が悪送球となる間に河西が生還、1-1の同点とする。
初回から両軍守備の乱れが失点に結び付いた。
タ軍は2回表、先頭の御園生がストレートの四球で出塁するが筒井からの送球に盗塁失敗。
グ軍は2回裏、二死後筒井が死球を受けて出塁するが土井垣からの送球に盗塁失敗。
タ軍は3回表、、先頭の長谷川善三のライトライナーは田川の好守に阻まれてアウト、トップに返り呉昌征もセンターに大きな当たり、これもセンター河西のナイスキャッチで二死無走者、しかし金田が中前打、土井垣の右前打で二死一二塁、ワイルドピッチで二死二三塁、キャッチャー筒井からの二塁牽制がセンターに抜けて三走金田が生還、バックアップのセンター河西からの三塁送球も悪送球となって土井垣も生還し3-1とする。
タ軍は4回表、一死後富樫の当りは二ゴロ、これを安井がこの日2個目のエラー、直後の初球を高山泰夫がレフトスタンドにツーランホームラン、5-1とリードを広げる。
これ以上失点できないグ軍は5回から先発の別所に代えて松川博爾をマウンドに送る。
タ軍は7回表、先頭の金田が左中間に二塁打、土井垣の二ゴロが進塁打となって一死三塁、藤村の左中間タイムリー二塁打で6-1、本堂の左前打で一死一三塁、御園生の中前タイムリーで7-1、一走本堂もホームに還る好走塁を見せてこの回3点、8-1として試合を決める。御園生には2打点が記録された。
御園生崇男は終盤、ショート長谷川とサード藤村の好守にも助けられて、5安打2四球1死球1三振、自責点ゼロの完投で7勝目をマークする。
高山泰夫が別所からプロ入り通算2本目の本塁打を放った。この二人は昭和16年のセンバツでも対戦している。高山は前年昭和15年センバツでは代打で3打数3安打の活躍を見せて岐阜商業優勝の立役者となっていたが、昭和16年は五番打者として準々決勝で滝川中学の別所と対戦した。この試合で別所は本塁突入の際に左腕を骨折し、左腕を包帯できつく締めて続投する悲壮な投球となったが敗れて「センバツの花」と謳われた。そして、この試合で岐阜商業は決してバント攻撃を見せなかったのである。高山は別所に無安打に抑えられたが、5年越しで雪辱のホームランを放った。この試合の岐阜商業の左腕エースがこの日の第1試合で本塁打を放った鳥居兵治であった。
なお、世間には、左腕を骨折した別所が、「Wikipedia」に書かれているように「三角巾で吊っって」投球を続けたと誤って伝えられているが、事実は当ブログの記載のとおり「左腕を包帯できつく締めて」続投したのである。左腕がだらりと下がった状態であったため、下手投げて投球を続けたことは、「選抜高等学校野球大会50年史」に別所自身が「いちばん長い日」のタイトルでコメントしている。同誌には、別所が左手をだらりとさせて下手から投げている投球の写真も掲載されており、三角巾で吊ってはいない。
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