2025年12月7日日曜日

22年 阪急vs南海 9回戦

8月2日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 2 1 0 0 2 5 阪急 32勝34敗2分 0.485 野口二郎
3 0 0 0 0 1 0 0 0 4 南海 34勝29敗3分 0.540 丸山二三雄 別所昭

勝利投手 野口二郎   11勝11敗 
敗戦投手 丸山二三雄 8勝8敗

勝利打点(急)青田昇 6

猛打賞 (南)山本一人 4


南海、別所投入が裏目

 西宮の第2試合は野口二郎と丸山二三雄の先発で午後3時28分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 南海は初回、先頭の安井亀和が中前打で出塁、河西俊雄が左前打で続いて無死一二塁、田川豊の三塁内野安打で無死満塁、山本一人監督が左前に2点タイムリーを放ち、一走田川が三塁に向かうと打者走者の山本も一塁ベースを回って二塁を狙い、レフト山田伝は二塁に送球、この隙を突いて三塁に進んでいた田川がホームに還る好走塁を見せて3点を先制する。

 阪急は5回表、先頭の坂元義一が四球で出塁、日比野武の右前打で無死一二塁、一死後荒木茂はストレートの四球を選んで一死満塁、二死後トップに返り田中幸男が中前に2点タイムリーを放ち、2-3と1点差に迫る。

 阪急は初回から3回まで三者凡退、4回に上田藤夫が初ヒットを放ち、5回になって丸山を捕まえた。

 阪急は6回表、一死後野口明がセンター右にヒット、坂元は右前に抜けるヒット、これをライト田川がファンブルする間に一走野口明は三塁に進んで一死一三塁、日比野が左前に同点タイムリーを放ち3-3と追い付く。

 南海は6回裏、一死後山本が左前打で出塁、飯田徳治も中前打で続き、堀井数男の投ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、丸山の一塁線タイムリーで4-3と勝ち越す。

 阪急は9回表、一死後野口二郎が左前打で出塁、荒木に代わる代打楠安夫が中前打で続いて一死一二塁、楠に代わって代走に西村正夫が登場、山田に代わる代打安井鍵太郎が四球を選んで一死満塁、南海ベンチはここで先発の丸山に代えてエース別所昭を投入、トップに返り田中のカウントスリーボールワンストライクからの5球目はストライク、この時キャッチャー筒井敬三が一塁に送球、一塁ベースにはセカンド安井亀和が入って一走安井鍵太郎はタッチアウト、田中は四球を選んで二死満塁、上田藤夫が押出し四球を選んで4-4の同点、青田の三塁線ヒットがタイムリーとなって5-4と逆転に成功する。

 野口二郎は最終回を三者凡退に抑え、13安打を打たれながら無四球2三振の完投で11勝目をマークする。

 南海はエース別所の投入が裏目に出て逆転負け。

 9回表に一走安井鍵太郎がキャッチャー筒井敬三からの送球に刺された場面は、スコアカードに「2-4A」と書かれていることから一塁ベースカバーにセカンド安井亀和が入ったことが分かる。形だけ見るとサードとファーストが突っ込んでセカンドが一塁ベースカバーに入り、ピッチャーがウエスとして飛び出した一塁ランナーを刺す「ピックオフプレー」のようにも見えるが、満塁でカウントがスリーボールワンストライクなのでピッチャーはウエストするとはできず、ストライク投球だと打たれた場合にヒットになる可能性が高まるので、この場面で「ピックオフプレー」を選択する可能性は考えられない。

 となると、田中のスクイズが空振りストライクとなり、三走野口二郎がサインを見逃していてスタートを切っておらず、サイン通りスタートを切っていた一走安井鍵太郎が刺された可能性が考えられる。このケースだとファースト飯田徳治は打者のスクイズの構えを見たら前に突っ込み、セカンド安井亀和は一塁ベースカバーに向かうことになる。この時代にはまだセーフティスクイズが存在していた可能性は低く、仮にセーフティスクイズであったならば一走安井鍵太郎がスタートを切ることもない。

*9回に一走安井鍵太郎がキャッチャーからの送球に刺された場面。田中幸男の打席でカウントスリーボールワンストライクからの5球目、ストライク投球の時で、(2-4A)と記載されているとおり、セカンド安井亀和が一塁ベースカバーに入ったもの。

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