2021年9月19日日曜日

21年 中部日本vsタイガース 7回戦

9月12日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12  計
0 0 0 0 5 2 0 1 0  0   0   2  10 中部 28勝46敗2分 0.378 森井茂 服部受弘
1 0 1 0 5 0 0 1 0  0   0   1   9  タ軍 46勝29敗 0.613 森下博 富樫淳 野崎泰一

勝利投手 服部受弘 10勝6敗 
敗戦投手 野崎泰一   6勝8敗

二塁打 (中)服部、岩本 (タ)藤村2
三塁打 (中)藤原、三村、杉浦 (タ)呉、御園生

勝利打点 (中)杉浦清 2

猛打賞 (タ)呉昌征 6、金田正泰 16、藤村富美男 7


語り継がれるべき試合

 ダブルヘッダー第2試合は森井茂と森下博の先発で午後2時55分、沢球審の右手が上がりプレイボール。

 タ軍は初回、先頭の呉昌征が二塁にヒット、金田の右前打で無死一三塁、土井垣の二ゴロで金田が二封される間に三走呉が還って1点を先制する。

 タ軍は3回裏、先頭の森下がプロ入り初打席でストレートの四球を選んでプロ入り初出塁、しかし長谷川の右飛に戻れず「9-3」と送球されてダブルプレー、試合経験の乏しさが出たか、直後にトップに返り呉昌征が右中間に三塁打、中部ベンチは早くも森井に代えて第1試合で好リリーフを見せた服部受弘を投入、金田が四球を選んで二死一三塁、土井垣の初球にダブルスチールを決めて2-0とする。

 4回まで1安打無得点の中部は5回表に反撃。先頭の藤原が右越えに三塁打、三村の二ゴロで三走藤原がスタートを切りかけ、セカンド宮崎剛がサードに送球するが藤原が戻ってセーフ、野選が記録されて無死一三塁、服部が四球を選んで無死満塁、金山に代わる代打大沢清が押し出し四球を選んで1-2、タ軍ベンチはここで先発の森下に代えて富樫淳を投入、しかし富樫はストライクが入らず岩本も押出し四球を選んで2-2の同点、ストライクを取りに行った初球を杉浦清監督が左前に2点タイムリーして4-2と逆転、レフト金田からの返球を中継した野崎の本塁送球が逸れる間に岩本は三塁に進み、タ軍はここで三番手として野崎泰一を投入、野崎が奮起して古川、小鶴は連続三振、しかし加藤正二の遊ゴロをショート長谷川が一塁に悪送球する間に三走岩本が還って5-2とする。

 タ軍は5回裏、先頭の宮崎が三遊間にヒット、一死後長谷川の右前打で一三塁、トップに返り呉昌征が四球を選んで一死満塁、金田の中前2点タイムリーで4-5と1点差、土井垣が四球を選んで再度一死満塁、藤村富美男監督が右中間に逆転の2点タイムリー二塁打を放ち6-5、御園生が四球を選んで三度一死満塁、山口政信の二ゴロの間に三走土井垣が還って7-5と再び2点差とする。

 中部は6回表、先頭の三村が左中間に三塁打、服部は四球、山本尚敏も四球を選んで無死満塁、トップに返り岩本の遊ゴロ併殺の間に三走三村が還って6-7、杉浦の遊ゴロをショート長谷川が一塁に悪送球する間に岩本の併殺打で三塁に残っていた服部が還って7-7の同点とする。

 中部は8回表、先頭の服部が左中間に二塁打、山本の送りバントは捕邪飛となって一死二塁、土井垣の二塁けん制が悪送球となって服部は三進、岩本が四球から二盗を決めて一死二三塁、杉浦の三ゴロで三走服部が決死のスタートを切るがサード藤村からのバックホームにタッチアウト、二死一三塁となったところでダブルスチールを決めて8-7と勝ち越す。

 タ軍は8回裏、先頭の御園生が二遊間をゴロで抜けるヒット、これをセンター古川が後逸する間に打者走者の御園生は三塁に進み、山口は三振に倒れて一死三塁、宮崎の遊ゴロで三走御園生がホームに突っ込み、ショート杉浦のバックホームはタイミング的にはアウトであったが高く逸れて御園生が生還、8-8の同点とする。

 タ軍は9回裏、先頭の呉昌征は一ゴロ、このプレーは「3-1A」と記録されており、この時代には既に一ゴロで投手が一塁ベースカバーに入っていたことが判明した。一般には投手の一塁ベースカバーは巨人がドジャース戦法を取り入れてベロビーチキャンプで練習してからと言われている。金田が中前打を放って一死一塁、土井垣の二ゴロでランナーが入れ替わり、藤村の右中間二塁打で土井垣はサヨナラのホームに突っ込むが、センター古川-ショート杉浦-キャッチャー藤原と中継されてタッチアウト。試合は延長戦に突入する。

 中部は12回表、一死後服部が四球で出塁、山本も四球を選び、トップに返り岩本は左飛に倒れて二死一二塁、ここで杉浦清監督が左中間に2点タイムリー三塁打を放ち土壇場で10-8とリードする。

 タ軍は12回裏、二死後藤村富美男監督が中前打で出塁、御園生が右中間にタイムリー三塁打を放ち9-10と1点差、しかし最後は山口が遊ゴロに倒れて激戦に終止符を打つ。

 中部は9日と本日のダブルヘッダーに4連勝、服部受弘は3勝1セーブを記録した。

 杉浦清監督と藤村富美男監督の意地がぶつかり合ったこの試合は戦後最初の名勝負であり、永く後世に語り継がれるべきゲームであった。


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