7月10日 (月) 甲子園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 4 1 5 阪神 15勝3敗2分 0.833 辻源兵衛 若林忠志
2 0 0 0 1 0 0 0 0 3 朝日 6勝13敗1分 0.316 内藤幸三
勝利投手 若林忠志 12勝2敗
敗戦投手 内藤幸三 5勝6敗
二塁打 (神)武智、呉昌征 (朝)内藤
勝利打点 武智修 2
武智修が決勝二塁打
阪神は初回、二死後御園生崇男が四球を選ぶと二盗に成功、藤村冨美男も四球を選んで二死一二塁、ここで御園生が三盗を決め、続いて藤村も二盗に成功。これは重盗ではない。後ほど解説しましょう。ということで二死二三塁、本堂保次は左飛に倒れて無得点。
朝日は1回裏、先頭の酒沢政夫がストレートの四球で出塁、田中豊一は三塁へのヒットで無死一二塁、坪内道則の送りバントをピッチャー辻源兵衛が三塁に送球して酒沢は三封、金光彬夫が四球を選んで一死満塁、菊矢吉男が中前にタイムリーを放って1点を先制、二走坪内も三塁を回りかけ、ライト呉昌征からのバックホームをキャッチャー中野道義が三塁に送球するがこれが悪送球、坪内も生還してこの回2点を先制する。阪神ベンチはここで先発の辻を下げて若林忠志監督がマウンドに上がる。
朝日は5回、先頭の酒沢の当りは遊ゴロ、ショート武智修が一塁に送球するがファースト金田正泰が落球して無死一塁、田中の遊ゴロでランナーが入れ替わり、田中が二盗に成功、坪内が四球を選んで一死一二塁、金光の遊ゴロで坪内が二封されて二死一三塁、菊矢が中前にタイムリーを放ち3-0と突き放す。
朝日先発の内藤幸三は7回まで阪神打線を2安打に抑え込んで無失点、しかし8回に波乱が起こる。
阪神は8回、一死後呉昌征が四球を選んで出塁、御園生の初球がボールとなったところで朝日ベンチはライトの田中をベンチに下げて仁木安を入れて内藤を落ち着かせようと試みる。御園生の記録は「1-6-3」で二塁セーフの一塁アウト、これは二通り考えられ、ピッチャー内藤を強襲した当りをショート酒沢がバックアップして御園生を一塁に刺したか、ピッチャーゴロで内藤がゲッツーを狙って二塁に送球するが一走呉がスタートを切っていて二塁はセーフ、二塁ベースカバーの酒沢が一塁に送球して御園生を刺したか、いずれにせよ二死二塁、ワイルドピッチで呉は三進、藤村が右前にタイムリーを放ち1-3、本堂が四球を選んで二死一二塁、金田の一塁へのヒットで二死満塁、若林の三ゴロをサード田端義夫がエラーする間に三走藤村が生還して2-3、ここで朝日ベンチはレフトの坪内とセンターの大島渡を入れ替える布陣を敷いて何とか内藤を立ち直らせようとするが、武智がライト線に逆転の2点タイムリー二塁打を放って4-3とリードする。
阪神は9回、先頭の塚本が四球を選んで出塁、呉昌征の左中間二塁打で無死二三塁、ここでキャッチャー吉田弘からの三塁牽制に三走塚本がタッチアウト、しかし呉が三盗を決めて一死三塁、御園生は三振に倒れるが、藤村のピッチャー強襲ヒットで呉が還り5-3とリードを広げる。
若林忠志は8回3分の2のロングリリーフで5安打2四球2三振1失点、12勝目をあげる。
朝日ベンチは内藤しか頼れるピッチャーがいないのであの手この手で内藤を引っ張ったが効を奏さなかった。
阪神は辻源兵衛がプロ入り初先発。海草中学時代にピッチャーをやっていた実績を買っての起用でしょう。辻はプロ野球に1年在籍して戦死することとなる。本職の打撃では規定打席にこそ達していないものの打率2割4分4厘をマーク、出塁率は3割8分を記録している。
*阪神初回の攻撃。二死後御園生崇男が四球から二盗に成功、藤村冨美男も四球を選ぶと御園生が三盗、続いて藤村が二盗、これは重盗ではありません。御園生の三盗は「’’」で、藤村の二盗は「’」となっています。本堂の2球目が「’’」、3球目が「’」となっており、御園生の三盗は本堂の2球目に、藤村の二盗は本堂の3球目に行われていますので重盗ではありません。ちょっとした「慶應式スコアカード」のお勉強の時間でした(笑)。
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